ドル円、米経済指標の力強い結果を受けて急反発。但し上値余地は限定的か(3/22朝)

21日(木)のドル円相場は下落後に急反発。

ドル円、米経済指標の力強い結果を受けて急反発。但し上値余地は限定的か(3/22朝)

米経済指標の力強い結果を受けて急反発。但し上値余地は限定的か

〇ドル円、昨晩発表された米指標の多くが好調、米長期金利の上昇に151.77まで上昇
〇ユーロドル、米長期金利上昇に1.09台から1.08台半ばまで急落
〇ドル円、依然として昨年高値151.91が強力なレジスタンスとして意識され上値余地は乏しいか
〇ファンダメンタルズも日米金利差縮小期待、年末に向けたレパトリ観測、為替介入警戒感が重石に
〇引き続き、ドル円相場の一巡後の反落をメインシナリオとして予想
〇本日は本邦の2月全国消費者物価指数や、アトランタ連銀ボスティック総裁発言などに注目集まる
〇本日の予想レンジ:150.50ー152.00

海外時間のレビュー

21日(木)のドル円相場は下落後に急反発。(1)アジア時間早朝に発表された米FOMCのハト派的な結果(米金利低下→米ドル売り)や、(2)日本経済新聞社による「円安進行の影響で日銀は7月や10月に追加利上げを検討している」とのサプライズ的な観測報道(日銀による早期利上げ観測台頭→円買い)、(3)鈴木財務相による「為替、高い緊張感もって動きを注視」との円安牽制発言が重石となり、アジア時間朝方にかけて、安値150.27まで下落しました。

しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(4)日経平均株価の大幅上昇(リスク選好の円売り圧力)や、(5)米3月フィラデルフィア連銀製造業景況指数(結果+3.2、予想▲2.5)の市場予想を上回る結果、(6)米新規失業保険申請件数(結果21.0万件、予想21.3万件)の良好な結果、(7)米3月製造業PMI速報値(結果52.5、予想51.8)の市場予想を上回る結果、(8)米2月中古住宅販売件数(結果438万件、予想394万件)の市場予想を上回る結果、(9)米2月景気先行指数(結果+0.1%、予想▲0.1%)の市場予想を上回る結果、(10)米金利上昇に伴うドル買い圧力、(11)米主要株価指数の堅調推移(米ダウ平均の史上最高値更新)が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値151.77まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間3/22午前6時50分現在)では、151.62前後で推移しております。

21日(木)のユーロドル相場は大幅下落。(1)アジア時間早朝に発表された米FOMCのハト派的な結果や、(2)上記1を背景としたドル売り圧力が支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、高値1.0943まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(3)ECBによる早期利下げ観測の再燃や、(4)米経済指標の力強い結果、(5)米金利上昇に伴うドル買い圧力が重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.0855まで反落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間3/22午前6時50分現在)では、1.0860前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は下落後に急伸するなど力強い動きとなりました。但し、依然として昨年高値151.91が強力なレジスタンスとして意識されていること(3/20高値151.87、3/21高値151.77と2日連続で上抜け失敗)などを踏まえると、テクニカル的に見て、上値余地は乏しい(151.91を背にした戻り売り圧力が想像以上に根強い)と判断できます。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)日銀による年内追加利上げ観測の台頭(日銀は今週マイナス金利政策やYCCの解除を決定→更に日経新聞は日銀による7月や10月の追加利上げの可能性を報道)や、(2)米FRBによる早期利下げ観測の再燃(ハト派な米FOMCを受けて6月FOMCでの利下げ確率が上昇)、(3)上記1、2を背景とした日米金融政策の方向性の違い(利上げ局面に入った日本と、利下げ局面に入りつつある米国とのコントラスト→日米金利差縮小期待→円キャリートレードの巻き戻しリスク)、(4)日系企業の年末に向けたレパトリ観測(円買い材料)、(5)政府・日銀による為替介入警戒感(鈴木財務相は「為替、高い緊張感もって動きを注視」と発言)など、ドル円相場の下落を連想させる材料が揃っています。

以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の一巡後の反落をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は本邦の2月全国消費者物価指数や、アトランタ連銀ボスティック総裁発言などに注目が集まります。

本日の予想レンジ:150.50ー152.00

米経済指標の力強い結果を受けて急反発。但し上値余地は限定的か

ドル円日足

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