ドル円、約3週間ぶり安値圏から急反発。米ISM非製造業の良好な結果が支援材料に(6/6朝)

5日(水)のドル円相場は急反発。

ドル円、約3週間ぶり安値圏から急反発。米ISM非製造業の良好な結果が支援材料に(6/6朝)

ドル円、約3週間ぶり安値圏から急反発。米ISM非製造業の良好な結果が支援材料に

〇ドル円、アジア時間の安値154.79から米国時間に一時156.48まで急伸、156円前後で推移
〇中国5月PMIの改善からのリスク選好回復、米5月ISM非製造業指数の予想外の好調が背景
〇ユーロドル、ECB理事会控え1.08台後半で上値の重い展開
〇ドル円一目均衡表の「雲」上限の156.05を維持できれば5/29高値157.79への前値戻しも視野に
〇ファンダメンタルズもキャリートレード継続期待、日本政府の財政悪化懸念等がドル円をサポート
〇引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日、ECB理事会、ラガルド総裁記者会見が予定されており、ユーロ主導の動きにも警戒が必要
〇本日の予想レンジ:155.00ー157.00

海外時間のレビュー

5日(水)のドル円相場は急反発。アジア時間朝方にかけて、安値154.79まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)急ピッチな下落に対する反動買い(押し目買い)や、(2)中国5月財新メディア非製造業PMI(結果54.0、予想52.5)の市場予想を上回る結果、(3)上記2を背景としたリスク回避ムードの後退、(4)米5月総合PMI(結果54.5、予想54.2)の市場予想を上回る結果、(5)米5月ISM非製造業景況指数(結果53.8、予想51.0)の力強い結果が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値156.48まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間6/6午前6時35分現在)では、156.07前後で推移しております。尚、昨日発表された米5月ADP雇用統計(結果+15.2万人、予想+17.5万人)は市場予想を下回る結果となりましたが、市場の反応は限られました。

5日(水)のユーロドル相場は上値の重い展開。(1)ECB理事会を控えたポジション調整や、(2)ユーロ圏5月総合PMI(結果52.2、予想52.3)の市場予想を下回る結果、(3)ユーロ圏4月生産者物価指数(結果▲5.7%、予想▲5.3%)の市場予想を下回る結果が重石となり、米国時間朝方にかけて、一時1.0859まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(4)米5月ADP雇用統計の冴えない結果や、(5)米金利低下に伴うドル売り圧力が支えとなり、日本時間22時過ぎに、高値1.0892まで急伸する場面も見られました。もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、(6)心理的節目1.0900を背にした戻り売り圧力や、(7)米5月総合PMIの市場予想を上回る結果、(8)米5月ISM非製造業景況指数の力強い結果、(9)上記7、8を背景とした対主要通貨でのドル買い圧力が重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.0854まで反落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間6/6午前6時35分現在)では、1.0870前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は5/29に記録した約1カ月ぶり高値157.79をトップに反落に転じると、6/4に一時154.54まで急落しましたが、昨日は一転押し目買いが優勢となり、米国勢参入後には一時156.48まで急伸する場面も見られました(157.79→154.54の半値戻しを達成済み)。一目均衡表雲上限が位置する156.05近辺を維持することが出来れば、「157.79への全値戻し」も視野に入ることから、テクニカル的に見て、地合いは強い(アップサイドリスクに要警戒)と判断できます。また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)日米金利差に着目した円キャリートレードの継続期待(日米金利差は当面縮まらないとの見方が根強く、下がったところでは昨日のように押し目買いが活発化する心理構造)や、(2)日本政府の財政悪化懸念(日銀による追加的な金融引き締め→本邦長期金利の更なる上昇懸念→日本政府の利払い負担増加→財政悪化を嫌気した円売り圧力)、(3)日本政府・日銀による為替介入警戒感の後退(投機的な円売りが出てこない限り、日本政府は米政府への配慮から為替介入に踏み切りづらい)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。

以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は米経済指標(米4月貿易収支、米1ー3月期非農業部門労働生産性、米1ー3月期単位労働コスト、米新規失業保険申請件数)に加えて、ユーロ圏の重要イベント(ECB理事会+ラガルド総裁記者会見)も予定されているため、ユーロ主導の動きにも警戒が必要でしょう(ECBによる25bpの利下げ実施は織り込み済みであるため、市場参加者の関心は7月以降の会合での追加利下げを滲ませるか否かに移っています)。

本日の予想レンジ:155.00ー157.00

注:ポイント要約は編集部

ドル円、約3週間ぶり安値圏から急反発。米ISM非製造業の良好な結果が支援材料に

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

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