ドル円160円台前半、38年ぶり高値から小反落
27日午前の東京市場でドル円は小幅反落。未明に約38年ぶりの円安水準を更新した流れを受け、朝方(6:00)160.81レベルの高値圏で取引の始まったドル円は、東京午前は始値を高値としてじりじりと値を下げる動きとなりました。10時前の仲値決め付近で小幅反発する場面もありましたが、上値は重く、一時160.38まで軟化の後、東京時間正午現在は、160.46での取引です。
午前中林官房長官や、鈴木財務相から「必要に応じ対応をとる」とのけん制発言も聞かれており、市場は高値更新の達成感と介入警戒感からやや上値が重くなっている状況です。
日経平均株価は急反落。米半導体大手マイクロン社の業績見通しが、やや期待外れの内容であったこと等を嫌気して半導体関連株が売られた他、昨日までの上げに対する利益確定売りも出て、ほぼ全業種で下げ、380円安で午前の取引を終了しています。
昨晩海外市場では、前日のFRBボウマン理事はじめ、FRB高官から最近相次いだタカ派発言等に、米早期利下げ期待が後退。米長期金利の上昇に、ドル円は欧州時間に節目と見られていた160円を突破。米国オープン直前には4/29高値160.17を超え年初来高値を更新しました。さらに、この水準でも市場介入がなかったことから、米国序盤から円売りドル買いが再加速、財務省の神田財務官からは、「足元の動きは急激」「行き過ぎた動きには必要な対応をとる」等の発言があり、急反落する場面もありましたが、下値は160.02までですぐに反発に転じています。その後も、米長期金利が上昇を続けたことでドル円は160円台後半に乗せ、終盤160.87まで高値を伸ばして、そのまま高値圏で東京時間につないでいます。
テクニカルにはドル円は、直近高値を突破し、1986年12月以来の円安ドル高水準です。上方向にチャートポイントを探すのは困難で、介入警戒感が高まる中で161円、162円、165円等の節目を徐々にトライしていく動きが想定されます。
ここから先は当局の対応次第といえそうですが、市場のドル買い意欲は強く、生半可な介入では絶好の買い場を作るだけの結果にも終わりかねない状況。介入については米国の全面的な賛同を得られているとも思えない中、政府・日銀がどの時点でどのようなかじ取りをするのか、特に金融政策での対応に踏み切る方向性を示すのか、注目されます。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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