157円台後半で堅調な値動き。本日は米小売売上高や米当局者発言に注目
〇ドル円、米6月NY連銀製造業景況指数の好調等に米国時間に一時157.96まで上昇、堅調推移
〇ユーロドル、仏政局不安緩和から米国時間に1.07台前半を回復
〇ドル円、主要テクニカルポイントの上で推移、強い買いシグナルも成立、地合い強い
〇ファンダメンタルズも米金融引き締め長期化観測、介入警戒感の後退等がドル円をサポート
〇引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:157.00ー158.75
海外時間のレビュー
週明け17日(月)のドル円相場は堅調推移。(1)日経平均株価の冴えない動き(一時800円超の大幅下落)や、(2)上記1を背景としたリスク回避の円買い圧力(クロス円下落→ドル円連れ安)が重石となり、アジア時間午後にかけて、安値157.17まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(3)日米金利差に着目した円キャリートレードの再開や、(4)日経平均先物・ナイトセッションの堅調推移(リスク回避ムードの後退)、(5)米6月ニューヨーク連銀製造業景況指数(結果▲6.0、予想▲10.0)の市場予想を上回る結果が支えとなり、米国勢参入後に、高値157.96まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間6/18午前6時00分現在)では、157.72前後で推移しております。尚、昨日はフィラデルフィア連銀ハーカー総裁より「今年は1回の利下げが適切だと思う」との発言が見られましたが、市場の反応は限られました。
週明け17日(月)のユーロドル相場は下落後に持ち直す展開。(1)フランスの政局不安に端を発したリスクオフが重石となる中、アジア時間午後にかけて、安値1.0686まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(2)前週末金曜日に記録した安値1.0668をバックにした押し目買い圧力の高まりや、(3)フランスを巡る政局不安の緩和(極右政党の国民連合を率いるルペン氏が「次期国政選挙で勝利した場合にマクロン現大統領と協力する」と発言→欧州株持ち直し→リスク回避ムード後退→ユーロ反発)が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値1.0738まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間6/18午前6時00分現在)では、1.0734前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は一時157.96まで上昇するなど堅調推移が続いています。日足ローソク足が全ての主要テクニカルポイント(21日線、50日線、90日線、200日線、ボリンジャーミッドバンド、一目均衡表転換線、基準線、雲上限)の上側に位置していることや、強い買いシグナルを示唆する「強気のパーフェクトオーダー」「一目均衡表三役好転」「ダウ理論の上昇トレンド」が揃っていること、下位足(1時間足や4時間足)でも買いシグナルが点灯していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます。
また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる金融引き締め長期化観測(先週発表されたドットチャートは年1回の利下げに留まることを示唆。昨日もフィラデルフィア連銀ハーカー総裁より「今年は1回の利下げが適切だと思う」との発言あり)や、(2)日銀による金融緩和の長期化観測(先週末金曜日に開催された日銀金融政策決定会合は予想以上にハト派的な内容。政策金利が据え置かれただけではなく、国債買い入れについても具体的な計画を次回会合へ持ち越し)、(3)上記1、2を背景とした円キャリートレードの長期化期待(日米金利差は当面縮まらないとの見方からドル円ロングに安心感)、(4)日本政府・日銀による介入警戒感の後退(ドル円は既に介入警戒ゾーンに突入しているものの、イエレン米財務長官が日本の為替介入を複数回に亘り牽制しているため、仮に直近高値160.24に迫ったとしても為替介入に踏み切ることは容易では無いとの見方)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。
本日予定されている米経済指標(米5月小売売上高、米5月鉱工業生産、米5月設備稼働率)が市場予想を上回る場合や、ブラックアウト期間明けの米当局者(リッチモンド連銀バーキン総裁、ボストン連銀コリンズ総裁、ダラス連銀ローガン総裁、クーグラーFRB理事、セントルイス連銀ムサレム総裁、シカゴ連銀グールズビー総裁)よりタカ派的な発言(早期利下げに慎重な発言)が相次ぐ場合などには、米金利上昇→米ドル買いの経路で、ドル円にもう一段強い上昇圧力が加わるシナリオが想定されるため、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします。
本日の予想レンジ:157.00ー158.75
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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