米CB消費者信頼感指数の良好な結果と、低調な米債入札結果を受けて急伸
〇ドル円、米国時間朝方に156.59まで下落後157.20まで急伸、最近の高値圏で推移
〇米消費者信頼感指数の予想を上回る結果や米長期金利の急上昇が背景
〇ユーロドル、欧州指標好調に1.0889まで上昇後、米金利上昇等で1.08台半ばに失速
〇ドル円、テクニカルの地合い極めて強く、目先はフィボナッチ78.6%戻し158.45や160.24を試すか
〇米金融引き締め長期化観測、円キャリー継続期待、介入警戒感の後退等がドル円をサポート
〇ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:156.50ー158.00
海外時間のレビュー
28日(火)のドル円相場は堅調な値動き。(1)米金利低下に伴うドル売り圧力や、(2)対ユーロでのドル売り圧力(ユーロドル上昇→ドル円連れ安)、(3)鈴木財務相による「今の時点は円安のもたらすマイナス面が強く懸念される」「為替市場の動向注視、必要に応じ万全の対応を行っていく」との円安牽制発言が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値156.59(← 訂正×146.59)まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(4)米5月コンファレンス・ボード消費者信頼感指数(結果102.0、予想96.0)の市場予想を上回る結果や、(5)米債入札(2年債・5年債)の低調な結果、(6)上記4、5を背景とした米長期金利の急上昇が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値157.20まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間5/29午前6時00分現在)では、157.19前後で推移しております。
28日(火)のユーロドル相場は上昇後に反落。(1)米金利低下に伴うドル売り圧力や、(2)ドイツ4月卸売物価指数(結果+0.4%、前回+0.2%)の伸び率加速が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値1.0889まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(3)米5月コンファレンス・ボード消費者信頼感指数の市場予想を上回る結果や、(4)米債入札(2年債・5年債)の低調な結果、(5)上記3、4を背景とした米長期金利の急上昇、(6)オーストリア中銀ホルツマン総裁による「来週の会合での利下げを支持」「今年は2回乃至は最大3回の利下げを予想」とのハト派的な発言、(7)オランダ中銀クノット総裁による「3月の予測に基づくと最適な政策は今年3〜4回の利下げ」とのハト派的な発言、(8)欧州株の冴えない動きが重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.0855まで反落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間5/29午前6時00分現在)では、1.0857前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は一時157.20まで上昇するなど堅調推移が続いています(4/29高値160.24→5/3安値151.87を起点としたフィボナッチ61.8%戻し157.04を再び上方ブレイク)。日足ローソク足が主要テクニカルポイントの上側に位置していることや、日足のみならず4時間足や週足でも強い買いシグナル(強気のパーフェクトオーダーやダウ理論の上昇トレンド)が成立していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます(目先はフィボナッチ78.6%戻しが位置する158.45や、全値戻しの160.24を試すシナリオを想定)。
また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる金融引き締め長期化観測(先週発表された米FOMC議事要旨は予想以上にタカ派的な内容。ミネアポリス連銀カシュカリ総裁も昨日、「米国の労働市場は依然としてタイト」「利上げを選択肢から排除した人はいないと思う」と発言)や、(2)上記1を背景とした円キャリートレードの継続期待(日米金利差は当面の間縮まらないとの見方が市場コンセンサス。ドル円ロングに安心感)、(3)日本政府・日銀による介入警戒感の後退(鈴木財務相は円安牽制発言を行ったが、イエレン米財務長官が繰り返し「為替介入は稀であるべきで事前の伝達が必要」と牽制しているため、実弾介入の決断は容易では無い)など、ドル円相場の更なる上昇を連想させる材料が揃っています。
以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします(米長期金利を睨みながらの神経質な展開を想定)。尚、本日は米MBA住宅ローン申請指数や、米5月リッチモンド連銀製造業指数、米7年債入札、ニューヨーク連銀ウィリアムズ総裁発言、米地区連銀経済報告(ベージュブック)などが予定されております。
本日の予想レンジ:156.50ー158.00
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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