ドル円見通し 6月24日夜の一時的急落後は落ち着くも160円手前の抵抗感払拭できず(24/6/26)

6月25日は午前に159.18円まで下げたところは買われて深夜に159.75円まで戻し、その後も159.50円以上を維持して確りしている。

ドル円見通し 6月24日夜の一時的急落後は落ち着くも160円手前の抵抗感払拭できず(24/6/26)

6月24日夜の一時的急落後は落ち着くも160円手前の抵抗感払拭できず

〇ドル円、6/25は午前に159.18まで下げたところは買われ159.75まで戻し159.50以上維持して確り
〇FRBボウマン理事のタカ派発言や、カナダCPI再上昇によるインフレ再燃懸念等がドル高要因
〇市場介入警戒感と今週末の米5月PCEデフレーター待ちで引き続き慎重な動き
〇米CB消費者信頼感は低下、米長期債利回りは総じて小幅上昇、下げ渋り持ち合いの様相続く
〇159.18上回るうちは上昇余地あり、159.92超えからは160.00から160.50への上昇を想定
〇159.18割れからは下落期入りとみて6/24夜安値158.76、158.50を順次試す下落を想定

【概況】

ドル円は6月24日午前に159.92円を付けて5月3日安値151.85円以降の最高値としてから市場介入への警戒感で上げ渋り、24日夜には一時的な売りの連鎖で158.76円へ急落してから元の水準へ早々に戻す波乱を見せたが、その後は落ち着きを取り戻している。6月25日は午前に159.18円まで下げたところは買われて深夜に159.75円まで戻し、その後も159.50円以上を維持して確りしている。
FRBのボウマン理事が「必要ならば追加利上げの用意がある」とタカ派発言をしたことや、6月5日に4年3か月振りに利下げをしたカナダで5月CPI前年比が4月の2.7%から5月の2.9%へ再上昇したことによるインフレ再燃懸念等がドル高要因となり、先週末の急落から戻していたユーロドルや豪ドル米ドルが反落したことによるドル高感もドル円を支えたが、引き続き市場介入への警戒感と今週末の米5月PCE(個人消費支出)デフレーター待ちで慎重な動きとなっている。

【米CB消費者信頼感は低下、FRB理事は慎重派とタカ派】

6月25日に米調査機関のコンファレンス・ボード(CB)が発表した6月消費者景気信頼感指数は100.4となり5月の101.3(速報の102.0から下方修正)から低下したが市場予想の100.0は上回った。現況指数は前月の140.8から141.5へ上昇し、期待指数は74.9から73.0へ低下した。現状の景気判断は「良い」が前月の20.8%から19.6%へ低下、「悪い」も18.4%から17.7%へ低下した。向こう半年間の景気見通しでは「改善する」が前月の13.7%から12.5%へ低下、「悪化する」が16.9%から16.7%へやや低下した。

FHFA(連邦住宅金融局)の4月住宅価格指数は前月比0.2%で3月の0.1%から伸びが加速したが市場予想の0.3%を下回り、前年同月比は6.3%で3月の6.7%を下回ったものの高水準を維持した。ケース・シラーの4月米住宅価格指数は前月比1.4%で3月の1.6%から若干鈍化したが前年同月比は7.2%で3月の7.5%(7.4%から上方修正)を下回ったものの市場予想の7.0%を上回った。

FRBのクック理事は6月25日に「インフレが大きく改善し、労働市場が徐々に冷え込んでいることを踏まえると、経済の健全なバランスを維持するために、ある時点で政策の制約的な度合いを引き下げることが適切になる」と述べて年内利下げの可能性を示唆したものの具体的な時期には言及せず慎重姿勢を保った。ただ、金融政策における最大の焦点はインフレから労働市場への配慮にシフトしているとし、リスクバランスを考慮しながら労働市場が急速に変化する場合は対応(利下げ)する可能性があるとした。
FRBのボウマン理事はタカ派姿勢が顕著で前回FOMCでは年内利下げ予想をしなかったとし、「必要であれば利上げの用意がある」と従来のタカ派姿勢を改めて強調した。

【米長期債利回りは小動き続き下げ渋り型持ち合いの様相】

6月25日の米長期債利回りは総じて小幅上昇したが6月14日以降の下げ渋り持ち合いの様相が続いている。FRB理事のタカ派発言やカナダCPIの再上昇及び米財務省のTB大量入札と今週の長期債入札予定が下支え要因だが、9月利下げ期待度もまだ6割強あるために上昇力は鈍い印象だ。
長期金利指標の10年債利回りは前日比0.02%低下の4.25%で一時4.21%をつけて6月14日に付けた4.19%に迫ったものの、4.30%を抵抗としたレンジ内で揉み合いを続けている。30年債利回りも同様で前日比0.02%上昇の4.25%、2年債利回りも0.01%上昇の4.74%と小動きだった。
一方でNYダウは前日まで5連騰してきたが6月25日は連騰に対す修正安で前日比299.05ドル安と下落し、ナスダック総合指数は前日までの3営業日続落後の買い戻しで220.83ポイント高と戻した。

【60分足、サイクル・一目均衡表分析】

【60分足、サイクル・一目均衡表分析】

ドル円は6月14日高値を上値抵抗線とした三角持ち合いの終点となる6月19日夕安値157.60円を起点とした上昇期として21日午後から25日夕にかけての間への上昇を想定してきたが、6月24日夜に一時159円を割り込む波乱となったために25日午前時点では24日午前高値を超えないうちは一段安の可能性ありとし、24日午前高値超えからは新たな上昇期入りとした。
6月25日午前安値159.18円から159円台後半へ戻しているので再び6月24日午前高値及び160円を試す動きとみて6月25日午前安値を目先の底とした上昇期入りと仮定して27日午前から7月1日午前にかけての間への上昇を想定し、6月25日午前安値割れからは次の下落期入りとして28日午前から7月2日午前にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では159円台での揉み合い商状のため方向感に欠けるが、6月24日夜の一時的急落時も先行スパンの上限が下値支持線として機能したため先行スパンを上回るうちは上昇基調を継続しやすいとみる。このため先行スパンからの転落を回避する内は遅行スパン好転中の高値試し優先とし、先行スパンから転落する場合は下げ足が速まるとみて遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は6月25日午前に40ポイントまで低下してから50ポイント台を回復しているので、50ポイント以上を維持するか一時的に割り込んでも回復する内は上昇余地ありとして70ポイント台への上昇を想定するが、50ポイント割れからは下向きとし、45ポイント割れからは下落再開として30ポイント前後への低下を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、6月25日午前安値159.18円を下値支持線、6月24日午前高値159.92円を上値抵抗線とする。
(2)159.18円を上回るうちは上昇余地ありとし、159.92円超えからは160.0円台前半(160.00円から160.50円)への上昇を想定する。160円台到達では市場介入を警戒するが、介入なければ上昇がさらに勢い付く可能性もあると注意し、160円台を維持しての推移に入る場合は上値目途を161円台試しへ引き上げる。
(3)159.18円割れからは下落期入りとみて6月24日夜安値158.76円、158.50円を順次試す下落を想定する。158.50円以下は反騰注意とするが、急落商状発生の場合は158円台序盤へ下値目途を引き下げる。

【当面の予定】

6/26(水)
FRB、年次銀行ストレステスト結果公表
10:30 (豪) 5月 CPI(消費者物価指数) 前年同月比 (4月 3.6%、予想 3.8%)
15:00 (独) 7月 GFK消費者信頼感 (6月 -20.9、予想 -18.9)
19:40 (欧) レーンECB理事、講演
23:00 (米) 5月 新築住宅販売件数・年率換算 (4月 63.4万件、予想 63.3万件)
23:00 (米) 5月 新築住宅販売件数 前月比 (4月 -4.7%、予想 -0.2%)
23:30 (米) EIA週間石油在庫統計
26:00 (米) 財務省5年債入札

6/27(木)
EU首脳会議(6/28まで)、米大統領選挙候補者第1回テレビ討論会
08:50 (日) 5月 小売業販売額 前年同月比 (4月 2.4%、予想 2.0%)
10:00 (NZ) 6月 ANZ企業信頼感 (5月 11.2)
18:00 (欧) 6月 消費者信頼感・確定値 (5月 -14.0)
18:00 (欧) 6月 経済信頼感 (5月 96.0、予想 96.0)
21:30 (米) 5月 卸売在庫 前月比 (4月 0.2%、予想 0.1%)
21:30 (米) 1-3月期 GDP確定値 前期比年率 (改定値 1.3%、予想 1.4%)
21:30 (米) 1-3月期 GDP個人消費・確定値 前期比年率 (改定値 2.0%、予想 2.0%)
21:30 (米) 1-3月期 コアPCEデフレーター・確定値 前期比年率 (改定値 3.6%、予想 3.6%)

21:30 (米) 5月 耐久財受注 前月比 (4月 0.7%、予想 -0.1%)
21:30 (米) 5月 耐久財受注・輸送用機器除く 前月比 (4月 0.4%、予想 0.1%)
21:30 (米) 新規失業保険申請件数 (前週 23.8万件、予想 23.5万件)
21:30 (米) 失業保険継続受給者数 (前週 182.8万人、予想 182.0万人)
23:00 (米) 5月 NAR住宅販売保留指数 前月比 (4月 -7.7%、予想 1.5%)
23:00 (米) 5月 NAR住宅販売保留指数 前年同月比 (4月 -0.8%)
26:00 (米) 財務省7年債入札



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