ドル円、下落後に急伸するなど力強い動き。重要イベント通過後のあく抜け感もドル円を下支え(5/17朝)

16日(木)のドル円相場は下落後に急反発。

ドル円、下落後に急伸するなど力強い動き。重要イベント通過後のあく抜け感もドル円を下支え(5/17朝)

下落後に急伸するなど力強い動き。重要イベント通過後のあく抜け感もドル円を下支え

〇ドル円、米輸出入物価指標の予想を上回る結果に米国時間に155.54まで急伸
〇買い一巡後はフィラデルフィア連銀景況指数、新規失業保険申請件数等の不冴えに155円台前半で推移
〇ユーロドル、アジア時間に1.0896まで上昇するも、ECB関係者のハト派発言に1.08台半ばに反落
〇テクニカルにはドル円は一度下抜けた転換線、21日線等を回復、地合い強い
〇ファンダメンタルズもキャリートレードの長期化期待、介入警戒感の後退、株式市場の堅調推移が支持
〇引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:154.75ー156.25

海外時間のレビュー

16日(木)のドル円相場は下落後に急反発。アジア時間朝方にかけて、安値153.60まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)急ピッチな下落に対する反動買い(押し目買い)や、(2)本邦1ー3月期実質GDP(結果▲2.0%、予想▲1.2%)の市場予想を下回る結果、(3)上記2を背景とした日銀による追加利上げ観測後退、(4)日米金利差に着目したドル買い・円売り、(5)株式市場の堅調推移(リスク選好の円売り圧力)、(6)米4月輸入物価指数(前月比+0.7%、予想+0.4%)の市場予想を上回る結果、(7)米4月輸出物価指数(結果▲1.0%、予想▲1.1%)の市場予想を上回る結果が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値155.54まで急伸しました。

もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、(8)米5月フィラデルフィア連銀製造業景況指数(結果+4.5、予想+8.0)の市場予想を下回る結果や、(9)米4月住宅着工件数(結果136.0万件、予想142.1万件)の市場予想を下回る結果、(10)米新規失業保険申請件数(結果22.2万件、予想22.0万件)の冴えない結果、(11)米4月鉱工業生産(結果±0.0%、予想+0.1%)の市場予想を下回る結果が重石となり、本稿執筆時点(日本時間5/17午前6時20分現在)では、155.38前後で推移しております。尚、昨日はリッチモンド連銀バーキン総裁による「CPIはまだFRBが目指す目標には達していない」との発言や、クリーブランド連銀メスター総裁による「インフレ率が2%に向かうという確信を得るにはさらに時間がかかるだろう」との発言、アトランタ連銀ボスティック総裁による「年末に向けて金利を引き下げるのが適切かもしれない」との発言が見られましたが、市場の反応は限られました。

16日(木)のユーロドル相場は反落。アジア時間朝方にかけて、高値1.0896(3/21以来の高値圏)まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)急ピッチな上昇に対する反動売りや、(2)欧米金利差に着目したユーロ売り・ドル買い、(3)スペイン中銀デコス総裁による「メインシナリオは6月の利下げ」とのハト派的な発言、(4)ポルトガル中銀センテノによる「我々は6月の利下げ開始を期待している」とのハト派的な発言、(5)ラトビア中銀カザークス総裁による「ECBは6月に利下げを開始する見込み」とのハト派的な発言、(6)米金利上昇に伴うドル買い圧力が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値1.0854まで反落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間5/17午前6時20分現在)では、1.0867前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円はアジア時間朝方に記録した安値153.60(5/6以来の安値圏)をボトムに切り返すと、海外勢参入後に155.54まで急伸しました。日足ローソク足が一目均衡表転換線や21日移動平均線を上抜けしたことや、強い買いシグナルを示唆する「強気のパーフェクトオーダー」「ダウ理論の上昇トレンド」が継続点灯していること、4時間足などの下位足で買いシグナルが再点灯したこと等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは強い(ポジション調整完了→上昇トレンド再開)と判断できます。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、日米金利差に着目した円キャリートレードの長期化期待(日米金利差は当面縮まらないとの見方からドル円ロングに安心感)や、政府・日銀による介入警戒感の後退(イエレン米財務長官は4/29実施の為替介入を容認しつつも、5/2実施の為替介入については「介入はまれであるべき」と強く牽制)、株式市場の堅調推移(リスク選好の円売り圧力)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。

市場参加者の間では「ドル円急落は絶好の押し目買い機会」との見方が広がっており、またそれを否定する材料も見当たらないことから、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は、米4月景気先行指数以外に目立った経済イベントが予定されていないため、1日を通して静かな動きとなりそうです(じり高推移を想定)。

本日の予想レンジ:154.75ー156.25

注:ポイント要約は編集部

下落後に急伸するなど力強い動き。重要イベント通過後のあく抜け感もドル円を下支え

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

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