ドル円、日米金利差に着目したドル買い優勢となる中、約1カ月半ぶり高値圏へと急上昇
〇ドル円、米金利上昇や米外為報告書の「監視リスト」への日本の追加等に米国時間に158.95まで上昇
〇ユーロドルBOE議事要旨のハト派な内容や米金利上昇に1.07近辺まで下落
〇ドル円、6/14高値158.27突破に成功、全テナーでの買いシグナルも点灯し地合い極めて強い
〇ファンダメンタルズも、「監視リスト」に追加より介入が一段と困難になると見られドル円上昇要因に
〇ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:158.25ー159.75
海外時間のレビュー
20日(木)のドル円相場は堅調な値動き。アジア時間朝方にかけて、安値157.93まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)5・10日要因のドル買い・円売り(公表相場決定にかけてのドル買い需要)や、(2)日経平均株価の堅調推移(リスク選好の円売り圧力)、(3)直近高値(6/14に記録した高値158.27)突破に伴う仕掛け的なドル買い・円売り、(4)米金利上昇に伴うドル買い・円売り、(5)欧米株の堅調推移(リスク選好の円売り圧力)、(6)米財務省・外国為替報告書における「監視リスト」への日本の追加(為替介入が一段とやり辛くなるとの思惑)が支えとなり、米国時間午後にかけて、高値158.95まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間6/21午前6時00分現在)では、158.90前後で推移しております。尚、昨日発表された米経済指標(米5月住宅着工件数、米5月建設許可件数、米新規失業保険申請件数、米5月フィラデルフィア連銀製造業景況指数)は軒並み冴えない結果となりましたが、ドル売りでの反応は限定的となりました。
20日(木)のユーロドル相場は上値の重い展開。アジア時間朝方にかけて、高値1.0749まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)スイス中銀によるサプライズ利下げ(SNBは市場予想に反して25bpの利下げを決定→スイスフラン下落→ユーロ連れ安)や、(2)BOE議事要旨のハト派的な内容(前回同様2人が25bpの利下げを主張→英ポンド下落→ユーロ連れ安)、(3)米金利上昇に伴うドル買い圧力、(4)ユーロ圏6月消費者信頼感速報値(結果▲14.0、予想▲13.8)の市場予想を下回る結果が重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.0701まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間6/21午前6時00分現在)では、1.0705前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は一時158.95まで急伸するなど、直近高値(6/14高値158.27)突破に成功しました。日足ローソク足が主要テクニカルポイントの遥か上側に位置していることや、下位足から上位足に至る全てのテナーで強い買いシグナル(強気のパーフェクトオーダー、強気のバンドウォーク、一目均衡表三役好転、ダウ理論の上昇トレンド)が点灯していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは極めて強いと判断できます。
また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる金融引き締め長期化観測(先週開催された米FOMCはタカ派的な内容→米金利に上昇圧力)や、(2)日銀による金融緩和の長期化観測(先週開催された日銀金融政策決定会合はハト派的な内容→円金利に低下圧力)、(3)上記1、2を背景とした円キャリートレードの長期化期待(日米金利差は当面縮まらないとの見方→ドル円ロングに安心感)、(4)政府・日銀による介入警戒感の後退(イエレン米財務長官が複数回にわたり日本の為替介入を牽制している他、昨日は日本を外国為替報告書での「監視リスト」に追加→日本政府・日銀は円安阻止の為替介入に踏み切り辛い)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています(※昨日発表された米経済指標は軒並み冴えない結果となったものの、ドル売りでの反応は限定的→市場の期待がドル買い方向に寄っていることの証左)。
以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします(4/29に記録した約34年ぶり高値160.24に向けて上値を伸ばすシナリオを想定)。尚、本日は本邦の5月全国消費者物価指数や、米6月製造業・非製造業PMI速報値、米5月景気先行指数、米5月中古住宅販売件数などが予定されております。
本日の予想レンジ:158.25ー159.75
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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