約2週間ぶり安値圏へと急反落。米FRBによる利下げ開始時期の前倒し観測が重石に
○ドル円、米金利低下に伴うドル売り圧力などが重石、米国勢参入後に155.95まで急落
○ユーロドル、不冴な米経済指標などが支援材料、米国時間午後にかけて1.0905まで急伸
○ドル円、ダウンサイドに一目均衡表の分厚い雲がサポート、地合いは崩れていないと判断
○ファンダメンタルズも日米金利差の継続予想など、ドル円相場の上昇を連想させる材料揃う
○ドル円相場の一巡後の反発をメインシナリオとして予想
○本日の予想レンジ:155.00ー157.00
海外時間のレビュー
週明け3日(月)のドル円相場は大幅下落。アジア時間午後にかけて、高値157.48まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)本邦輸出企業の実需のドル売りや、(2)米金利低下に伴うドル売り圧力、(3)米5月ISM製造業景況指数(結果48.7、予想49.5)の市場予想を下回る結果、(4)米5月ISM支払価格(結果57.0、予想59.0)の市場予想を下回る結果、(5)米4月建設支出(結果▲0.1%、予想+0.2%)の市場予想を下回る結果。(6)ロング勢による大規模ロスカット(円キャリートレード解消に伴うドル売り・円買い)が重石となり、米国勢参入後に、安値155.95まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間6/4午前6時20分現在)では、156.07前後で推移しております。
週明け3日(月)のユーロドル相場は堅調推移。(1)独ハーベック経済相による「今週予定されているECBによる金融緩和サイクル開始後に追加利下げが続くことを期待」とのハト派的な発言や、(2)イタリア5月製造業PMI(結果45.6、予想48.0)の市場予想を下回る結果、(3)フランス5月製造業PMI(結果46.4、予想46.7)の市場予想を下回る結果、(4)ユーロ圏5月製造業PMI(結果47.3、予想47.4)の市場予想を下回る結果が重石となり、欧州時間朝方にかけて、安値1.0827まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(5)米5月ISM製造業景況指数の市場予想を下回る結果や、(6)米5月ISM支払価格の市場予想を下回る結果、(7)米4月建設支出の市場予想を下回る結果、(8)米金利低下に伴うドル売り圧力が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値1.0905まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間6/4午前6時20分現在)では、1.0900前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は5/29に記録した約1カ月ぶり高値157.79をトップに反落に転じると、昨日は一時155.95まで急落しました。但し、ダウンサイドに一目均衡表の分厚い雲がサポートとして意識されていることや、強い買いシグナルを示唆する「強気のパーフェクトオーダー」「ダウ理論の上昇トレンド」が継続点灯していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは崩れていない(足元の下落は上昇トレンドの過程で見られる一時的なポジション調整→一巡後に再び持ち直す公算が大きい)と判断できます。
また、ファンダメンタルズ的に見ても、日米金利差は当面縮まらないとの見方(米FRBによる年内利下げ回数は依然として1回というのが市場コンセンサス→円キャリートレードの長期化期待)や、政府・日銀による為替介入警戒感の後退(イエレン米財務長官が為替介入を牽制する中、政府・日銀は余程投機的な動きが見られない限り、為替介入に踏み切りづらい)、日銀による金融引き締めが日本政府の利払い負担増を通じた財政悪化に繋がるとの警戒感(日銀による追加利上げ観測や国債買い入れの減額観測が高まったとしても単純に円金利上昇→円買いの波及経路が生まれにくい)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の一巡後の反発をメインシナリオとして予想いたします(このままずるずるとドル円が下がり続ける可能性は低い)。尚、本日は日本時間23時00分に発表される米4月JOLT雇用動態調査に注目が集まります(市場予想を上回る結果となれば、ドル円が再び持ち直す可能性あり)。
本日の予想レンジ:155.00ー157.00
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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