ドル円、重要イベントを控えて様子見ムードが継続。本日は日銀金融政策決定会合に注目(3/19朝)

週明け18日(月)のドル円相場は上下しつつも方向感に欠ける展開。

ドル円、重要イベントを控えて様子見ムードが継続。本日は日銀金融政策決定会合に注目(3/19朝)

ドル円、重要イベントを控えて様子見ムードが継続。本日は日銀金融政策決定会合に注目

〇海外時間のドル円、イベントを控え様子見気分強い中、米長期金利の上昇等に149円台前半で底堅く推移
〇ユーロドル、ECBの早期利下げ観測後退等に1.0907まで上昇するも1.08台後半に失速
〇本日は日銀金融政策決定会合、その後の植田日銀総裁記者会見に注目が集まる
〇「マイナス金利政策の解除」「YCCの撤廃」「ETF買い入れ停止」が決定される可能性高いか
〇市場の関心は、その後の利上げパス(フォワードガイダンス)が示されるか否か
〇日銀はインフレ目標(2%)達成に向けて断続的な利上げの可能性を否定しないと見る
〇ドル円相場の下落をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:147.00ー150.50

海外時間のレビュー

週明け18日(月)のドル円相場は上下しつつも方向感に欠ける展開。(1)日経平均株価の大幅上昇や、(2)上記1を背景としたリスク選好の円売り圧力、(3)先週末金曜日高値149.20突破に伴う仕掛け的なドル買い・円売りが支援材料となり、アジア時間朝方にかけて、高値149.33まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(4)急ピッチな上昇に対する反動売りや、(5)時間外の米金利低下が重石となり、日本時間11時過ぎに、安値148.90まで反落しました。その後は、中銀ウィーク(日本・豪州・米国・ブラジル・スイス・ノルウェー・トルコ)を控えた様子見ムードの影響で動きづらい展開となり、本稿執筆時点(日本時間3/19午前6時00分現在)では、149.18前後で推移しております。尚、昨日は日本経済新聞社より「日銀は19日の金融政策決定会合で大規模緩和の解除を決める方針。マイナス金利政策のほか、長期金利を抑え込むための長短金利操作や、上場投資信託などリスク資産を買い入れる枠組みもなくす」との報道がなされましたが、織り込み済みとして、円買いでの反応は限定的となりました。

週明け18日(月)のユーロドル相場は上値の重い展開。(1)フィンランド中銀レーン総裁による「最初の利下げは夏近くになるだろう」との週末の発言や、(2)アイルランド中銀マクルーフ総裁による「ECBは6月利下げが可能」との週末の発言、(3)スペイン中銀デコス総裁による「ECBは6月に利下げを開始する可能性がある」との週末の発言、(4)上記1、2、3を背景としたECBによる早期利下げ観測後退(4月利下げ観測の後退)、(5)ユーロ圏1月貿易収支(結果281億ユーロ黒字、前回143億ユーロ黒字)の黒字幅拡大、(6)ユーロ圏2月消費者物価指数(結果+2.6%、予想+2.6%)および、同コア指数(結果+3.1%、予想+3.1%)の予想通りの結果(市場予想を下回らなかったことに対する安堵感→早期利下げ観測後退)が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値1.0907まで上昇しました。

しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(7)米金利上昇に伴うドル買い圧力や、(8)中銀ウィークを控えたポジション調整、(9)ポルトガル中銀センテノ総裁による「ユーロ圏経済は停滞している」「金融状況が厳しすぎると収縮を引き起こす可能性がある」とのハト派的な発言が重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.0866まで反落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間3/19午前6時00分現在)では、1.0872前後で推移しております。

本日の見通し

昨日は重要イベント(中銀ウィーク)を控えた様子見ムードの影響で、アジア時・欧米時間を通して方向感に欠ける値動きとなりました。こうした中、本日は日銀金融政策決定会合と、その後の植田日銀総裁記者会見に注目が集まります。先週公表された春闘の第1回回答集計は平均賃上げ率が5.28%(33年ぶり高水準)を記録するなど、日銀が目標としている「賃金上昇を伴う形での2%物価目標達成」が視野に入ってきました。

この為、本日予定されている日銀金融政策決定会合では、既に様々なメディアより観測報道がなされている通り、「マイナス金利政策の解除」「イールド・カーブ・コントロールの撤廃」「ETF買い入れ停止」が決定される可能性が高いと考えられます。但し、ここまでは織り込み済みとなるため、市場の関心は、その後の利上げパス(フォワードガイダンス)が示されるか否かに移っています。

当方は、インフレ目標(2%)達成に向けて断続的な利上げの可能性を否定しない(追加利上げや量的縮小の可能性を否定しない)と見ていることから、ドル円相場の下落(予想以上にタカ派的な日銀のスタンス→円金利上昇→円独歩高→ドル円・クロス円下落の波及経路)をメインシナリオとして予想いたします(一方、予想に反して、将来の利上げパスが示されない場合は、失望感から150円を超えて大幅に円安が進む恐れあり)。

本日の予想レンジ:147.00ー150.50

注:ポイント要約は編集部

ドル円、重要イベントを控えて様子見ムードが継続。本日は日銀金融政策決定会合に注目

ドル円日足

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