英・米市場休場で市場参加者が減少するなか、方向感を見出せず
〇ドル円、英米休場で海外時間は156円台後半で動意なし
〇ユーロドル、欧州債利回り上昇に1.0867まで上昇後、ECB関係者のハト派発言に一時1.0840まで反落
〇ドル円、テクニカルの地合い極めて強い
〇ファンダメンタルズも米金融引き締め長期化観測、介入警戒感の後退等がドル円をサポート
〇ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:156.25ー157.75
海外時間のレビュー
週明け27日(月)のドル円相場は方向感に欠ける展開。アジア時間早朝にかけて、高値157.03まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)植田日銀総裁および内田日銀副総裁発言を控えた警戒感が重石となり、日本時間正午にかけて、安値156.66まで反落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(2)上記1で踏み込んだ発言が見られなかったこと(植田日銀総裁は「インフレ目標の枠組みを有する他の中央銀行と同様に、その実現に向けて注意深く進んでいくつもり」と発言。内田日銀副総裁は「従来の状況変えるにはデフレ的ノルムの克服が必要」と発言)に対する安堵感や、(3)日米金利差に着目した円キャリートレードのドル買い・円売り、(4)日経平均株価の堅調推移(リスク選好の円売り圧力)が支えとなり、本稿執筆時点(日本時間5/28午前6時00分現在)では、156.87前後で推移しております。尚、昨日は英国(スプリング・バンク・ホリデー)および、米国(メモリアルデー)が休場となったため、海外時間帯は動意に欠ける静かな値動きに終始しました。
週明け27日(月)のユーロドル相場は方向感に欠ける展開。(1)欧州債利回り上昇に伴うユーロ買い圧力や、(2)欧州株の堅調推移が支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、高値1.0867まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(3)欧州経済の先行き不透明感(この日発表されたドイツ5月Ifo期待指数、ドイツ5月Ifo現況指数、ドイツ5月Ifo景気動向指数はいずれも市場予想を下回る結果)や、(4)レーンECB専務理事兼主任エコノミストによる「ECBは利下げを開始する準備が整っている」とのハト派的な発言、(5)フィンランド中銀レーン総裁による「6月に利下げの時期が熟す」とのハト派的な発言、(6)フランス中銀ビルロワドガロー総裁による「ECBは7月の追加利下げを排除すべきではない」とのハト派的な発言が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値1.0840まで反落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間5/28午前6時00分現在)では、1.0858前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は直近高値圏での底堅い動きが続いています。日足ローソク足が主要テクニカルポイントの全て(21日線、50日線、90日線、200日線、ボリンジャーミッドバンド、一目均衡表転換線、基準線、雲上限)を上回っていることや、強い買いシグナルを示唆する「強気のパーフェクトオーダー」「ダウ理論の上昇トレンド」「フィボナッチ61.8%戻し達成」が成立していること、日足のみならず週足や4時間足でも買いシグナルが点灯していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは「極めて強い」と判断できます。
また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる金融引き締め長期化観測(先週発表されたタカ派な米FOMC議事要旨や良好な米経済指標の結果を受けて、9月利下げ観測が大幅後退)や、(2)上記1を背景とした円キャリートレードの継続期待(日米金利差に着目したドル買い・円売り安心感)、(3)日本政府・日銀による介入警戒感の後退(イエレン米財務長官は先週も「為替介入は稀であるべきで事前の伝達が必要」と牽制)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします。
尚、本日は、米経済イベント(米3月S&Pケースシラー住宅価格指数、米5月コンファレンス・ボード消費者信頼感指数、米5月ダラス連銀製造業活動指数)に加えて、米当局者発言(ミネアポリス連銀カシュカリ総裁、クックFRB理事)や、米債入札(米2年債入札、米5年債入札)が予定されている他、3連休明けの英国勢(スプリング・バンク・ホリデー明け)・米国勢(メモリアルデー明け)の参入も想定されるため、海外時間帯のボラティリティ急拡大に警戒が必要でしょう。
本日の予想レンジ:156.25ー157.75
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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