東京市場のドルは156円台前半でしっかり、日米金利差がやや縮小するもドル安要因とはならず(24/5/22)

東京時間のドル・円は、債券市場で長期金利が1.000%台まで上昇する場面が見られたものの、為替市場への影響は限定的。156円台前半でのもみ合いとなった。

東京市場のドルは156円台前半でしっかり、日米金利差がやや縮小するもドル安要因とはならず(24/5/22)

東京市場のドルは156円台前半でしっかり、日米金利差が縮小はドル安要因とはならず

【本日の東京市場】

東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、債券市場で長期金利が1.000%台まで上昇する場面が見られたものの、為替市場への影響は限定的。156円台前半でのもみ合いとなった。

昨晩の海外時間では、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ先送り観測にドル買いが優勢となったが、その後、米長期金利低下に伴いドル買いが後退。一方、ウォラーFRB理事やバーFRB副議長、ボスティック・アトランタ連銀総裁がそろって当面政策金利の据え置きを支持する姿勢を再表明したため金利低下が一服。ドルは156円台を回復した。

東京時間のドルは156円台前半でのもみ合いが続いた。債券市場では、長期金利が1.000%台に乗せる場面も見られ、株式市場では不動産株が売られる地合いとなったが、為替市場への影響は限定的となった。

ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:156円19銭
高値:156円40銭
安値:156円14銭
終値:156円36銭 

ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:169円58銭
高値:169円76銭
安値:169円56銭
終値:169円68銭

豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:104円15銭
高値:104円44銭
安値:104円14銭
終値:104円29銭

ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:198円53銭
高値:198円80銭
安値:198円53銭
終値:198円68銭

日経平均(日本時間9時―15時)
始値:38823円91銭
高値:38854円99銭
安値:38592円94銭
終値:38617円10銭(前日比−329円83銭)

【本日の海外市場の重要指標】日本時間

17時05分、欧、ラガルドECB総裁がイベント出席
21時45分、英、ブリーデン英中銀副総裁が討論会に参加
22時40分、米、グールズビー・シカゴ連銀総裁がイベント開会挨拶
23時00分、米、4月中古住宅販売件数、前回:−4.3%、市場予想:−0.6%
23時30分、米、週次原油在庫、前回: −250.8万バレル
27時00分、米、FOMC議事録(4月30日―5月1日)
29時20分、米、エヌビディア決算発表

※予定は変更することがございます。

【今晩の海外時間の見通し】

日足チャートでは、4月29日高値160円04銭と5月3日安値151円86銭をそれぞれ起点とした三角保合いを上放れているが、モメンタムは弱いままだ。引き続き157円台より上は、政府・日本銀行による介入警戒感が高いことから、三角保合いは上放れているものの、上値は重くなりそうだ。

債券市場では、長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りが、一時1.000%まで上昇(価格は下落)し、2013年5月以来11年ぶりの1.000%台をつけた。前日の米長期金利が低下したものの、日銀が近く国債買い入れを減額するとの思惑が高まっており金利上昇圧力となっている。

一方、為替市場への影響は限定的となっている。10年物の日米金利差は3.4%水準と今年最も金利差は縮小しているが、ドルは156円台で落ち着いた動きだ。日米金利差以外の円売り材料が背景にあると考える。

一つは、NISA(少額非課税投資制度)の存在だ。「対外・対内証券投資」をベースに計算した結果、NISAに絡んだ海外投信買いの資金は年間12兆円と試算。これだけの資金が断続的な円売り需要として市場に入るとなれば、それなりのインパクトだ。また、2023年国際収支の「その他サービス収支」を見ると、海外企業が日本で稼いだ円を売って本国に送金する資金は年間で6兆円ほどある。

いくら為替市場が膨大な取引量を誇る市場といえども、円売り需要に傾いた資金が年間20兆円ほどある状況で、市場関係者がそれを理解していることを考慮すると、円安に傾きやすい地合いと言えよう。こうした円売り需要が常に存在することで、日米金利差が縮小してもなかなかドル安円高に傾かないと考える。

今晩の海外時間では、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録が公表されるが、足元の政府高官の発言を見る限り、タカ派でもハト派でもない中道といったところに落ち着き、為替市場への影響は限定的と考える。上値メドは156円70銭、下値メドは155円80銭とする。

東京市場のドルは156円台前半でしっかり、日米金利差が縮小はドル安要因とはならず

ドル円日足

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