約2週間ぶり高値圏へ上昇するも、心理的節目152.00にまたしても続伸を阻まれる展開
〇ドル円、米長期金利上昇に米国時間に151.96まで上昇、151.80付近での取引
〇ユーロドル、独指標の良好な結果、欧州債利回り上昇、欧州株堅調等に1.08台を堅調推移
〇ドル円またしても心理的節目152.00トライに失敗、同水準の突破は容易でないか
〇ファンダメンタルズも日銀追加利上げ観測、介入警戒感等がドル円の重石
〇ドル円相場の一巡後の急反落をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:151.00ー152.25
海外時間のレビュー
週明け8日(月)のドル円相場は上昇後に伸び悩む展開。(1)前週末金曜日以降のドル買いの流れの継続(米雇用統計の力強い結果→米利下げ開始時期の後ずれ観測)や、(2)上記1を背景とした米長期金利の急上昇(米2年債利回りは昨年11/28以来の高水準となる4.78%へ急上昇。米10年債利回りは昨年11/27以来の高水準となる4.46%へ急上昇)、(3)日経平均株価の堅調推移(リスク選好の円売り圧力)、(4)米主要株価指数の堅調推移(リスク選好の円売り圧力)が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、約2週間ぶり高値151.96まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(5)3/27に記録した約34年ぶり高値151.97を背にした戻り売り圧力や、(6)政府・日銀による為替介入警戒感が重石となり、本稿執筆時点(日本時間4/9午前4時50分現在)では、151.82前後まで押し返される動きとなっております。
週明け8日(月)のユーロドル相場は堅調な値動き。(1)前週末金曜日以降のドル買いの流れが継続する中、米国時間朝方にかけて、安値1.0821まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(2)欧州経済指標(ドイツ2月鉱工業生産およびユーロ圏4月投資家信頼感指数)の良好な結果や、(3)欧州債利回り上昇に伴うユーロ買い圧力、(4)欧州株の堅調推移、(5)米長期金利の上昇幅縮小が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値1.0863まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間4/9午前4時50分現在)では、1.0857前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は一時151.96まで上値を伸ばしましたが、またしても心理的節目152.00トライに失敗しました。同水準は2022年から続く強力な長期レジスタンス(2022年高値151.95、2023年高値151.91、2024年高値151.97)となっており、その背景には、政府・当局による為替介入警戒感と、エキゾチックオプション(リバースノックアウト)の巨大トリガーの影響があると考えられます。従って、余程強いドル買い・円売り材料(例えば米国の利下げ開始時期が来年以降の後ずれする等の材料)が見られない限り、同水準の突破は容易では無いと判断できます。
また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)日銀による追加利上げ観測の残存や、(2)米FRBによる年3回利下げ観測の残存(サンフランシスコ連銀デイリー総裁は先週「2024年の計3回の利下げは合理的なベースライン」と発言→市場の織り込み度合いは年2回の利下げ確率と年3回の利下げ確率がいずれも30%で均衡)、(3)上記1、2を背景とした日米金融政策の方向性の違い(利上げタイミングを計っている日本と、利下げタイミングを計っている米国との金融政策格差は明確)、(4)政府・当局による為替介入警戒感(心理的節目152.00突破後にドル売り・円買いの実弾為替介入が入るとの思惑)など、ドル円相場の下落を連想させる材料が揃っています。
以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の一巡後の急反落をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日はアジア時間・欧米時間を通して目立った経済イベントの発表が予定されていないものの、政府・日銀による円安牽制発言が複数回出てくる恐れがあるため、特にアジア時間帯の揺り戻し(円高リスク)に警戒が必要でしょう。
本日の予想レンジ:151.00ー152.25
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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