東京市場のドルは156円台まで下落、リスク回避の円売りポジション解消が進む
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、金利上昇に伴う日本の株安が意識されてリスク回避の流れが先行し、156円台まで下落した。
昨晩の海外時間では、5月リッチモンド連銀製造業指数が予想を上回ったほか、今週実施された2年債、5年債に続き7年債入札もさえなかったことで、米10年債利回りは5月2日以来となる4.6%台まで上昇。また、米連邦準備制度理事会(FRB)が公表した米地区連銀経済報告(ベージュブック)でも全米のほとんどの地区でわずかな成長が継続したことが明らかになり、ドル買いが継続。157円79銭まで上昇した。
東京時間では、株式市場で日経平均が一時900円超下落したことで、リスク回避の流れが強まり、ドルは軟調推移。長期金利の指標となる新発10年物国債利回りは1.100%まで上昇したのち、1.065%まで低下するなど債券市場も荒い動きに。株式市場、債券市場の荒い値動きを受けて、リスク回避の流れから円買いが加速、156円90銭までドルは下落した。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:157円63銭
高値:157円66銭
安値:156円90銭
終値:156円97銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:170円26銭
高値:170円29銭
安値:169円31銭
終値:169円37銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:104円18銭
高値:104円26銭
安値:103円50銭
終値:103円53銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:200円17銭
高値:200円19銭
安値:199円10銭
終値:199円14銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:38112円77銭
高値:38138円03銭
安値:37617円00銭
終値:38054円13銭(前日比−502円74銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
18時00分、欧、5月ユーロ圏景況感、前回:95.6、市場予想:96.1
18時00分、欧、4月ユーロ圏失業率、前回:6.5%、市場予想:6.5%
21時30分、米、週次新規失業保険申請件数、前回:21.5万件、市場予想:21.6万件
21時30分、米、第1四半期実質GDP(改定値)(前期比年率)、前回:1.6%、市場予想:1.3%
21時30分、米、4月卸売在庫(速報値)(前月比)、前回:−0.4%、市場予想:0.0%
23時00分、米、4月中古住宅販売成約指数、前回:3.4%、市場予想:0.0%
25時05分、米、ウィリアムズNY連銀総裁がNYエコノミッククラブで講演
30時00分、米、ローガン・ダラス連銀総裁がイベント講演
※予定は変更することがございます。
【今晩の海外時間の見通し】
日足チャートでは、ドルは30日未明に157円79銭をつけた後、もみ合っていたが、東京株式市場スタートの9時以降、円買いドル売りの地合いが強まっている。ドル・インデックスは105.1前後で推移しており目立った動きは観測されていない。ユーロ、ポンド、豪ドル、NZドルと主要通貨が総じて対円で下落していることから「円買い」の流れが強まっている。
日本株が大きく下げたことで、リスクを回避するために、足元積み上げていた円売りポジションをアンワインド(反対売買)したと見られる。ただ、日米の10年国債利回りは3.5%台と前日比ではやや拡大したことから、株安に対するポジションのアンワインドはこれ以上強まらないと考える。日足の一目均衡表の転換線が位置する156円60銭処が下値メドか。
むしろ、アトランタ連銀が予測する「GDPナウ」では、4-6月期は前期比年率3.5%増と高い成長率が見込まれており、足元の米金利上昇の原動力の一つとなっている。米国では年内の利下げは1回もしくはゼロとなる可能性も十分に考えられる状況のため、米金利は下がりにくい。6月11−12日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で公表(東京時間は13日未明)されるドットチャートにて、利下げ予想の修正が行われるとの公算も大きいことから、ドルが売られる地合いとはならないと想定。
今晩のドルは、米経済指標の発表を睨みつつ、主要通貨に対する円買い一巡を見極める展開となろう。ドルが下げ止まる展開を想定し、上値メドは157円30銭、下値メドは156円50銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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