ドル円イエレン議長会見後一段高117円台
イエレン議長は記者会見の質疑応答でトランプ次期大統領の政策についてFOMCの参加者全員が不透明な要素が大きいと認識していると述べ、最近の株式の上昇とドル高進展は新政権の拡大的財政政策を市場参加者が予想したもので、FRBはそれを注視したいと述べました。
また、FRB議長任期が大統領とずれているのはFRBの独立性を維持するもので任期を全うする意思を示しました。株式市場についてはコメントを避けましたが、税制や財政政策の期待が株式を押し上げており、現在の株価は正常な範囲のうちだと考えていると述べています。
今回のFRBの決定と会見内容はほぼ予想通りの内容ですが、今回の決定内容には今後予想される新政権の財政政策等は想定に入っていないということを示唆しており、潜在的には一段の金利上昇の可能性を匂わせています。
会見後ドル円は117円台に急伸し、117.22の高値をつけ、ドルインデックスは102.2まで上昇押しています。NYダウは一時19,750ドルを割り込みこの日の高値からの落差は200ドルを超えましたが、その後は持ち直し19,800近辺で方向感をなくしました。
ドル円の上昇は米金利の先高観が確認されさらに上昇の可能性を示唆されたためと考えられます。米国債10年物利回りは2.55%を超え、FOMC結果発表前に比べて0.10%以上上昇しています。
一方で株式市場が迷走しているのは、予想を上回る金利の上昇が株式市場を阻害する懸念がある一方で、議長が現在の株価を正常の範囲内と考えていると述べたこと、今回の利上げを米経済へのFRBの信任の表れであると明言したことなど、現在の市場環境に関して肯定的な姿勢を明らかにした部分があり、予想より現状にポジティブと捉えられる部分もあったことによるものと思われます。
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