157円乗せなるか、米消費者物価に注目
〇ドル円、156.40-45で寄り付き高値156.55レベル示現するも以降は冴えず、156円前半での一進一退
〇NY時間に米消費者物価指数が発表予定、157円超えるトリガーとなるのか注目
〇157円は高値160.22起点の下げ幅61.8%戻し、超えると5/1高値157.98が次のターゲット
〇ドル高円安方向、昨日高値157円前後の攻防に注目。介入警戒もあるが超えれば158円近く目指すか
〇ドル安円高方向、156円レベルが最初のサポート。割り込むと155円台へと乗せてきた21日MA意識
〇欧米時間のドル円予想レンジ:155.50-156.90
<< 東京市場の動き >>
東京市場はレンジ取引。次の材料をにらみつつ、156円前半を中心とした一進一退だった。
ドル/円は156.40-45円で寄り付いたのち、日中高値の156.55円レベルを示現。しかし以降は冴えず、156円前半での一進一退に終始している。なお、本日は目立った円安進行とならなかったためか、鈴木財務相など当局者からの円安けん制発言はとくに観測されていない。16時現在では156.25-30円で推移し、欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは「米金融政策」と「米中対立」について。
前者は、昨日発表された4月の米生産者物価指数はほぼ予想通りながら、数値そのものは高めとなったことなどを材料に、「米利下げ先送り」派が再び優勢になっていた。また、そののちパウエルFRB議長から「政策金利を現状維持する可能性が高い」、「次の行動が利上げになる可能性は低い」との発言。さらにクリーブランド連銀総裁による「FRBが政策金利を据え置くことは適切」、カンザスシティー連銀総裁「FRBにはまだやるべきことがある」−−とのコメントも観測されていたようだ。
対して後者は、米政府が、中国製の電気自動車(EV)に現状の4倍に当たる100%の制裁関税を課すと発表し物議を醸す。中国は即座に反発の意向を示したうえで、「断固とした措置とる」などと対抗する構えを見せていた。しかし、米国サイドは意に介さず、バイデン大統領が「中国による企業への過度な補助金が、世界が吸収できる量をはるかに超える生産を後押ししている」と追加で批判。また、バイデン氏と米大統領選を争っているトランプ前大統領は「税率引き上げの対象を他の中国製品にも拡大すべきだ」と、さらなる制裁強化を主張していた。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は昨日、発表された米生産者物価指数を受けて一時ドル買いが進展するも157円にはとどかず。その後、本日東京に掛けては156.20円レベルまで、逆に小緩む局面も観測されていた。短期的には方向性が乏しい状況で、156円台を中心とした一進一退がいましばらく続く可能性も否定できないが、本日NY時間には米消費者物価指数という注目の経済指標が発表される予定だ。157円を超えていくトリガーを引くことになるのか、注目しておきたい。
市場ではいまだ見解の分かれる米金融政策を見極めたいとの向きが多く、本15日に発表される4月の米消費者物価指数がとくに注目されている。ちなみに予想は前年比プラス3.4%、コアCPIは同プラス3.6%程度となっている。上振れすれば素直にドル買いで反応との声が多いようだが、果たしてどうなるか。一方、引き続きガザ情勢を中心とした地政学リスクに対する警戒感も強い。関連情報などにも注意を払っておきたいところだ。
テクニカルに見た場合、ドル/円は3日連続で上げ渋った156円を上抜けたものの、今度は157円を目前に上げ渋り。そんな157円は、昨日も報じたように高値160.22円を起点とした下げ幅の61.8%戻しにもあたるフィボナッチポイント。簡単に抜けるのは難しいとの声もあり、156円上抜けと同様に、今回も超えていくには数日間の猶予が必要なのかもしれない。なお、超えれば次のターゲットは5月1日高値の157.98円となる。
本日は米経済指標として、4月の消費者物価指数や同小売売上高などが発表される予定となっている。先で指摘したように、昨日の同生産者物価指数が高めの数字となっただけに、注目度はさらに高くなっている。また、バーFRB副議長の証言なども一応要注意だ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは155.50-156.90円。ドル高・円安方向は昨日高値を含めた157円前後の攻防にまずは注目。円買い介入警戒もあるが、超えれば158円近くを目指しそうだ。
対するドル安・円高方向は、昨日一度も割り込むことのなかった156円レベルが最初のサポート。割り込むようだと、155円台へと乗せてきた移動平均の21日線が意識されかねない。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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