ドル円、157円を挟んで方向感に欠ける展開。重要イベントを前に手控えムードが継続か
〇ドル円、重要イベント控え157円を挟んで方向感に欠ける動き
〇ユーロドル、フランス政局不透明感からのリスク回避ムードから1.07台で上値重い
〇ドル円、主要テクニカルポイントの上で推移、短期足でも強い買いシグナルが成立、地合い強い
〇ファンダメンタルズはキャリートレード長期化期待、日本政府の財政悪化懸念等がドル円をサポート
〇引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日は経済イベントの発表に乏しく、また重要イベントを前に手控えムードが広がり易いか
〇本日の予想レンジ:156.50ー157.50
海外時間のレビュー
週明け10日(月)のドル円相場は方向感に欠ける展開。(1)日経平均株価の堅調推移(リスク選好の円売り圧力)が支えとなる中、アジア時間正午にかけて、高値157.20まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(2)重要イベント(米FOMC、米5月消費者物価指数、日銀金融政策決定会合)を控えたポジション調整が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値156.74まで反落しました。引けにかけて持ち直すも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間6/11午前7時00分現在)では、157.03前後で推移しております。尚、昨日発表されたニューヨーク連銀による1年先インフレ期待(結果3.2%、前回3.3%)は前回を下回る結果となりましたが、市場の反応は限られました。
週明け10日(月)のユーロドル相場は上値の重い展開。アジア時間朝方にかけて、高値1.0782まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)フランスを巡る政局不透明感(欧州議会選で与党がマリーヌ・ルペン氏率いる極右政党の国民連合に大敗→マクロン仏大統領は下院議会を解散し総選挙を実施すると発表)や、(2)上記1を背景としたリスク回避ムード(フランス株急落)が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値1.0732まで下落しました。
もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、(3)スロバキア連銀カジミール総裁による「夏の間は金利について急ぐ必要はなく楽観視できる」との追加利下げに慎重な発言や、(4)ドイツ連銀ナーゲル総裁による「ECBの利下げサイクルは必ずしも始まっていない」との追加利下げに慎重な発言、(5)ラガルドECB総裁による「金利は必ずしも直線的に低下するわけではない」「金利を据え置く期間が複数回あるかもしれない」との追加利下げに慎重な発言が支えとなり、本稿執筆時点(日本時間6/11午前7時00分現在)では、1.0765前後まで持ち直す動きとなっております。尚、昨日発表されたユーロ圏6月投資家信頼感指数(結果+0.3、予想▲1.7)は市場予想を大幅に上回る結果となりましたが、市場の反応は限られました。
本日の見通し
ドル円は重要イベントを前に方向感に欠ける値動きが続いています。但し、日足ローソク足が主要テクニカルポイント(21日線、50日線、90日線、200日線、ボリンジャーミッドバンド、一目均衡表転換線、基準線、雲上限)の上側で推移していることや、強い買いシグナルを示唆する「強気のパーフェクトオーダー」「一目均衡表三役好転」「ダウ理論の上昇トレンド」が成立していること、4時間足や週足でも強い買いシグナルが点灯していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます。
また、ファンダメンタルズ的に見ても、日米金利差に着目した円キャリートレードの長期化期待(先週末金曜日に発表された米5月雇用統計は力強い結果→年内利下げ見送り観測が台頭→日米金利差は当面縮まらないとの見方からドル円ロングに安心感)や、日本政府の財政悪化の円売り懸念(日銀が仮に今週の会合で金融引き締めに動いたとしても、円金利上昇がそのまま円買いに繋がる公算は小さい→むしろ、日本政府の利払い負担増加への連想から財政悪化を嫌気した円売りに繋がる恐れあり)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は経済イベントの発表に乏しく、また重要イベント(米FOMC、米5月消費者物価指数、日銀金融政策決定会合)を前に手控えムードが広がり易いことから、1日を通して狭いレンジ内での膠着相場が続きそうです。
本日の予想レンジ:156.50ー157.50
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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