東京市場のドルは155円台半ばまで値を戻す、米雇用鈍化の流れを受けて下を警戒
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、米10年国債利回りが下げ渋ったことで155円台半ばまで戻す展開となった。
昨晩の海外時間では、4月JOLT求人件数が予想以上に減少したため、早期の利下げ観測が強まり、10年国債利回りは4.32%まで低下。金利低下に伴うドル売りが優勢となった。また、日銀が国債購入を減額するとの思惑を受けた円買いが継続。154円54銭までドルは下落した。
東京時間は、時間外の米10年国債利回りが4.33%台と下げ渋ったこともあり、155円半ばまで戻りを試す展開となった。株式市場では日経平均が続落したが、為替に対する影響は限定的となった。なお、ドル・インデックスは104.2台と目立った動きは観測されていない。対円での主要通貨がほぼ同じ動きを示したことで、円買いポジションのアンワインドが入ったと見られる。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:154円87銭
高値:155円71銭
安値:154円84銭
終値:155円63銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:168円48銭
高値:169円38銭
安値:168円45銭
終値:169円33銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:102円96銭
高値:103円67銭
安値:102円94銭
終値:103円62銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:197円77銭
高値:198円85銭
安値:197円75銭
終値:198円79銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:38654円09銭
高値:38656円41銭
安値:38343円98銭
終値:38490円17銭(前日比−347円29銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
16時50分、欧、5月仏サービス業PMI、前回:49.4、市場予想:49.4
16時55分、欧、5月独サービス業PMI、前回:53.9、市場予想:53.9
17時00分、欧、5月ユーロ圏サービス業PMI、前回:53.3、市場予想:53.3
17時30分、英、5月サービス業PMI、前回:52.9、市場予想:52.9
21時15分、米、5月ADP雇用者数、前回:19.2万人、市場予想:17.7万人
22時45分、米、5月サービス業PMI(確報値)、前回:54.8、市場予想:54.8
22時45分、米、5月コンポジットPMI(確報値)、前回:54.4、市場予想:54.4
23時00分、米、5月ISM非製造業景気指数、前回:49.4、市場予想:51.1
23時30分、米、週次原油在庫、前回:−415.6万バレル
FRBブラックアウト期間入り(金融政策に関する発言自粛)13日まで
※予定は変更することがございます。
【今晩の海外時間の見通し】
日足チャートでは、下値支持線として期待されていた一目均衡表の雲上限を下放れたが、5月3日同様、50日移動平均線で下げ止まったことから、短期的な下落はいったん止まったと考える。遅行スパンが実線を下回ったが、仮に雲下限の153円26銭水準を意識した一段安となっても、週明けには実線が一段安することから、遅行スパンの陰転継続は回避されよう。
とはいえ、今晩の5月ADP雇用者数に対する警戒感は強い。市場予想が前回を下回っていることから、市場予想通りであっても雇用鈍化の流れは明確化することから、早期の利下げ観測が刺激される可能性はある。相場の地合いは下に向かいやすいと考える。
昨晩の為替動向を見る限り、対円での主要通貨の動きはシンクロしていたことから、「円売りポジションのアンワインドが入った後、再び円売りポジションを組んだ」と思われる。ドルよりも円の動向を注視した方がいい地合いは続くだろう。
足元、ブラックアウト期間入りしていることもあり、米経済指標に対する米10年債利回りの感応度の強さは際立っている。為替市場のみならず株式市場も、米10年債利回り、そして日本の長期金利に振らされる地合いとなっていることから、週末の米雇用統計発表後も米連邦公開市場委員会(FOMC)が11−12日、日銀金融政策決定会合が13−14日に控えていることで、来週末まではこうした荒い値動きは続くだろう。
今晩の海外時間は戻りを試しつつも、下の動きを警戒したい。上値メドは156円30銭、下値メドは154円80銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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