当局の対応を注視、落ち着きどころ探る
〇本日のドル円、156.35レベルで寄り付き、一時157円レベルまで値を上げる
〇ドル円は昨日NY時間にも、156円半ばから155.10レベルまで1円を超える急落が観測される
〇本日は価格変動が落ち着いたようだが、158円を上抜けると再び介入が観測されるといった見方も
〇今週開催の米FOMCや、日本当局の次の一手に注目集まる
〇欧米時間予想レンジは155.90-157.40、ドル高・円安方向は157円レベルの攻防にまずは注目
〇ドル安・円高方向は、156円レベルが最初のサポートか
<< 東京市場の動き >>
東京市場はドルが小高い。引き続き介入警戒感が強いなか、一時157円レベルまで値を上げている。
ドル/円は156.35円レベルで寄り付いたのち、当初はドルが冴えない。156円割れをうかがう局面もあったが切り返すと一転して上値をうかがう展開に。157円を抜けていくことは出来なかったが、途中からは156.70-90円といったレンジでの強保ち合い。16時現在では156.80-85円で推移し、欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは「円買い介入」と「ガザ情勢」について。
前者は、為替市場の荒っぽい変動は昨日アジア時間だけにととまらず。実際、ドル/円はNY時間にも156円半ばから155.10円レベルまで、短時間で1円を超える急落が観測されている。そうしたなか、一部では根強い「覆面介入」観測が取り沙汰されていたようだ。なお、昨日「いまはノーコメント」などと述べ、為替介入への言及を見送った神田財務官は本日も「為替介入については有無も含めてコメント差し控える」と発言。ただ、同時に「24時間体制で注視している」、「引き続き必要なときには適切な対応を取っていく」といった発言も聞かれていた。
対して後者は、米国務長官が、イスラム組織ハマスに対し、パレスチナ自治区ガザでの停戦と人質解放に向けたイスラエルの提案に合意するよう呼びかけるなか、ハマスサイドも「停戦案の検討を急いでいる」などと伝えられている。果たして協議の進展はあるのか注目だ。一方、米ニュースサイトのアクシオスは、28日に行ったイスラエルのネタニヤフ首相がバイデン米大統領との電話会談で、国際刑事裁判所が自身に逮捕状を出そうとしていることについて阻止するよう懇願したと報じていた。
<< 欧米市場の見通し >>
昨日のドル/円相場は、終日を通して5.7円の変動。さらに、それ以外の上下動も激しかっただけに、トータルで10円分ぐらいの乱高下をたどっていたようだ。いずれにしても、一年に一度か二度起こる大相場だったことは間違いないだろう。そんな価格変動は本日東京時間を見る限りかなり落ち着いてきたようにも思える。変動スピードにもよるものの、市場では158円を上抜けると再び介入が観測されても不思議はない、などといった見方もあり、相場が早い段階で終息するとの見方は早計だろう。
日米金融政策が注目されるなか、なかでも今週は米FOMCが開催されるだけに、その結果発表を注視している向きもある。しかし、それらをにらみつつも、短期的には日本当局の次の一手がとくに注目されているだろう。前述したように神田財務官は「24時間体制で注視している」と発言し、市場への警告を発しているが、確かに欧米時間だからと言って「安全」というわけではない。ドルの上値追いには引き続き注意を払いたいところだ。
テクニカルに見た場合、ドル/円相場は昨日一日で5.7円もの変動。1週間あるいは場合によっては1ヵ月分の変動を一日で達成したことになる。ドル高という基調そのものは続いているが、さすがに上値を積極的には追い難くなった感があり、しばらくは156-158円程度で次の方向性を探るといった声も聞かれていた。
とは言え、今週は日本がゴールデンウイーク、中国も明1日から週末にかけ長期の連休となる。薄商いが予想されるなか、投機筋の仕掛けなどにより、再び思わぬ価格変動をたどる展開にも要注意だ。
本日は米経済指標として、1-3月期の雇用コスト指数や4月のコンファレンス・ボード消費者信頼感指数などが発表される予定だが、明日に注目の米FOMC結果発表を控えており、よほどのことではない限り影響は限られそうだ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは155.90-157.40円。ドル高・円安方向は本日東京で超えられなかった157円レベルの攻防にまずは注目。抜ければ157.40円レベルが次の上値メドに。
対するドル安・円高方向は、同じく本日東京で下値を支えられた156円レベルが最初のサポートか。割り込んでも介入でなければ155円台では取り敢えず下げ止まりそう。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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