東京市場のドルは一時153台に突入、要人発言次第ではドル一段安も
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、ドル安が継続し、一時153円台半ばまで下落する場面が見られた。
昨晩の海外時間では、4月消費者物価指数(CPI)の伸びが鈍化、4月小売売上高の伸びも市場予想を下回ったほか、5月NAHB住宅市場指数も予想外に下落したため、9月の利下げ開始観測が再燃し、米10年債利回りは4.309%まで低下。米長期金利低下に伴うドル売りが優勢となり154円69銭までドルは下落した。
東京時間では、米国株高を材料に日本株が上昇するなか、ドルインデックスは104.1台まで下落するなどドル安が継続。時間外の米10年債利回りは目立った反発は見られず、ドルは一時153円台に突入する場面も見られた。
なお、朝方発表された第1四半期のGDP速報値(年率)は前期比−2.0%と市場予想(同−1.4%)を下回る内容となった。2四半期ぶりのマイナス成長は織り込み済みだったが、個人消費が4四半期連続のマイナスと15年ぶりの弱さなどが影響した。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:154円55銭
高値:154円68銭
安値:153円60銭
終値:154円18銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:168円30銭
高値:168円41銭
安値:167円33銭
終値:167円74銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:103円50銭
高値:103円57銭
安値:102円81銭
終値:103円00銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:196円11銭
高値:196円25銭
安値:195円05銭
終値:195円54銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:38645円96銭
高値:38949円38銭
安値:38513円33銭
終値:38920円26銭(前日比+534円53銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
17時00分、欧、デギントスECB副総裁がECB金融安定報告公表後に記者会見
18時00分、欧、パネッタ・イタリア中銀総裁が討論会に参加
18時15分、欧、デコス・スペイン中銀総裁が講演
19時00分、欧、センテノ・ポルトガル中銀総裁が記者会見
20時30分、欧、ナーゲル独連銀総裁が講演
21時15分、欧、ビルロワドガロー・フランス中銀総裁が会議出席
21時30分、米、週次新規失業保険申請件数、前回:23.1万件、市場予想:21.9万件
21時30分、米、4月住宅着工件数、前回:132.1万件、市場予想:146.5万件
21時30分、米、5月フィラデルフィア連銀景況感指数、前回:15.5、市場予想:8.2
22時15分、米、4月鉱工業生産指数(前月比)、前回:0.4%、市場予想:0.1%
22時15分、米、4月鉱工業生産指数(設備稼働率)、前回:78.4%、市場予想:78.4%
23時00分、米、バーFRB副議長が公聴会に出席
23時00分、米、バーキン・リッチモンド連銀総裁がCNBCインタビューに応じる
23時30分、米、ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁が講演
25時00分、米、メスター・クリーブランド連銀総裁が講演
28時50分、米、ボスティック・アトランタ連銀総裁が討論会に参加
※予定は変更することがございます。
【今晩の海外時間の見通し】
日足チャートでは、政府・日銀と思われる介入実施並みの大陰線を15日に残した。50日移動平均線が位置する152円80銭水準までの下落も意識されそうな状況と言えよう。今晩、多くの政府高官による講演等が予定されていることから、10年債利回りが一段安となるような利下げ実施に対する発言があれば、ドルは152円台もあり得よう。
投機筋による円安のアンワインドも入ったと思われるが、ドルインデックスが105台から104.1まで下落したことから、足元のドル下落は「米金利低下に伴うドル売り」が主要因と考える。投機筋が積み上げた円売りポジションの解消が進んだ場合、日足の一目均衡表の雲上限が位置する151円水準や100日移動平均線の150円30銭水準なども視野に入ろう。
今晩の海外時間では、タカ派であるバーキン・リッチモンド連銀総裁(2024年投票権を持つ米連邦公開市場委員会(FOMC)メンバー)の発言に注目したい。4月17日に「利下げの決定に時間をかけるのは賢明」と言った発言を残していることで、足元の雇用統計、生産者物価指数(PPI)、CPIの内容を受けて、発言の方向性が変わるかに関心が集まろう。
今晩の海外時間は、ドルが下に振れやすくなっていることで、一段安の展開に警戒したい。上値メドは154円70銭、下値メドは153円00銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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