ドル円、心理的節目152.00を再トライするも突破できず。本日は米CPIに注目
〇ドル円、米国時間に一時151.57まで下落、引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、151.70台での推移
〇米長期金利低下、米メディアによる日銀の24年インフレ見通し上方修正観測報道等が重石に
〇ユーロドル、欧州株の不冴え、欧州債利回り低下に1.08台半ばで伸び悩む
〇ドル円、またしても心理的節目152.00に続伸を阻まれ失速、152円は強力なレジスタンス
〇ファンダメンタルズも、日米金融政策の方向性の違いや、為替介入警戒感でドル買い維持しにくい
〇本日、米3月消費者物価指数に注目集まるも、強弱に係わらずドル円には下押し圧力が加わるか
〇本日の予想レンジ:151.00ー152.25
海外時間のレビュー
9日(火)のドル円相場は上昇後に伸び悩む展開。(1)日経平均株価の堅調推移(リスク選好の円売り圧力)や、(2)植田日銀総裁による「当面は緩和的な金融環境が継続すると考えている」とのハト派的な発言が支援材料となり、アジア時間夕方にかけて、高値151.95まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(3)3/27に記録した約34年ぶり高値151.97を背にした戻り売り圧力や、(4)政府・日銀による介入警戒感(鈴木財務相は昨日「行き過ぎた動きにあらゆる手段を排除せず適切に対応する」と発言)、(5)米金利低下に伴うドル売り圧力、(6)米メディアによる「日銀が25・26日に開く金融政策決定会合で2024年度のインフレ見通しの上方修正を議論する公算が大きい」との報道が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値151.57まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間4/10午前4時35分現在)では、151.77前後で推移しております。
9日(火)のユーロドル相場は上昇後に反落。(1)米金利低下に伴うドル売り圧力や、(2)ECB理事会を控えたポジション調整が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値1.0886まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(3)欧州株の冴えない動きや、(4)欧州債利回り低下に伴うユーロ売り圧力、(5)ユーロ円相場の冴えない動き(リスク回避のクロス円売り→ユーロ円下落→ユーロドル連れ安)が重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.0848まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間4/10午前4時35分現在)では、1.0856前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は一時151.95まで上昇するも、またしても心理的節目152.00に続伸を阻まれ失速しました。同水準が強力なレジスタンス(抵抗帯)として強く意識されている証左といえるため、余程強いドル買い・円売り材料が出てこない限り、ここからの上昇は容易では無いと考えられます。また、ファンダメンタルズ的に見ても、日米金融政策の方向性の違い(利上げ局面の日銀vs利下げ局面のFRB)や、政府・当局による為替介入警戒感(心理的節目152.00突破後にすかさず実弾介入が実施されるとの思惑)など、ドル円ロングをキープしづらい環境(リスク・リターンの観点でアップサイドを狙いにくい状態)が続いています。
こうした中、本日は21:30に予定されている米3月消費者物価指数に注目が集まります。市場予想を下回る場合には、米国におけるインフレ鈍化→米FRBによる利下げ時期の前倒し観測再燃→米金利低下→米ドル売りの経路で、ドル円に強い下押し圧力が加わるシナリオが想定されます。一方、市場予想を上回る場合には、米FRBによる利下げ観測後退→米金利上昇→米ドル買いの経路で心理的節目152.00を突破するシナリオが想定されますが、上述の通り、152.00突破後は政府・日銀による実弾介入が意識されるため、すぐに反落に転じるシナリオが想定されます。結果として、米CPIの強弱に係わらず、ドル円には下押し圧力が加わるものと考えられるため、当方では引き続き、ドル円相場の一巡後に急反落をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は米CPI以外にも、米当局者発言(ボウマンFRB理事、シカゴ連銀グールズビー総裁)や、米10年債入札、米FOMC議事要旨などが予定されています。
本日の予想レンジ:151.00ー152.25
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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