ドル円、重要イベントを控えて様子見ムードが継続。本日は日銀金融政策決定会合に注目
〇海外時間のドル円、イベントを控え様子見気分強い中、米長期金利の上昇等に149円台前半で底堅く推移
〇ユーロドル、ECBの早期利下げ観測後退等に1.0907まで上昇するも1.08台後半に失速
〇本日は日銀金融政策決定会合、その後の植田日銀総裁記者会見に注目が集まる
〇「マイナス金利政策の解除」「YCCの撤廃」「ETF買い入れ停止」が決定される可能性高いか
〇市場の関心は、その後の利上げパス(フォワードガイダンス)が示されるか否か
〇日銀はインフレ目標(2%)達成に向けて断続的な利上げの可能性を否定しないと見る
〇ドル円相場の下落をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:147.00ー150.50
海外時間のレビュー
週明け18日(月)のドル円相場は上下しつつも方向感に欠ける展開。(1)日経平均株価の大幅上昇や、(2)上記1を背景としたリスク選好の円売り圧力、(3)先週末金曜日高値149.20突破に伴う仕掛け的なドル買い・円売りが支援材料となり、アジア時間朝方にかけて、高値149.33まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(4)急ピッチな上昇に対する反動売りや、(5)時間外の米金利低下が重石となり、日本時間11時過ぎに、安値148.90まで反落しました。その後は、中銀ウィーク(日本・豪州・米国・ブラジル・スイス・ノルウェー・トルコ)を控えた様子見ムードの影響で動きづらい展開となり、本稿執筆時点(日本時間3/19午前6時00分現在)では、149.18前後で推移しております。尚、昨日は日本経済新聞社より「日銀は19日の金融政策決定会合で大規模緩和の解除を決める方針。マイナス金利政策のほか、長期金利を抑え込むための長短金利操作や、上場投資信託などリスク資産を買い入れる枠組みもなくす」との報道がなされましたが、織り込み済みとして、円買いでの反応は限定的となりました。
週明け18日(月)のユーロドル相場は上値の重い展開。(1)フィンランド中銀レーン総裁による「最初の利下げは夏近くになるだろう」との週末の発言や、(2)アイルランド中銀マクルーフ総裁による「ECBは6月利下げが可能」との週末の発言、(3)スペイン中銀デコス総裁による「ECBは6月に利下げを開始する可能性がある」との週末の発言、(4)上記1、2、3を背景としたECBによる早期利下げ観測後退(4月利下げ観測の後退)、(5)ユーロ圏1月貿易収支(結果281億ユーロ黒字、前回143億ユーロ黒字)の黒字幅拡大、(6)ユーロ圏2月消費者物価指数(結果+2.6%、予想+2.6%)および、同コア指数(結果+3.1%、予想+3.1%)の予想通りの結果(市場予想を下回らなかったことに対する安堵感→早期利下げ観測後退)が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値1.0907まで上昇しました。
しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(7)米金利上昇に伴うドル買い圧力や、(8)中銀ウィークを控えたポジション調整、(9)ポルトガル中銀センテノ総裁による「ユーロ圏経済は停滞している」「金融状況が厳しすぎると収縮を引き起こす可能性がある」とのハト派的な発言が重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.0866まで反落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間3/19午前6時00分現在)では、1.0872前後で推移しております。
本日の見通し
昨日は重要イベント(中銀ウィーク)を控えた様子見ムードの影響で、アジア時・欧米時間を通して方向感に欠ける値動きとなりました。こうした中、本日は日銀金融政策決定会合と、その後の植田日銀総裁記者会見に注目が集まります。先週公表された春闘の第1回回答集計は平均賃上げ率が5.28%(33年ぶり高水準)を記録するなど、日銀が目標としている「賃金上昇を伴う形での2%物価目標達成」が視野に入ってきました。
この為、本日予定されている日銀金融政策決定会合では、既に様々なメディアより観測報道がなされている通り、「マイナス金利政策の解除」「イールド・カーブ・コントロールの撤廃」「ETF買い入れ停止」が決定される可能性が高いと考えられます。但し、ここまでは織り込み済みとなるため、市場の関心は、その後の利上げパス(フォワードガイダンス)が示されるか否かに移っています。
当方は、インフレ目標(2%)達成に向けて断続的な利上げの可能性を否定しない(追加利上げや量的縮小の可能性を否定しない)と見ていることから、ドル円相場の下落(予想以上にタカ派的な日銀のスタンス→円金利上昇→円独歩高→ドル円・クロス円下落の波及経路)をメインシナリオとして予想いたします(一方、予想に反して、将来の利上げパスが示されない場合は、失望感から150円を超えて大幅に円安が進む恐れあり)。
本日の予想レンジ:147.00ー150.50
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
来週の為替相場見通し『トランプトレードと円キャリーの組み合わせがドル円を下支え』(11/23朝)
ドル円は、今週前半にかけて、一時153.28まで急落する場面が見られましたが、週末にかけては一転154円台後半へと持ち直す動きとなりました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.11.22
東京市場のドルは154円台後半で推移、日銀による追加利上げ観測が円安のブレーキ役に(24/11/22)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日本株のしっかりとした推移を材料にじり高の展開となり154円台後半で推移した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.11.22
ドル円 値動きそのものは激しいが、結果レンジ内か(11/22夕)
東京市場はドルが小高い。やや激しめの乱高下をたどるなか、最終的にドルは高値引け。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:上村 和弘
2024.03.19
ドル円見通し 日銀会合待ち、マイナス金利解除等は織り込み済(24/3/19)
3月18日午前に149.32円まで高値を伸ばしてからいったん148.90円まで反落したが、19日昼頃の日銀金融政策決定会合待ちで小動きを続けている。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.03.18
東京市場のドルは149円台まで上昇、さすがに明日の日銀総裁記者会見までは様子見か(24/3/18)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、株高を材料にリスクオンのドル買いが先行、149円33銭まで上昇した。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。