良好な米ISM製造業景況指数を受けて上昇するも、ここからの上値余地は限定的か
〇ドル円、米3月ISM製造業景況指数および、ISM支払価格の市場予想を上回る結果に151.78まで上昇
〇ユーロドル、ISM製造業景況指数の米金利上昇等に一時1.0731まで下落、1.07台前半での推移
〇ドル円、依然として心理的節目152.00が強力なレジスタンスとして立ち塞がる
〇ファンダメンタルズも、日銀の追加利上げ観測、政府・当局による為替介入警戒感が重石に
〇引き続き、ドル円相場の一巡後の反落をメインシナリオとして予想
〇本日はイースター休暇明け、海外勢参入後のボラティリティ上昇に要警戒
〇本日の予想レンジ:150.75ー152.25
海外時間のレビュー
週明け1日(月)のドル円相場は堅調推移。アジア時間朝方にかけて、安値151.22まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)パウエルFRB議長による前週末金曜日の「利下げを急ぐ必要は無い」との発言や、(2)心理的節目151.00を背にした押し目買い圧力、(3)日米金利差に着目したドル買い・円売り、(4)米3月ISM製造業景況指数(結果50.3、予想48.3)および、同ISM支払価格(結果55.8、予想53.0)の市場予想を上回る結果、(5)米金利上昇に伴うドル買い圧力が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値151.78まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間4/2午前5時45分現在)では、151.65前後で推移しております。尚、昨日は鈴木財務相より「行き過ぎた動きにはあらゆる手段排除せず適切に対応する」「投機的な動きがみられる」との円安牽制発言が見られましたが、市場の反応は限られました。
週明け1日(月)のユーロドル相場は大幅下落。アジア時間朝方にかけて、高値1.0799まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)イースター休暇入りに伴うユーロ買い需要の減退(イースター休暇で市場参加者が激減)や、(2)米3月ISM製造業景況指数および、同ISM支払価格の市場予想を上回る結果、(3)米金利上昇に伴うドル買い圧力、(4)ギリシャ中銀ストゥルナラス総裁による「ECBが年内計100bpの利下げを実施する可能性がある」とのハト派的な見解発表が重石となり、米国時間正午にかけて、安値1.0731(2/15以来の安値圏)まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間4/2午前5時45分現在)では、1.0742前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は一時151.78まで上値を伸ばすも、依然として心理的節目152.00が強力なレジスタンスとして立ち塞がっています(2022年高値151.95→2023年高値151.91→2024年高値151.97と、いずれも心理的節目152.00を突破できていない状態)。同水準(152.00)が市場参加者に意識されている証左と言えるため、ここからの更なる上昇は容易では無いと考えられます(152.00に近づけば近づくほど上値が重くなる状況)。また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)日銀による追加利上げ観測の高まり(昨日発表された日銀短観で販売価格見通しが引き上げられると共に、中長期物価見通しも2%で安定推移)や、(2)米FRBによる利下げ開始時期の前倒し観測(6月FOMCでの利下げ観測)、(3)上記1、2を背景とした日米金融政策の方向性の違い(円キャリートレードの巻き戻しリスク)、(4)政府・当局による為替介入警戒感(昨日も鈴木財務相より円安牽制発言あり)など、ドル円相場の下落を連想させる材料が揃っています。
以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の一巡後の反落をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日はイースター休暇明けで市場参加者が戻ってくる他、米経済指標(米2月製造業受注指数、米2月耐久財受注、米2月JOLT雇用動態調査)や、投票権を有する米当局者3名の発言(ニューヨーク連銀ウィリアムズ総裁、クリーブランド連銀メスター総裁、サンフランシスコ連銀デーリー総裁)も予定されているため、海外勢参入後のボラティリティ上昇に警戒が必要でしょう。
本日の予想レンジ:150.75ー152.25
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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