上値メド155円もすでに視界内、攻防注視
〇本日のドル円、154.15-45レンジにとどまった小動きだったが、夕方に掛け154.60-65へ上昇
〇本邦要人による、G20財務相・中銀総裁会議を意識した円安けん制発言相次ぐ
〇155円まであと50ポイント足らず、市場は実弾介入催促相場となっている様相
〇当局が実弾介入に踏み切った際のドル下落リスクにも要注意
〇欧米時間予想レンジは153.80-154.90、ドル高・円安方向は154.60-65が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、154円前後の弱いサポートをめぐる攻防にまずは注目
<< 東京市場の動き >>
東京市場はドルが小幅に続伸。連日の高値更新で、節目とされる155円まであと50ポイント足らずとなった。
ドル/円は154.25円レベルで寄り付いたものの、介入警戒感などもあり全般的には小動き。実際、154.15-45円といったレンジにとどまっていたが、夕方に掛けドルは買い進められると前日高値を超え一時154.60-65円へ。16時現在では、そのままドル高値圏で推移し欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「円安けん制発言」と「イラン情勢」について。
前者は、ドル/円相場が154円台、34年ぶり高値圏で推移していることもあり、本邦要人からの円安けん制発言が相次ぎ観測されている。しかし、やや興味深いのは単なる「過度の変動に対処する」などといった文言ではなく、17日からはじまるG20財務相・中銀総裁会議を意識したとみられる口先介入へと色合いが変わってきたこと。たとえば、神田財務官は「毎日のように米国を含む主要国の財務官、中銀幹部と連絡を取り合っている」、鈴木財務相は「為替は正式議題にはならなくても話題にはなる」−−と述べていた。とは言え、市場は実弾介入を意識・あるいは催促している感があり、口先介入だけでは効果は限られている。
対して後者は、バイデン米大統領がイスラエルに直接的な加担しない旨の発言を行ったことで、イラン情勢は若干沈静化の様相を呈したが引き続き予断を許さない。実際、イラン外相からは「イランは緊張の高まりを望んでいないが、イスラエルが報復すれば即座に一段と強力に対応する」との発言も聞かれたほか、イスラエル側もハレビ参謀総長から、イランによる先週末の攻撃に対応するとのコメントが発せられている。そうしたなか、米CNNテレビは、イスラム組織ハマスとの戦闘を続けるイスラエルが、パレスチナ自治区ガザ最南部ラファへの地上侵攻を延期したと報じていたようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は、152円が壁になっていた際の「中期的な上値メド」である155円まで、気が付けばあと50ポイント足らずまで接近してきた。市場は実弾介入催促相場となっているようで、いったいどのレベルで観測されるかを試す展開が続く可能性もある。鈴木財務相は以前「防衛ラインはない」と発言したが、参加者のあいだではそれでも155円を一応の防衛ラインと認識する向きが多いが果たして如何に。ポジションはだいぶ偏っていることから、実施されれば効果は期待できるとの声も。
引き続き日米を中心とした各国政策金利が引き続き注目を集めており、目先的には発表される米経済指標に一喜一憂する展開か。また、早期利下げ後退見通しが優勢となっているだけに、好数字よりも悪い数字が出た場合のインパクトを警戒する声も聞かれていた。一方、それとは別に市場の懸念要因として取り沙汰されているものが中東地域における地政学リスクの高まり。米国の参戦懸念は後退したものの、依然として予断を許さない状況が続いている。関連情報には本日も要注意だ。
テクニカルに見た場合、ドル/円相場は連日の高値更新で、ついには155円が意識されるレベルへと達してきた。政府・財務省による実弾介入に動くか否かを含め、ドル/円の先行きには十分な注意を払いたい。
なお、ドルは基本的に底堅いが、当局が実弾介入に踏み切れば最低でも5円程度、2022年を参考にすれば7-8円の下押しが入っても不思議はない。ドル下落に向けたリスク管理もしっかりおこなっておきたいところだ。
本日は米経済指標として、3月の住宅着工件数や同鉱工業生産などが発表される予定となっているほか、モルガン・スタンレーなどの米金融機関を中心とした決算発表も実施される見込みだ。また米国務長官のイタリア訪問や、米国務次官補(東アジア・太平洋担当)らの訪中なども相次いでいるだけに政治ファクターにも一応要注意だ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは153.80-154.90円。ドル高・円安方向は本日東京高値となる154.60-65円が最初の抵抗で、抜ければいよいよ155円を目指す。
対するドル安・円高方向は、時間足など短期でみた154円前後の弱いサポートをめぐる攻防にまずは注目。もっとも下回っても、実弾介入による下げでなければ基本的に底堅い。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.10.30
ドル円 基本は明日以降の材料にらみ、レンジ取引か(10/30夕)
東京市場はレンジ取引。153円台前半、40ポイントほどの小動きだった。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:編集人K
2024.10.30
ドル円、153円台前半で方向感に欠ける動き (10/30午前)
30日午前の東京市場でドル円は153円台前半でのもみ合いに終始。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:上村 和弘
2024.10.30
ドル円見通し 衆院選後の円安一服、153円台中心で揉み合う(24/10/30)
ドル円は28日の高安レンジ内で一段高状態を維持して推移している。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.04.16
東京市場のドルは154円台でしっかり、155円台を意識だが乱高下に警戒(24/4/16)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、一段の上昇とはならなかったが、ドル売り円買い圧力は弱く、154円台の高値圏でのもみ合いとなった。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。