ドル円、上昇後に反落。心理的節目152.00がレジスタンスとして強く意識される展開(4/3朝)

2日(火)のドル円相場は上昇後に反落。

ドル円、上昇後に反落。心理的節目152.00がレジスタンスとして強く意識される展開(4/3朝)

ドル円、上昇後に反落。心理的節目152.00がレジスタンスとして強く意識される展開

〇ドル円、介入警戒感、米株の大幅下落、米指標の不冴えに151.46まで下落、151円台半ばでの取引
〇ユーロドル、欧州指標の好調、独債利回り上昇に米国時間朝方にかけ一時高値1.0779まで上昇
〇ドル円、152円が長期に亘り、強力なレジスタンスとして強く意識され、突破は容易では無いか
〇ファンダメンタルズも、日米金利差縮小観測、為替介入警戒感が重石
〇ドル円相場の反落をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:150.75ー152.25

海外時間のレビュー

2日(火)のドル円相場は上昇後に反落。アジア時間午後にかけて、高値151.80まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)心理的節目152.00を背にした戻り売り圧力や、(2)政府・日銀による為替介入警戒感(鈴木財務相は連日で「行き過ぎた動きにはあらゆる手段を排除せず適切に対応」「為替市場の動向を高い緊張感をもって注視」と牽制)、(3)米主要株価指数の大幅下落(リスク回避の円買い圧力)、(4)米2月耐久財受注(結果+1.3%、予想+1.4%)の市場予想を下回る結果が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値151.46まで反落しました。

引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間4/3午前5時00分現在)では、151.57前後で推移しております。尚、昨日発表された米2月JOLT雇用動態調査(結果875.6万件、予想873.0万件)は市場予想を小幅に上回る結果となりましたが、市場の反応は限られました。また、昨日はクリーブランド連銀メスター総裁より「今年は計3回の利下げを予想」「6月の利下げ可能性を除外することはない」との発言が見られた他、サンフランシスコ連銀デイリー総裁からも「今年利下げの道はあるがまだそこには至っていない」「2024年の計3回の利下げは合理的なベースライン」との発言が見られましたが市場の反応は限られました。

2日(火)のユーロドル相場は堅調推移。アジア時間午後にかけて、安値1.0724まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)急ピッチな下落に対する反動買いや、(2)イタリア3月製造業PMI(結果50.4、予想48.8)の市場予想を上回る結果、(3)フランス3月製造業PMI(結果46.2、予想45.8)の市場予想を上回る結果、(4)ドイツ3月製造業PMI(結果41.9、予想41.6)の市場予想を上回る結果、(5)ユーロ圏3月製造業PMI(結果46.1、予想45.7)の市場予想を上回る結果、(6)ドイツ債利回り上昇に伴うユーロ買い圧力が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値1.0779まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間4/3午前5時00分現在)では、1.0767前後で推移しております。尚、昨日発表されたドイツ3月HICP速報値(結果+2.3%、予想+2.4%)は市場予想を下回る結果(2021年6月以来の低水準)となりましたが、ユーロ売りでの反応は限られました。

本日の見通し

ドル円は一時151.80まで上値を伸ばすも、心理的節目152.00の突破には至りませんでした。同水準(152.00)にはエキゾチックオプション(リバースノックアウトオプション)のトリガーが密集している他、政府・当局による為替介入スイッチもあると見なされているため、長期に亘り、強力なレジスタンスとして強く意識されています(2022年高値151.95、2023年高値151.91、2024年高値151.97)。このため、余程強いドル買い・円売り材料が出てこない限り、同水準の突破は容易では無いと判断できます。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)日銀による追加利上げ観測の高まりや、(2)米FRBによる6月利下げ観測の残存(クリーブランド連銀メスター総裁は昨日「6月利下げの可能性を除外することはない」と発言。サンフランシスコ連銀デイリー総裁からも「2024年の計3回の利下げは合理的なベースライン」との発言あり)、(3)上記1、2を背景とした日米金融政策の方向性の違い(日米金利差縮小に伴う円キャリートレードの解消リスク)、(4)政府・当局による為替介入警戒感(鈴木財務相は連日で円安牽制を実施。山崎達雄元財務官は「足元の取引レンジを超えてドル高・円安が進んだ場合、政府がいつ円買い介入に踏み切ってもおかしくない」と発言。大和証券は為替レポートの中で「ドル円が152円台に乗せるタイミングで実弾の円買い介入が実施される確度が高い」と指摘)など、ドル円相場の下落を連想させる材料が揃っています。

以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の反落をメインシナリオとして予想いたします(このまま時間切れで下落するパターンや、152円到達後に急落するパターンのいずれも想定)。尚、本日は米3月ADP雇用統計や、米3月ISM非製造業景況指数、シカゴ連銀グールズビー総裁発言、パウエルFRB議長発言に注目が集まります。

本日の予想レンジ:150.75ー152.25

※4/4から4/6まで、ドル円・ユーロドル日報は休刊とさせていただきます。次号は4/9を予定しております。

注:ポイント要約は編集部

ドル円、上昇後に反落。心理的節目152.00がレジスタンスとして強く意識される展開

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