ドル円、148円アッパーでの上値の重さを再確認。本日は米小売売上高と米PPIに注目(3/14朝)

13日(水)のドル円相場は方向感に欠ける展開。

ドル円、148円アッパーでの上値の重さを再確認。本日は米小売売上高と米PPIに注目(3/14朝)

148円アッパーでの上値の重さを再確認。本日は米小売売上高と米PPIに注目

〇ドル円、欧州時間朝方に一時148.05まで上昇するも反落、147円台後半中心の方向感に欠ける動き
〇ユーロドル、欧州債利回り上昇、欧州株の上昇受け1.09台を堅調推移
〇ドル円148円台での上値の重さ再確認、テクニカルの地合い弱い
〇ファンダメンタルズも日米金利差縮小期待、日本企業の年度末に向けたレパトリ期待がドル円の重石
〇本日、米2月小売売上高、生産者物価指数に注目集まる
〇引き続き、ドル円相場の反落をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:146.75ー148.25

海外時間のレビュー

13日(水)のドル円相場は方向感に欠ける展開。(1)国内大手メディアによる「トヨタ自動車が2024年春闘の第4回労使協議会で組合の要求に満額で回答した」との報道や、(2)上記1を背景とした日銀によるマイナス金利の早期解除観測が重石となり、アジア時間朝方にかけて、安値147.24まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(3)日経平均株価の下落幅縮小や、(4)岸田首相による「日本経済はデフレ脱却には至っていない」との慎重な発言、(5)米金利上昇に伴うドル買い圧力が支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、高値148.05まで反発しました。もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、引けにかけて反落し、本稿執筆時点(日本時間3/14午前6時00分現在)では、147.75前後で推移しております。

13日(水)のユーロドル相場は底堅い動き。(1)ドイツ2月生産者物価指数(結果▲3.0%、予想▲2.7%)の伸び率鈍化や、(2)ラトビア中銀カザークス総裁による「利下げをあまり遅らせる必要はない」とのハト派的な発言、(3)フランス中銀ビルロワドガロ総裁による「インフレに対する勝利が視野に入っている」「おそらく4月から6月会合までの間に利下げを開始する」とのハト派的な発言、(4)ユーロ圏1月鉱工業生産(結果▲6.7%、予想▲3.0%)の市場予想を下回る結果が重石となり、欧州時間朝方にかけて、安値1.0920まで軟化しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(5)欧州債利回り上昇に伴うユーロ買い圧力や、(6)欧州株の堅調推移が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値1.0964まで反発しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間3/14午前6時00分現在)では、1.0950前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円はまたしても148円台を維持することが出来ませんでした。148円アッパーでの上値の重さが再確認されたことや、日足ローソク足が主要テクニカルポイントの下側に位置していること、短期トレンドラインがアップサイドより急ピッチに垂れ下がってきていること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは弱い(上値余地は乏しい)と判断できます。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)日銀によるマイナス金利の早期解除の思惑(昨日の春闘集中回答で満額回答が相次ぐ結果→2024年の賃上げ率が昨年を上回る見通し→来週3/18ー3/19に開催される日銀金融政策決定会合でのマイナス金利解除観測再浮上)や、(2)米FRBによる利下げ開始時期の前倒し観測(6/12に開催されるFOMCでの25bp利下げ観測→今年は米大統領選の年でもあるため、政治的に利下げ圧力が高まり易い→事実、バイデン大統領は先日の東部ペンシルベニア州での演説で「FRBが利下げに踏み切ることは間違いない」と異例の発言)、(3)上記1、2を背景とした日米金融政策の方向性の違い(日米金利差縮小に伴う円キャリートレードの巻き戻しリスク)、(4)本邦年度末に絡む日系企業のレパトリ観測など、ドル円相場の下落を連想させる材料が揃っています。

こうした中、本日は上記2を見極める目的で、日本時間21:30に発表される米2月小売売上高と米2月生産者物価指数に注目が集まります。米2月小売売上高が市場予想を下回る場合や、米2月生産者物価指数の伸び率鈍化が示される場合には、米FRBによる早期利下げ観測が台頭し、米金利低下→米ドル売りの経路でドル円に強い下押し圧力が加わるシナリオも想定されるため、当方では引き続き、ドル円相場の反落をメインシナリオとして予想いたします。

本日の予想レンジ:146.75ー148.25


注:ポイント要約は編集部

148円アッパーでの上値の重さを再確認。本日は米小売売上高と米PPIに注目

ドル円日足

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