一転ドル急落、米株の動きに要注意か
〇本日のドル円、しばらく揉み合うも夕方に掛けて下げが加速、156.70レベルまで下落
〇昨日と本日、高値157.70レベルを一時示現するも続かず、そののち1円ほど値を崩す
〇ドル高基調そのものに変化はないと予想されるが、156円半ばしっかり下回るとドル続落の懸念も
〇日経平均が下落、時間外のNYダウも不安定な値動き、米株安進行となればドル売り反応となる可能性も
〇ドル円予想レンジは156.30-157.50、ドル高円安方向は157円や157.20レベルが目先の弱い抵抗か
〇ドル安・円高方向は、156円半ばの攻防にまずは注目
<< 東京市場の動き >>
東京市場はドルが弱含み。とくに終盤下げ足を速めると、結局日中高値から1円近くも値を下げた。
ドル/円は157.65円前後で寄り付いたのち、しばらくは揉み合い。しかし底割れすると、緩やかな右肩下がりとなり、夕方に掛けては下げが加速している。157円を割り込んでも下げ止まらず、156.70円レベルまで下落した。16時現在ではそのままドル安値圏、156.70-75円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「北朝鮮情勢」と「ロシア情勢」について。
前者は、「人工衛星」を27日午前0時から6月4日午前0時までのあいだに発射すると通告していた北朝鮮が、初日27日に続き、本日早朝にも2度目の発射に動いたようだ。のちに韓国軍が発表したところによると、「北朝鮮は日本海へ向け、短距離弾道ミサイルを十数発も発射した」という。なお、幸いなことに日本でとくに被害などは無かったもよう。一方、共同通信は一連のミサイル発射を受け、国連安全保障理事会が、北朝鮮情勢を協議する緊急会合を31日午前(日本時間同日午後)に開く方向で調整に入ったと伝えていた。
対して後者は、6月にスイスで開催される「世界平和サミット」をめぐり、ロシアとウクライナが激しい鍔迫り合い。ロシアはラブロフ外相がサミットに参加しないよう、「グローバルサウス」と呼ばれる新興・途上国に呼びかけたと発表。それに対し、ウクライナはゼレンスキー大統領が、ロシアは各国に参加しないよう圧力をかけ、妨害しようとしていると述べ批判していた。そうしたなか、米財務副長官がウクライナを訪問し、同国財務相と会談。ロシア制裁強化などを協議したと報じられている。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は昨日、そして本日と高値157.70円レベルを一時示現するも続かず。そののち1円ほどあっさりと値を崩している。ドル高という基調そのものに変化はないと予想するが、156円半ばは今週安値であるとともに、先週末安値にも合致。よって、しっかり下回ってしまうとドルの続落も懸念されるところだ。その場合には、155.70円台までレベルを切り上げてきた移動平均の21日線がターゲットに。
日米金融政策への関心が引き続き高いなか、米国については発表される米経済指標や要人発言に一喜一憂する展開をたどることが予想されている。また、中東地域を中心とした地政学リスクの高まりなども懸念されるなか、本日別途警戒されているものが米株の行方。東京市場で日経平均株価が終値ベースで500円安をたどっただけでなく、時間外のNYダウも不安定な値動きだった。このあと、さらに米株安が進行すれば、為替市場がドル売りで反応しても不思議はない。
テクニカルに見た場合、ドル/円は本日東京時間に予想以上のドル安進行。まだ辛うじて維持されているが今週安値の156.58円を下回ると、ドルにさらなる下値余地が広がる可能性も。156円を割り込み、移動平均の21日線を意識した展開も。
ただ、個人的にはドルが大きく崩れるとは予想しておらず、一時的に下回っても結局回帰。156-158円といったレンジ内にはとどまりそうだ。
本日は米経済指標として、1-3月期のGDP統計改定値や週間ベースの新規失業保険申請件数などが発表される予定となっている。また、それとは別に引き続き要人発言にも要注意だ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは156.30-157.50円。ドル高・円安方向は157円や157.20円レベルが目先の弱い抵抗か。超えれば昨日高値157.71円が再び視界内に。
対するドル安・円高方向は、156円半ばの攻防にまずは注目。大崩れは予想しにくいが、下回れば156円割れの可能性も。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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