ドルに続伸リスク、G7の為替議論にも注目
〇本日のドル円、寄り付いた156.90レベルを日中安値に、157円挟みという高値圏での一進一退
〇昨日欧米時間に157円突破、しっかりと超えたとは言えない状況だが、リスクはドル高方向
〇昨日高値157.19を超えれば158円が次の抵抗、それも超えれば再び160円台乗せの可能性も
〇発表される米経済指標や要人発言、さらにG7の為替議論に要注意
〇欧米時間のドル円予想レンジは156.50-157.50、ドル高・円安方向は昨日高値157.19が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、156円半ばの攻防にまずは注目
<< 東京市場の動き >>
東京市場はドルが強保ち合い。前日示現した戻り高値157.19円は超えられなかったが、それでも157円挟みという高値圏での一進一退をたどっている。
ドル/円は寄り付いた156.90円レベルを日中安値に底堅いものの、上値も重く上げ渋り。前日比597円と大幅安で取引が始まった日経平均株価の動きをにらみつつも、為替市場の動意は乏しかった。結局、終日を通したドル/円の値幅は30銭にも満たず。16時現在では157.00-05円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「円買い介入」と「ロシア情勢」について。
前者は、ドル/円は介入シーリングと指摘されていた157円を昨日欧米時間に上抜け。同レベルは今月1日、米FOMC後に政府・財務省が不意打ちとなる実弾介入に動いたレベルで、それもあってか上値も重く上げ渋りの様相だったが、昨日いよいよ超えてきた。よって、市場では当局介入への警戒感が一層強まったかと思いきや、実はそうでもない。これには、イエレン米財務長官から「為替介入はめったに使用されない手段であるべき」、「介入に踏み切る際には十分な警告が発せられる必要がある」としたコメントが聞かれていたことが大きく寄与しているようだ。いずれにしても、日本当局の対応が注視されている。
対して後者は、G7財務相・中銀総裁会議がいよいよ開幕。そのなかで「凍結したロシアの資産から生じる利子をウクライナ支援に使うことが議論される」と伝えられているが、ドイツ財務相からは「解決すべき課題は多い」としたやや消極的な発言も聞かれていたようだ。そうしたなか、ロシアサイドからも対抗措置として「ロシア資産が差し押さえられた場合、米企業などがロシア国内に保有する資産を損失の補償に充てる手続きを定めた大統領令にプーチン氏が署名した」−−と一部で報じられている。一方、それとは別に米国は2.75億ドルのウクライナ追加支援を24日に発表する見込みと伝えられていた。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は、昨日東京時間に14日高値156.80円を超えたことに続き、欧米時間に157円も突破。しかし、しっかりと超えた・定着したとはまだ言えない状況だ。もっとも、それでもリスクがドル高方向に高いことは間違いなく、昨日高値157.19円を超えれば158円が次の抵抗となる。それも超えれば、再び160円台乗せが現実味を帯びてくるだろう。日米を中心とした金融政策への関心が引き続き高いなか、今週もおおむね発表される米経済指標や要人発言に一喜一憂する展開。昨日は、ここ最近あまり内容がよくなかった米指標が逆に良好で、再び早期利下げ観測が後退したようだ。その流れを汲み、本日も発表される米経済指標や要人発言には要注意だ。一方、それとともに注意したいのはG7会合。先でイエレン発言を取り上げたが、現在開催中のG7では「ドル高」そして「為替介入」を含めた「為替の安定」についても議論されるとの見方がある。場合によっては、来週初取引の波乱要因にもなりかねない。
テクニカルに見た場合、ドル/円は円買い介入シーリングなどといった見方も取り沙汰されてきた157円を超えてきた。これを受け、以前からレポートしているように、高値160.22円を起点とした下げ幅のフィボナッチでは61.8%戻しを超えたことになり、次のターゲットは同76.4%戻しにあたる158.25円レベルとなりそうだ。
対するドルのサポートはまず156円半ばで、それを下回ると21日安値155.85円を目指す。
本日は米経済指標として、4月の耐久財受注速報や5月のミシガン大学消費者信頼感指数確報などが発表される予定となっている。ここ最近はやや内容の冴えない指標が多かったが、昨日の米指標は逆に好数字。本日は果たしてどちらに転ぶだろうか。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは156.50-157.50円。ドル高・円安方向は昨日高値157.19円が最初の抵抗。超えれば明確な上値メドは158円台だが、一応157円半ばが次のメドとして意識されそうだ。
対するドル安・円高方向は、少しずつ弱いサポートになりつつある156円半ばの攻防にまずは注目。下回ると一足飛びではないにせよ、156円割れを目指す展開も。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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