東京市場のドルは149円台まで上昇、さすがに明日の日銀総裁記者会見までは様子見か
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、株高を材料にリスクオンのドル買いが先行、149円33銭まで上昇した。
先週末の海外時間では、米インフレが、米連邦準備制度理事会(FRB)の目標である2%を達成するには想定以上に時間がかかるとの見通しが意識されたことで、今週開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)でスタッフの年内の利下げ平均予想が2回に修正されるとの見方が強まり長期金利が上昇。ドル買いが優勢となった。
また、メディア報道で日本銀行が18−19日に開催される金融政策決定会合で「マイナス金利政策を解除」する見通しだが、同時に緩和的な金融環境維持し、ゼロ金利政策に移行することを想定していると報じられたため円買いは限定的となった。
東京時間は、日銀会合報道を受けて、日経平均が大幅反発となり、リスクオンのドル買いが先行、ドルは149円33銭と先週末の海外時間の高値を更新した。なお、朝方に発表された1月機械受注は前月比−1.7%と市場予想を下回る結果となったが、為替市場への影響は限定的となった。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:148円99銭
高値:149円33銭
安値:148円90銭
終値:149円11銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:162円20銭
高値:162円56銭
安値:162円08銭
終値:162円35銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:97円75銭
高値:98円00銭
安値:97円66銭
終値:97円92銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:189円72銭
高値:190円12銭
安値:189円62銭
終値:189円87銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:38960円99銭
高値:39769円11銭
安値:38935円47銭
終値:39740円44銭(前日比+1032円80銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
19時00分、欧、2月ユーロ圏CPI(確報)、前回:2.6%、市場予想;2.6%
19時00分、欧、1月ユーロ圏貿易収支(季節調整前)、前回:168億ユーロ
25時00分、欧、センテノ・ポルトガル中銀総裁が講演
29時00分、米、エヌビディアCEOがイベントで講演
日銀金融政策決定会合(19日まで開催)
9日からFRBブラックアウト期間入り(21日まで金融政策に関する発言自粛)
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析など】
日足ベースのドル・円は、一目均衡表の雲上限手前から反発しており、転換線や基準線が位置する148円60銭水準を上回った。切り上がっていく雲上限を先取りするような展開となっている。
先週末、さすがに日米中銀イベントを前に149円台の回復は難しい、とコメントしたところ、15日夜に「日銀会合ではマイナス金利の解除」を行うとの報道が流れ、ドルはあっさりと149円台に乗せ、本日の東京時間では、20日移動平均線が位置する149円35銭水準まで値を戻してしまった。
ここからのドル買い材料は、さすがに20日に発表されるFOMC声明、パウエルFRB議長の記者会見までは無いことから、ドル上昇は一服となりそうだが、何らかのFOMCの観測報道で150円台回復という状況は念のため頭に残しておきたい。
明日の日銀会合では、「マイナス金利の解除」「長短金利操作(YCC、イールドカーブ・コントロール)の終了」「上場投資信託(ETF)などリスク資産の買い入れの終了」が発表される見通しだ。加えて、段階的な利上げ実施は見送るといったハト派な声明、もしくは植田日銀総裁の発言が出るとの予想が濃厚である。
この「ハト派」発言が確認できれば、為替市場、株式市場で波乱は起きないだろう。市場はこの内容まで織り込んでいることから、日銀会合の結果や記者会見等で少しでも齟齬が垣間見られた場合、市場は乱高下するだろう。ここまで観測気球を上げてうまく市場をコントロールした日銀が、ここにきて「はしご」を外すことは無いはずだが、ゼロではない可能性を警戒する声はある。
このような可能性があるため、明日の15時30分スタートの植田日銀総裁の記者会見までは、ドルは149円台前半でのこう着相場を迎えると想定。今晩の上値メドは149円40銭、下値メドは148円80銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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