ドル円 動きが止まれば円安、今週は米国CPI次第(週報5月第2週)

ドル円は週初は153円台前半から始まり、木曜に156円間近まで円安が進み、その後は高値圏でのもみあいのまま一週間を終えた動きです。

ドル円 動きが止まれば円安、今週は米国CPI次第(週報5月第2週)

動きが止まれば円安、今週は米国CPI次第

〇先週のドル円、前週の大変動の後で、じりじりと円安方向に戻す動意薄の一週間で次の材料待ち
〇週初153円台前半から始まり、木曜に156円間近まで円安が進み、その後は高値圏でのもみあい
〇5/15に米CPI発表、現在の米インフレ率の状況を確認する点で重要な週
〇総合CPIが3.4%(前回3.5%)、コアCPIが3.6%(前回3.8%)と低下予想
〇高値圏でのもみ合い続き、FOMC後の介入後の戻り高値156.28レベルを試しやすい地合いに変化なし
〇今週はCPI上振れも考慮し154.75レベルをサポート、157.00レベルをレジスタンスとする週を見る

今週の週間見通し

前週がGW期間中の大規模介入により大変動を示した後ということもあり、先週のドル円は連日静かな値動きで週間レンジも2円60銭程度と十分動いてはいるのですが、日々じりじりと円安方向に戻していく動きだったこともあり、印象としては動意薄の一週間で次の材料待ちという雰囲気が広がっていました。

ドル円は週初は153円台前半から始まり、木曜に156円間近まで円安が進み、その後は高値圏でのもみあいのまま一週間を終えた動きです。これはイエレン財務長官の発言で値動きが緩やかであれば介入できないのではないかとの思惑を地で行く値動きという印象です。意識的に出来るものではありませんが、絶対的な日米金利差がある以上、介入が出なければ着実に円安方向へと戻していくということを実感させたと言えます。またFRB関係者もタカ派な発言を繰り返し、6月FOMCでは年末時点の金利見通しが3月の3回利下げから2回、状況によっては1回利下げに後退するかもしれないといった発言が続いています。

こうしたことから、米金利(10年債利回り)も一時期よりは低下したとはいえ、動き次第では再び金利差拡大、そしてドル買いという動きになる可能性はあります。そうした中で、今週は米国CPIが15日に発表され、現在の米国のインフレ率がどのような状況なのかを確認する点で重要な週となります。予想では総合CPIが3.4%(前回3.5%)、コアCPIが3.6%(前回3.8%)と低下する予想となっていますが、それでもFRBがターゲットとしている2%からは乖離が大きい状態です。

予想通り、あるいは予想よりも高い数値が出ると米金利上昇とドル高の動きとなり、ドル円は改めて156円台前半のFOMC後の介入の戻り高値を試しに行く展開となるでしょう。逆に予想よりも低い数値であれば金利低下によるドル安となるでしょうが、その場合は押し目買いを考える向きも多いでしょうから、よほど弱い数字でない限り大きくドルが売られる展開は考えにくいでしょう。またシカゴの円売りポジションも先週時点では約13.5万枚まで減少していますので、投機筋としては改めて円売りを考える可能性もあるでしょう。

テクニカルにはいつもの日足チャートをご覧ください。

ここまでの高値はテクニカルなターゲットと一致したこと、また高値をつけた後の下げも昨年12月安値と5月高値との38.2%押し152.56とほぼ重なりました。さらに、高値とその後の安値との半値戻しが156.01となっていて、これもほぼ同水準で止められました。

ただ、今週のCPI次第ではあるものの高値圏でのもみ合いが続いていることを考えると、いったんはFOMC後の介入が出た後の戻り高値156.28レベルを試しやすい地合いに変化はありません。CPIが予想通りか予想以下であれば、同水準を大きく超えていくことも考えにくいのですが、強い数字の場合には157円程度までの上昇は考えておく必要はあるでしょう。いっぽうで下値は現在では155円割れでは買いが出やすい地合いになっています。

これらを併せて考えると、CPIでの上振れの可能性も考慮した上で、今週は154.75レベルをサポートに、157.00レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。

動きが止まれば円安、今週は米国CPI次第

このチャートは、ローソク足の足型をそのままに陰陽の着色のみを平均足と同様とすることで、短期的な方向性(白=上昇、黒=下降)を見やすくした独自チャートとなっています。
また、一目均衡表を併せて表示することで上下のチャートポイントもわかりやすく示しました。

今週の予定(時刻表示のあるものは日本時間)

今週注目される経済指標と予定をあげてあります。影響が少ないものはあえて省いています。FRB地区連銀総裁講演の内、2024年FOMCメンバー(ニューヨーク、クリーブランド、リッチモンド、アトランタ、サンフランシスコ)ではない地区連銀総裁はカッコ付で示しました。また、わかりやすさ優先であえて正式呼称で表記していない場合もあります。特に重要度の高いイベントに☆印を付けました。

5月13日(月)
10:30 豪州4月企業景況感
22:00 クリーブランド連銀総裁講演、ジェファーソンFRB副議長講演

5月14日(火)
15:00 ドイツ4月CPI
15:00 英国4月失業率
18:00 ドイツ5月ZEW景況感
18:00 ユーロ圏5月ZEW景況感
21:30 米国4月PPI ☆
23:00 パウエルFRB議長講演 ☆
23:00 オランダ中銀総裁講演

5月15日(水)
**:** 香港市場休場
15:45 フランス4月CPI
18:00 フランス中銀総裁講演 ☆
18:00 ユーロ圏1〜3月期GDP改定値 ☆
18:00 ユーロ圏3月鉱工業生産
21:30 米国4月CPI ☆、小売売上高
21:30 米国5月NY連銀製造業景況指数
23:00 米国5月NAHB住宅指数 ☆
23:00 米国3月企業在庫
23:30 週間原油在庫統計
25:00 (ミネアポリス連銀総裁講演)

5月16日(木)
08:50 本邦1〜3月期GDP速報値 ☆
10:30 豪州4月失業率
18:00 イタリア中銀総裁講演 ☆
21:30 米国5月フィラデルフィア連銀製造業景況指数 ☆
21:30 米国4月住宅着工 ☆・建設許可件数
21:30 米国新規失業保険申請数 ☆
21:30 米国4月輸入物価
22:15 米国4月鉱工業生産、設備稼働率
23:30 (フィラデルフィア連銀総裁講演)
28:50 アトランタ連銀総裁講演 ☆

5月17日(金)
11:00 中国4月鉱工業生産、小売売上高
18:00 ユーロ圏4月CPI
21:30 オーストリア中銀総裁講演
23:00 米国4月景気先行指数

前週の主要レート(週間レンジ)

前週の主要レート(週間レンジ)

(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。
為替の高値・安値は東京午前9時ーNY午後5時のインターバンクレート。

先週の概況

5月6日(月)
ドル円は金曜雇用統計後に目先の安値をつけた動きとなり、東京が休場となった週明けの東京市場においてもドル買いが先行する動きとなりました。東京時間の昼過ぎには一時154.01レベルの高値をつけましたが、154円台では戻り売りを考える向きも多かった様子で、その後は153円台後半の狭いレンジでの取引に終始しました。

5月7日(火)
ドル円は動きが止まれば日米金利差によるドル買いが出やすくなってくるという動きになってきました。前日のイエレン財務長官による介入牽制発言も多少は効いていると見られ153円台後半から154円台後半へと終日じり高の動きとなりました。

5月8日(水)
ドル円は前日と同様に材料がなく落ち着いているとじりじりと円安になる流れとなりました。東京朝方の154円台半ばからNY引けの155円台半ばまで終日ゆっくりとした円安の動きを見せました。

5月9日(木)
ドル円は今週は目立った材料が無いことからじり高の動きを続けてきました。欧州市場前場には155.95レベルまで上昇しましたが、ユーロドルが欧州市場で上昇した動きからドル円は東京朝方の水準に押して引けました。

5月10日(金)
連日特に目立った材料が無いことでドル円はじり高、155円台前半から後半へと水準を上げたものの、一日の値幅は64銭にとどまりました。

ディスクレーマー

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