ドル円、G7・G20通過後に再び上昇。日米金利差に着目したドル買い・円売りが再開(4/19朝)

18日(木)のドル円相場は下落後に急反発。

ドル円、G7・G20通過後に再び上昇。日米金利差に着目したドル買い・円売りが再開(4/19朝)

G7・G20通過後に再び上昇。日米金利差に着目したドル買い・円売りが再開

〇ドル円、米国時間午後にかけ高値154.71まで上昇、154円台後半での動き
〇神田財務官の為替はG7の議題ではなかったとの発言、FRB関係者のタカ派発言、米指標好調等が背景
〇ユーロドル、ECB関係者のハト派発言や米金利上昇に1.0690レベルから1.06台半ばに反落
〇ドル円、テクニカルの地合い強く、ファンダメンタルズもドル円相場の上昇を連想させる材料増える
〇引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日、日本時間8:30の本邦の3月全国消費者物価指数に注目
〇本日の予想レンジ:154.00ー155.50

海外時間のレビュー

18日(木)のドル円相場は下落後に急反発。(1)米金利低下に伴うドル売り圧力や、(2)政府・日銀による為替介入警戒感(前日海外時間に日米韓による「最近の急速な円安及びウォン安に関する日韓の深刻な懸念を認識」「外国為替市場の動向に関して引き続き緊密に協議する」との共同声明あり)が重石となる中、アジア時間朝方にかけて、安値153.96まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(3)神田財務官による「為替はG7の議題ではなかった」との発言や、(4)ニューヨーク連銀ウィリアムズ総裁による「利下げの緊急性は感じていない」とのタカ派的な発言、

(5)米新規失業保険申請件数(結果21.2万件、予想21.5万件)の良好な結果、(6)米4月フィラデルフィア連銀製造業景況指数(結果+15.5、予想+2.0)の市場予想を上回る結果、(7)アトランタ連銀ボスティック総裁による「米国のインフレは高すぎる」「年末まで利下げは出来ないだろう」とのタカ派的な発言、(8)米金利上昇に伴うドル買い圧力が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値154.71まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間4/19午前5時20分現在)では、154.63前後で推移しております。

18日(木)のユーロドル相場は上昇後に反落。欧州時間朝方にかけて、高値1.0690まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)EU3月新車登録台数(結果▲5.2%、前回+10.1%)の大幅悪化や、(2)デギンドスECB副総裁による「現在のインフレ低下トレンドは利下げを許容するかもしれない」とのハト派的な発言、(3)ドイツ連銀ナーゲル総裁による「6月の初回利下げは適切である可能性」とのハト派的な発言、(4)オランダ中銀クノット総裁による「利下げに対する市場の価格設定に違和感はない」とのハト派的な発言、(5)フランス中銀ビルロワドガロー総裁による「6月の後は毎回の会合で利下げにオープン」とのハト派的な発言、(6)ラトビア中銀カザークス総裁による「6月利下げの可能性は非常に高い」とのハト派的な発言、

(7)オーストリア中銀ホルツマン総裁による「ECBメンバーの大多数が6月利下げを望む可能性あり」とのハト派的な発言、(8)フィンランド中銀レーン総裁による「現在の水準を長期間維持する必要性はもはやないと考える」とのハト派的な発言、(9)ニューヨーク連銀ウィリアムズ総裁による「利下げの緊急性は感じていない」とのタカ派的な発言、(10)米新規失業保険申請件数の良好な結果、(11)米4月フィラデルフィア連銀製造業景況指数の市場予想を上回る結果、(12)アトランタ連銀ボスティック総裁による「米国のインフレは高すぎる」「年末まで利下げは出来ないだろう」とのタカ派的な発言、(13)米金利上昇に伴うドル買い圧力が重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.0642まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間4/19午前5時20分現在)では、1.0645前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は下落後に急伸するなど(153.96→154.71)、力強い動きが続いています。日足ローソク足が主要テクニカルポイント(21日線、50日線、90日線、200日線、ボリンジャーミッドバンド、一目均衡表基準線、転換線、雲上限)の遥か上側に位置していることや、強い買いシグナルを示唆する「強気のパーフェクトオーダー」「一目均衡表三役好転」「強気のバンドウォーク」「ダウ理論の上昇トレンド」が成立していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは極めて強い(心理的節目155.00突破は時間の問題→155.00通過後も断続的に上値を切り上げる可能性が高い)と判断できます。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる利下げ開始時期の後ずれ観測(今週はパウエルFRB議長、ジェファーソンFRB副議長、ウォラーFRB理事、ニューヨーク連銀ウィリアムズ総裁、アトランタ連銀ボスティック総裁より「利下げを急がない(no rush)」姿勢が明確化)や、(2)日銀による年内追加利上げの見送り観測(円安に伴う輸入インフレの影響で物価高に賃金が追い付かない状況が顕在化→実質賃金低下を嫌気して日銀が追加利上げを当面見送るとの見方が台頭)、(3)上記1、2を背景とした日米金利差拡大とそれに伴う円キャリートレードの長期化期待(ドル買い・円売り安心感)、(4)政府・日銀による介入警戒感の後退(神田財務官や鈴木財務相は「為替はG7およびG20の議題ではなかった」と発言→米国はインフレ抑制に寄与するドル高を当面の間容認する公算大→米国への配慮から政府・日銀はドル売り介入を行いづらいのではないかとの思惑再浮上)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。

心理的節目155.00に位置するリバースノックアウトオプション(RKO)のトリガーヒットが実現すれば、オプション勢によるストップBUY(トリガー操作として155.00手前で売っていた大量のデルタショートの買い戻し)を巻き込みながら、ドル円が大幅に値を切り上げる展開も想定されるため、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は日本時間8:30に本邦の3月全国消費者物価指数が予定されています。

本日の予想レンジ:154.00ー155.50

注:ポイント要約は編集部

G7・G20通過後に再び上昇。日米金利差に着目したドル買い・円売りが再開

ドル円日足

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