ドル円、159円台後半で底堅い動き。心理的節目160.00突破は時間の問題か
〇ドル円、ボウマンFRB理事のタカ派的な発言、米指標の好調等に米国時間に159.79まで上昇
〇昨日も続いた本邦当局関係者の円安けん制発言への為替市場の反応は限定的
〇ユーロドル、米金利上昇に一時1.07割れ、1.0715付近で冴えない動き
〇ドル円、介入警戒感、オプション防戦売り等が上値を抑えるも、このタイミングでの介入は難しいか
〇円キャリートレードの流れは止められないことからドル買い・円売りトレンドの継続を予想
〇本日の予想レンジ:159.00ー160.50
海外時間のレビュー
25日(火)のドル円相場は堅調な値動き。アジア時間朝方にかけて、安値159.20まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)日米金利差に着目した円キャリートレードの再開や、(2)日経平均株価の堅調推移(リスク選好の円売り圧力)、(3)ボウマンFRB理事による「必要であれば利上げの用意がある」「米国のインフレ率はしばらくの間高止まりすると予想」とのタカ派的な発言、(4)米5月シカゴ連銀全米活動指数(結果+0.18、予想▲0.25)の市場予想を上回る結果、(5)米4月S&Pケースシラー住宅価格指数(結果+7.20%、予想+7.00%)の市場予想を上回る結果、(6)米6月コンファレンス・ボード消費者信頼感指数(結果100.4、予想100.0)の市場予想を上回る結果が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値159.79まで上昇しました。
引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間6/26午前6時00分現在)では、159.69前後で推移しております。尚、昨日は林官房長官による「為替の過度な変動には適切な対応取っていきたい」との円安牽制発言や、鈴木財務相による「為替の行き過ぎた動きには適切に対応していく」との円安牽制発言が見られましたが、市場の反応は限られました。
25日(火)のユーロドル相場は冴えない動き。アジア時間午後にかけて、高値1.0745まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)欧州株安を背景としたリスク回避ムードの再開や、(2)フランス総選挙を控えた警戒感、(3)米経済指標の良好な結果、(4)ボウマンFRB理事によるタカ派的な発言、(5)米金利上昇に伴うドル買い圧力が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値1.0690まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間6/26午前6時00分現在)では、1.0715前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は心理的節目160.00の手前で足踏み状態が続いています。政府・日銀による為替介入警戒感(※政府・日銀は前回160円に乗せた4/29に約5兆円規模のドル売り介入を実施したため、市場では為替介入の発動スイッチが160円に設定されているとの見方が根強い)に加えて、オプショントリガー(リバースノックアウトオプション)を背にした防戦売りの影響が、ドル円の上値を抑える要因になっていると考えられます。但し、イエレン米財務長官が日本の為替介入を繰り返し牽制していることや、米財務省が先週末金曜日に日本を「監視リスト」へ追加したこと等を踏まえると、政府・日銀がこのタイミングで為替介入に踏み切ることは容易では無いと考えられます。
加えて、足元では米FRBによる金融引き締め長期化観測(昨日発表された米経済指標は総じて良好な結果。ボウマンFRB理事もタカ派的なスタンスを強調)や、日銀による金融緩和の長期化観測(日銀が昨日公表した5月の基調インフレの最頻値は前月を下回る2022年11月以来の低い伸びを記録。格付け会社ムーディーズも「日銀は利上げに時間をかける見通し」との見解を発表)も広がっているため、余程強いドル売り・円買い材料が出てこない限り、日米金利差に着目した円キャリートレードの流れは止められないと考えられます。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続(4/29に記録した約34年ぶり高値160.24の早期突破)をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は、米MBA住宅ローン申請指数、米5月新築住宅販売件数、米財務省5年債入札などが予定されております。
本日の予想レンジ:159.00ー160.50
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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