東京市場のドルは一時153円台入るも瞬間的な動き、中東情勢を見極めるムード強まる
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、中東情勢緊張化を受けて、一時153円台まで下落する場面も見られたが、売り一巡後は154円30銭台まで値を戻した。
昨晩の海外時間では、米先週分新規失業保険申請件数が予想を下回り労働市場の底堅さを示したほか、4月フィラデルフィア連銀製造業景況指数も予想外に3月から上昇し2年ぶり高水準となったため利下げ観測がさらに後退し、長期金利上昇に伴うドル買いが優勢となった。
また、ウィリアムズNY連銀総裁が、自分の基本シナリオではないがデータで正当化されたら利上げも除外しない姿勢を示したほか、ボスティック・アトランタ連銀総裁も「インフレが高過ぎで年末まで利下げできる状況にはならない」とのタカ派発言を受けて、ドルは154円60銭台でのしっかり。
東京時間では、8時30分に発表された3月の消費者物価指数は前年比+2.7%と市場予想(同+2.9%)と2月(同+2.8%)を下回ったほか、生鮮食料品除くコアも前年比+2.6%と市場予想(同+2.7%)、2月(同+2.8%)をこちらも下回ったが、目立った動きは観測されなかった。
ただ、10時過ぎに、「イランの複数個所で爆発音」といったニュースが流れると、円買いが強まり、ドルは153円59銭まで売られた。一方、ドル・インデックスは106.1台まで上昇しており、「リスク回避の円買い」ほどではないが、「有事のドル買い」も入ったと思われる。
その後は、中東の情報が二転三転したことで様子見ムードがやや強まったことから、ドルはいったん買い戻されて154円30銭台まで値を戻した。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:154円64銭
高値:154円68銭
安値:153円59銭
終値:154円34銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:164円55銭
高値:164円63銭
安値:163円02銭
終値:164円06銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値: 99円27銭
高値: 99円34銭
安値: 97円78銭
終値: 98円72銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:192円28銭
高値:192円29銭
安値:190円31銭
終値:191円55銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:37724円47銭
高値:37749円48銭
安値:36733円06銭
終値:37068円35銭(前日比−1011円35銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
23時30分、米、グールズビー・シカゴ連銀総裁が会議に出席
25時30分、英、マン英中銀委員がIMF世銀春季会合の討論会に参加
28時00分、欧、ナーゲル独連銀総裁が講演
29時00分、米、FRB金融安定報告書
30時00分、植田日銀総裁が講演
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析など】
日足ベースのドル・円は、154円40銭台まで値を戻しており、為替市場は落ち着きを取り戻した様子。時間外の米10年債利回りが一時4.5%台を割り込む一方、ドル・インデックスが106.19まで買われるなど、やや不可解な動きを見せたが、瞬間的な動きに留まった。
政府・日銀による円買い介入への警戒感は残るが、中東情勢を見極めたいとするムードが一気に強まったことから、投機筋の円売りポジション積み上げ等仕掛け的な売買はいったん止まるだろう。日本当局もG20などでの根回しは完了したが、いったんは中東情勢を見極めたいとする雰囲気が強まった感じだ。
一方、日米の株式市場は厳しい。日本市場では日経平均が1000円超の下げとなったが、米国株も軟調推移のため、為替市場も「リスクオフ」の地合いが波及しそうだ。来週末には日銀の金融政策決定会合が控えていることから様々な思惑が高まりそうだったが、日米株式市場の落着きを待ちたいところ。
今晩の海外時間では、日米政府関係者の発言も注目されるが、まずは、イラン、イスラエルの公式見解や今後の行動などに関心が向かおう。上値メドは154円80銭、下値メドは153円80銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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