ドル円、下落後に持ち直すも戻りは鈍い。日銀による政策修正観測が重石。本日は米CPIに注目(3/12朝)

週明け11日(月)のドル円相場は下落後に持ち直す展開。

ドル円、下落後に持ち直すも戻りは鈍い。日銀による政策修正観測が重石。本日は米CPIに注目(3/12朝)

下落後に持ち直すも戻りは鈍い。日銀による政策修正観測が重石。本日は米CPIに注目

〇ドル円、日経平均暴落、米金利低下等に欧州朝方146.49まで下落
〇売り一巡後は米長期金利の反発、イベント前のポジション調整に147円台を一時回復
〇ユーロドル1.09台前半で上値の重い展開
〇ドル円、主要テクニカルポイントの下で推移、短時間足で強い売りシグナルも出て地合い弱い
〇ファンダメンタルズも日米金利差縮小期待、日本企業の年度末に向けたレパトリ期待がドル円の重石
〇本日、日本時間21:30発表の米2月消費者物価指数に注目集まる
〇ドル売り・円買いトレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:146.00ー147.75

海外時間のレビュー

週明け11日(月)のドル円相場は下落後に持ち直す展開。(1)日銀によるマイナス金利の早期解除観測や、(2)経団連十倉会長による「昨年以上の賃金引き上げのモメンタムを感じる」とのタカ派的な発言、(3)円金利上昇に伴う円買い圧力(本邦10年債利回りが2/14以来の高水準となる0.76%へ上昇)、(4)日経平均株価の大暴落(前営業日比▲1192円の大幅下落→リスク回避の円買い圧力)、(5)米金利低下に伴うドル売り圧力(バイデン米大統領は東部ペンシルベニア州での演説にて「FRBが利下げに踏み切ることは間違いない」と異例の発言)が重石となり、欧州時間朝方にかけて、安値146.49まで下落しました。

しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(6)前週末金曜日に記録した安値146.48を背にした押し目買い圧力(急ピッチな下落に対する反動買い)や、(7)米金利上昇に伴うドル買い圧力(サマーズ元財務長官は「米FRBは中立金利の水準を大きく見誤っている」「結局年内に政策金利を引き下げない可能性が高まっている」と発言)、(8)重要イベントを控えたポジション調整が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値147.16まで反発しました。米国時間午後にかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間3/12午前2時05分現在)では、146.88前後で推移しております。

尚、昨日公表された米ニューヨーク連銀の2月期待インフレ率は、1年先が3%と前月比横ばい、3年先は前月の2.4%から2.7%へ上昇、5年先は前月の2.5%から2.9%へ上昇しましたが、ドル買いでの反応は限定的となりました。

週明け11日(月)のユーロドル相場は上値の重い展開。欧州時間朝方にかけて、高値1.0949まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)急ピッチな上昇に対する反動売り(心理的節目1.1000を背にした戻り売り圧力)や、(2)欧州株の冴えない動き、(3)米金利上昇に伴うドル買い圧力が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値1.0914まで反落しました。米国時間午後にかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間3/12午前2時05分現在)では、1.0927前後で推移しております。尚、昨日はスロバキア中銀カジミール総裁より「現時点での利下げは時期尚早」「利下げへの自信は6月にしか出てこない」との発言が見られましたが、市場の反応は限られました。

本日の見通し

ドル円は急ピッチな下落の反動で幾分持ち直す動きとなりましたが、日足ローソク足が主要テクニカルポイント(21日線、50日線、90日線、一目均衡表転換線、基準線、ボリンジャーミッドバンド)の下側に位置していることや、4時間足で強い売りシグナル(21本線と200本線のデッドクロス+一目均衡表三役逆転)が点灯していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは弱い(一巡後の反落リスクに要警戒)と判断できます。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)日銀によるマイナス金利の早期解除観測(来週3/18ー3/19の日程で開催される日銀金融政策決定会合でマイナス金利の解除がなされるとの思惑。今週は春闘交渉の集中回答日が3/13に発表される他、第1回集計も3/15に公表されるため、日銀の政策修正観測が高まり易い)や、(2)米FRBによる利下げ開始時期の前倒し観測、(3)上記1、2を背景とした日米金利差縮小期待(円キャリートレードの巻き戻しリスク)、(4)日本企業の年度末に向けたレパトリ期待など、ドル円相場の下落を連想させる材料が揃っています。

こうした中、本日は上記2を見極める目的で、日本時間21:30に発表される米2月消費者物価指数に注目が集まります(※米国は3/10に以って夏時間入りしているため米経済指標の発表時間は今週より1時間前倒し)。米CPIが市場予想を下回る場合には、米国のインフレ沈静化期待→米早期利下げ観測台頭→米金利急低下→米ドル売りの経路で、ドル円に強い下押し圧力が加わるシナリオが想定されるため、当方では引き続き、ドル売り・円買いトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします(146.20近辺に位置する200日移動平均線の下抜けを試すシナリオを想定)。尚、本日は上記以外にも米10年債入札(02:00)や、米2月財政収支(03:00)が予定されています。

本日の予想レンジ:146.00ー147.75

下落後に持ち直すも戻りは鈍い。日銀による政策修正観測が重石。本日は米CPIに注目

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る