一転下値リスク高まる、ドル続落にも注意
〇本日のドル円、156円半ばまで上昇したが続かず、終盤に下げ足を速めると155.80レベルまで値を崩す
〇昨日ドルは156円を割り込み、本日東京時間にさらに続落、短期的なレンジの下限を下回ったか
〇基調転換を断定するにはまだ早いが、ドルの上値トライが先送りされ、短期的にドル続落にも要注意
〇本日以降週末の米雇用統計まで重要な米経済指標発表続く、このあとも予断を許さない
〇ドル/円予想レンジは155.00-156.20、ドル高・円安方向は156.10-20が最初の抵抗か
〇ドル安・円高方向、5月安値151.86を起点とした上げ幅のフィボナッチ38.2%戻しの155円半ばに注目
<< 東京市場の動き >>
東京市場はドルが弱含み。終盤に下げ足を速めると156円を割り込み、155.80円レベルまで値を下げた。
ドル/円は156.10円レベルで寄り付いたのち、当初はドルが小高い。156円半ばまで値を上げたが続かなかった。米金利の低下が嫌気されるとドルも軟調裡。一転してドルは下値を試す展開になると、156円割れ。前日安値を下回る155.80円レベルまで値を崩し、16時現在では155.95-00円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「米金融政策」と「ガザ情勢」について。
前者は、注目を集めていた米指標、5月のISM製造業景況指数が予想下回る内容となり、為替市場でもドル売りが進展した。ブルームバーグでも報じていたように、「米利下げが年内に少なくとも1回は実施されるとの見方が強まった」感も否めず、実際に米長期金利の低下を招いていたようだ。その後、米金利の低下は一服したものの、本日東京時間の時間外取引で再び低下するなど、以前とは様相に変化が生じているようだ。本日も発表される米指標には注意を払いたい。
対して後者は、G7首脳から、イスラエルとイスラム組織ハマスとの戦争に関してバイデン米大統領が示した停戦案を「全面的に支持する」との声明が聞かれるなか、国営サウジ通信はサウジアラビアやヨルダン、UAEなどアラブ諸国外相も「ガザ休戦案を真剣に検討すべき」との見解で一致したと伝えていた。「やり過ぎ」だと、イスラエルに対しての外圧は徐々に強まっている感があるものの、当のイスラエルはネタニヤフ首相が「ガザにおける最優先課題はイスラム組織ハマスの壊滅」と発言するなど依然として意気軒昂だ。まだまだ予断を許さない。
<< 欧米市場の見通し >>
昨日、「ドル/円相場はすでに1週間以上も156円を割り込んでいない」とレポートしたが、舌の根も乾かぬその日のうちにドルは156円を割り込んできた。また、本日東京時間にドルはさらに続落している。それを受け、短期的なレンジの下限を下回った感があるほか、移動平均の21日線を割り込んできたようだ。基調転換を断定するにはさすがにまだ早いものの、ドルの上値トライが先送りされたことは間違いなく、むしろ短期的にはドルの続落にも要注意。
日米金融政策への関心が引き続き高いなか、前述したように発表された経済指標を受け、米利下げ期待が再び高まっている。今週は本日以降、週末の米雇用統計まで連日重要とされる米指標発表が続くだけに、このあとも予断を許さない。逆に強めの数字が出て、流れが一変する展開などもあり得るだろう。またそれ以外では、依然として世界的な地政学リスクの高まりについて警戒感を抱く向きもある。
テクニカルに見た場合、ドル/円底堅さを醸していた156円を割り込むと、本日東京でさらに続落。ザラ場ベースではあるものの、移動平均の21日線をしっかりと割り込んでいる状況だ。いわゆるダマシの可能性もあり、断定はできないがドル高基調からの転換を示唆するものとして注意を払っておきたい。ちなみに、目先のサポートは155円半ばで、それを下回ると154.80円レベル、さらに5月16日安値153.60円などがターゲットに。
本日は米経済指標として、4月の製造業受注指数や同耐久財受注確報などが発表される予定となっている。前述したように、昨日は発表された米指標が相場の波乱要因となっていただけに、本日の指標も注目度は極めて高い。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは155.00-156.20円。ドル高・円安方向は移動平均の21日線が位置する156.10-20円が最初の抵抗か。超えると本日東京高値の156円半ばが意識されそうだ。
対するドル安・円高方向は、5月安値151.86円を起点とした上げ幅のフィボナッチ38.2%戻しの155円半ばに注目。半値戻しは154.80円となる。半月ぶりの155円割れもあるか。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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