東京市場のドルは156円90銭台まで上昇、介入観測強い157円台の壁は厚い(24/5/23)

東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、156円91銭まで買われる場面が見られたものの、政府・日銀による介入観測ゾーンである157円を前に上値が重くなった。

東京市場のドルは156円90銭台まで上昇、介入観測強い157円台の壁は厚い(24/5/23)

東京市場のドルは156円90銭台まで上昇、介入観測強い157円台の壁は厚い

【本日の東京市場】

東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、156円91銭まで買われる場面が見られたものの、政府・日銀による介入観測ゾーンである157円を前に上値が重くなった。

昨晩の海外時間では、米4月中古住宅販売件数が予想外に減少しドル売りが優勢となったが、米連邦準備制度理事会(FRB)が公表した米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(4月30日-5月1日会合分)の中で、参加者が第1四半期のインフレデータに失望、2%目標達成を一段と確信するには一段と時間がかかるとの見解で、当面高金利を維持する方針が示された。さらに、様々な参加者が追加引き締めにも前向きな考えを示したため、米10年国債利回りは4.45%まで上昇、ドル買いが強まり156円70銭台までドルは上昇した。

東京時間では、日銀が実施した定例の国債買入で、残存期間1年超3年以下について応札額が予定額に届かない「札割れ」が発生した。札割れは2013年の異次元緩和導入以降で初めてのことで、市場では次回オペでは1年超3年以下についての国債買入も減額されるとの見方が強まっている。

ドルは10時頃に、156円91銭まで上昇したが、その後は上げ一服で156円70銭台での小動き推移となった。債券市場で発生した札割れを受けて、長期金利の上昇が一服。日米金利差はやや拡大したものの、政府・日銀による介入観測ゾーンと見られている157円台を前にして様子見ムードが強まった。

ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:156円75銭
高値:156円91銭
安値:156円64銭
終値:156円74銭 

ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:169円68銭
高値:169円88銭
安値:169円58銭
終値:169円64銭

豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:103円81銭
高値:103円99銭
安値:103円70銭
終値:103円78銭

ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:199円39銭
高値:199円59銭
安値:199円27銭
終値:199円39銭

日経平均(日本時間9時―15時)
始値:38803円13銭
高値:39129円47銭
安値:38617円43銭
終値:39103円22銭(前日比+486円12銭)

【本日の海外市場の重要指標】日本時間

17時00分、欧、5月ユーロ圏製造業PMI(速報値)、前回:45.7、市場予想:46.0
17時00分、欧、5月ユーロ圏サービス業PMI(速報値)、前回:53.3、市場予想:53.5
17時30分、英、5月製造業PMI(速報値)、前回:49.1、市場予想:49.5
17時30分、英、5月サービス業PMI(速報値)、前回:55.0、市場予想:54.8
20時30分、英、ピル英中銀チーフエコノミストが会議に出席
21時30分、米、週次新規失業保険申請件数、前回:22.2万件、市場予想:21.9万件
22時45分、米、5月製造業PMI(速報値)、前回:50.0、市場予想:49.9
22時45分、米、5月サービス業PMI(速報値)、前回:51.3、市場予想:51.5
22時45分、米、5月コンポジットPMI(速報値)、前回:51.3
22時45分、欧、ビルロワドガロー仏中銀総裁がイベントで講演
23時00分、米、4月新築住宅販売件数、前回:69.3万件、市場予想:67.8万件
28時00分、米、ボスティック・アトランタ連銀総裁が質疑応答

※予定は変更することがございます。

【今晩の海外時間の見通し】

日足チャートでは、4月29日高値160円04銭と5月3日安値151円86銭をそれぞれ起点とした三角保合いを上放れている。ただ、157円台より上は、政府・日銀による円買い介入警戒が非常に高いことから、三角保合いは上放れているものの、上値は重くなっている。

債券市場では日銀による国債買入の減額観測が強まっており金利上昇圧力は強いが、10年物の日米金利差は3.4%ほどを維持しており、円高ドル安が強まる気配は感じられない。150円水準だった昨年10月に最大で4.2%ほどまで開いていた日米金利差は、足元3.4%まで縮小したが、ドルは156円台を推移。日米金利差では語ることができない円売り要因が存在するというわけだ。詳細は昨日述べているので割愛するが、NISA制度や海外企業が日本で稼いだ資金などが円売り圧力として存在している。

さすがに、日本の長期金利が1.5%ほどまで上昇すれば、日米金利差が3%を切る公算が大きいことで円安ドル高のトレンドは終了しそうだが、今から0.5%上がるには1年以上はかかるだろう。6月中旬の日米中銀会合までは、米雇用統計以外目立った経済指標発表は予定されていないことから、157円の壁を前にした小動きが3週間ほど続く可能性がある。ドルのボラティリティが低下していることから、短期的な売買であれば、トルコリラ南アフリカランドの方が面白い。

今晩の海外時間も上値は重いも下値しっかりの地合いとなろう。上値メドは156円90銭、下値メドは156円10銭とする。

東京市場のドルは156円90銭台まで上昇、介入観測強い157円台の壁は厚い

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

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