東京市場のドルは157円挟みの推移、週明けの日銀イベントに関心集中で売買手控えか
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、4月消費者物価指数が市場予想通りだったこともあり、ドルは157円前後での小動き推移となった。
昨晩の海外時間では、米先週分新規失業保険申請件数が前回から予想以上に減少し労働市場の強さを表明、さらに、5月製造業PMIが予想外に活動の拡大を示す50台を維持、サービス業PMI速報値も4月から予想外に上昇したため経済が予想以上に強く、利下げが遅れるとの思惑をさらに後押し、金利上昇に伴うドル買いに拍車がかかった。
イエレン米財務長官が、「為替介入は日常的に使われる措置ではない」とくぎを刺したことで円売りも優勢となり、ドルは157円台まで上昇した。
東京時間は、157円前後での狭いレンジ推移が継続。8時30分に発表された4月消費者物価指数は前年比+2.5%と市場予想と同じ水準だったことで売買材料とはならなかった。また、債券市場で長期金利が1.005%と上昇したものの、こちらも為替への影響は限定的となった。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:157円01銭
高値:157円15銭
安値:156円93銭
終値:157円08銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:169円78銭
高値:169円88銭
安値:169円62銭
終値:169円81銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:103円71銭
高値:103円75銭
安値:103円50銭
終値:103円62銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:199円31銭
高値:199円45銭
安値:199円13銭
終値:199円30銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:38506円03銭
高値:38740円82銭
安値:38367円70銭
終値:38646円11銭(前日比−457円11銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
18時15分、欧、ナーゲル独連銀総裁とリントナー独財務相がG7で講演
18時15分、欧、バスレ・スロベニア中銀総裁とミュラー・エストニア中銀総裁が会議出席
19時15分、欧、デコス・スペイン中銀総裁が講演
21時30分、米、4月耐久財受注(速報値)、前回:0.9%、市場予想:0.3%
21時30分、米、4月耐久財受注(コア)(速報値)、前回:0.0%、市場予想:0.2%
22時20分、米、ウォラーFRB理事が講演
23時00分、米、5月ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)、前回:67.4、市場予想:67.4
24時25分、米、センテノ・ポルトガル中銀総裁が会議出席
※予定は変更することがございます。
【今晩の海外時間の見通し】
日足チャートでは、ドルはじりじりと下値を切り上げ、ついに政府・日銀が2回目の円買い介入を行ったとされる5月1日以来の157円台に突入した。
イエレン米財務長官から介入実施けん制発言が多く発せられていることもあり、政府・日銀は介入を実施しにくいと推測する。また、週明けの27日から28日にかけては、日銀金融研究所主催の国際カンファレンスが開催され、植田和男日銀総裁など日銀関係者が物価等に関する講演を行うことから、今時点での介入実施は非常に難しいと考える。
本日発表された4月消費者物価指数は前年比+2.5%と市場予想と同じ水準となったが、前月の同+2.7%よりは伸びが鈍化。コアも同+2.2%と市場予想と同じだったが、同じく前月の同+2.6%よりは鈍化した。日銀が掲げる「2%の物価安定の目標」をクリアしてはいるが、前月比で鈍化している点や円安推移を含め、足元の物価に対する言及は非常に注目されよう。
また、じりじりと上昇する長期金利の動向への関心も高く、注目テーマが非常に多い状況だ。27日はメモリアル・デーで米国市場が休場のため東京時間の参加者はより減少する公算が大きい。薄商いのなか、植田日銀総裁の発言に為替は振らされる地合いとなるかもしれない。
今晩の海外時間は米経済指標と要人発言に関心は集まるが、週明けの日銀イベントやメモリアル・デーなどが意識されて積極的な売買は手控えられると想定。上値メドは157円40銭、下値メドは156円60銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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