ドル円、良好な米経済指標を背景に約3週間ぶり高値圏へ上昇。米国の利下げ観測後退が支えに(5/24朝)

23日(木)のドル円相場は堅調な値動き。

ドル円、良好な米経済指標を背景に約3週間ぶり高値圏へ上昇。米国の利下げ観測後退が支えに(5/24朝)

ドル円、良好な米経済指標を背景に約3週間ぶり高値圏へ上昇。

〇ドル円、米国時間に一時157.20まで上昇、その後も底堅く156.90台での取引
〇米新規失業保険申請者数、5月PMI等の数値が良好で、利下げ開始時期後づれ観測広がる
〇ユーロドル、欧州圏PMIの好調に1.0862まで上昇後、米金利上昇に1.0804まで反落
〇ドル円、高値160.24からの下落のフィボナッチ61.8%戻し達成、地合い極めて強い
〇ファンダメンタルズも米金融引き締め長期化観測、介入警戒感の後退等がドル円をサポート
〇ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:156.25ー157.75

海外時間のレビュー

23日(木)のドル円相場は堅調な値動き。(1)米金利低下に伴うドル売り圧力が重石となる中、米国時間朝方にかけて、安値156.53まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(2)米新規失業保険申請件数(結果21.5万件、予想22.0万件)の良好な結果や、(3)米5月製造業PMI速報値(結果50.9、予想49.9)の市場予想を上回る結果、(4)米5月非製造業PMI速報値(結果54.8、予想51.2)の市場予想を上回る結果(2022年4月以来の高水準)、(5)上記2、3、4を背景とした米FRBによる利下げ開始時期の後ずれ観測(米金利上昇→米ドル買い)、(6)心理的節目157.00突破に伴う仕掛け的なドル買い・円売りが支援材料となり、日本時間23時過ぎに、約3週間ぶり高値157.20(5/1以来の高値圏)まで上昇しました。米国時間午後にかけて反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間5/24午前6時30分現在)では、156.93前後で推移しております。

23日(木)のユーロドル相場は上昇後に反落。(1)フランス5月製造業PMI速報値(結果46.7、予想45.9)の市場予想を上回る結果や、(2)ドイツ5月製造業PMI速報値(結果45.4、予想43.5)の市場予想を上回る結果、(3)ドイツ5月非製造業PMI速報値(結果53.9、予想53.5)の市場予想を上回る結果、(4)ユーロ圏5月総合PMI速報値(52.3、予想52.0)の市場予想を上回る結果が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値1.0862まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(5)米経済指標の良好な結果(米新規失業保険申請件数、米5月製造業PMI速報値、米5月非製造業PMI速報値)や、(6)上記5を背景とした米FRBによる利下げ開始時期の後ずれ観測(米金利上昇→米ドル買い)、(7)ユーロ圏5月消費者信頼感速報値(結果▲14.3、予想▲14.2)の市場予想を下回る結果が重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.0804まで反落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間5/24午前6時30分現在)では、1.0812前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は一時157.20まで上昇するなど、約3週間ぶり高値(5/1以来の高値)を更新しました。日足ローソク足が主要テクニカルポイント(21日線、50日線、90日線、200日線、ボリンジャーミッドバンド、一目均衡表転換線、基準線、雲上限)の上側で推移していることや、フィボナッチ61.8%戻し(4/29高値160.24と、5/3安値151.87のフィボナッチ61.8%戻し157.04)を達成したこと、強い買いシグナルを示唆する「強気のパーフェクトオーダー」「ダウ理論の上昇トレンド」が成立していること、日足のみならず週足・4時間足・1時間足でも買いシグナルが点灯していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは「極めて強い」と判断できます。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる金融引き締め長期化観測(前日発表された米FOMC議事要旨は「数人の当局者は必要ならさらなる引き締めに意欲」「一部の当局者は長期金利がこれまで考えられていたよりも高くなる可能性があると認識」と予想以上にタカ派的な内容→昨日発表された米新規失業保険申請件数や米5月製造業・非製造業PMI速報値は力強い結果→9月利下げ見送りの織り込み度合が1週間前の32.4%から48.4%へ急上昇→米金利上昇→米ドル買い)や、(2)日米金利差に着目した円キャリートレードの長期化期待(日米金利差は当面縮まらないとの見方が市場コンセンサス)、(3)日本政府・日銀による介入警戒感の後退(イエレン米財務長官は昨日も「為替介入は稀であるべきで事前の伝達が必要」と為替介入を牽制→余程極端な投機フローが見られない限り、日本政府・日銀はドル売り介入に踏み切ることは困難)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。

以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は日本時間8:30に発表される本邦の4月全国消費者物価指数や、21:30の米4月耐久財受注速報値、22:35のウォラーFRB理事講演、23:00の米5月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値に注目が集まります。

本日の予想レンジ:156.25ー157.75

注:ポイント要約は編集部

ドル円、良好な米経済指標を背景に約3週間ぶり高値圏へ上昇。

ドル円日足

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