ドルは146円台で推移、米CPI、春闘集中回答日を控え積極的なドル売りは手控えか
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、昨年10-12月期実質国内総生産(GDP)改定値発表後、やや円買い優勢となり一時146円54銭までドルは下落した。
先週末の海外時間では、米2月雇用統計が労働市場のひっ迫緩和を示したことで、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ観測が一段と強まった。また、日銀の3月マイナス金利解除観測も強まり、日米金利差縮小観測に、円買い及びドル売りに拍車がかかり、146円49銭までドルは下落した。
東京時間では、朝方に発表された昨年10-12月期の実質国内総生産(GDP)改定値が前期比年率換算で0.4%増と市場予想には届かなかったものの、プラス成長となったことで日銀の金融政策正常化への追い風になるとの見方が強まったことから円買いが再燃。146円54銭と、昨晩の海外時間のドルの安値に迫る場面がみられた。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:147円03銭
高値:147円09銭
安値:146円54銭
終値:146円98銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:160円84銭
高値:160円91銭
安値:160円38銭
終値:160円81銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:97円37銭
高値:97円37銭
安値:97円06銭
終値:97円20銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:188円94銭
高値:189円00銭
安値:188円46銭
終値:188円86銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:39232円14銭
高値:39241円28銭
安値:38496円66銭
終値:38820円49銭(前日比−868円45銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
26時00分、英、マン英中銀委員がイベントに参加
9日からFRBブラックアウト期間入り(21日まで金融政策に関する発言自粛)
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析など】
日足ベースのドル・円は、一目均衡表の転換線、基準線を相次いで下抜けており、100日移動平均線水準も一気に下回った。雲上限や200日移動平均線が位置する146円10銭-20銭の水準より上で下げ止まっている。短期的には、これらの水準まで下落する余地はありそうだが、6日頃から続いたドル売り・円買いはそろそろ一巡か。ドル・インデックスも102.3と1月中旬の水準まで下落した後は下げ渋っている。
今晩の海外時間では目立った経済指標が予定されていないほか、9日からFRBのブラックアウト期間入りしていることで要人発言もない。さすがに、明日12日の2月米消費者物価指数(CPI)発表を前に、本日は積極的な売買は手控えられ、ドル買戻しで147円台前半までは値を戻しそうな雰囲気だ。
市場は3月18-19日の日銀金融政策決定会合で「金融政策の正常化」に踏み出すとの思惑が高まっているが、まずは13日の春闘集中回答日の結果内容の見極めが必要だ。「一発回答」「満額回答」が多く聞かれるなか、3回の労使協議で回答を見送ったトヨタの結論に注目が集まるだろう。さすがに日本株式会社の象徴であるトヨタがはしごを外すことは無いと思うが、ここまで回答が遅れた背景を勘繰りたくなる市場関係者は少なくないだろう。
12日の米CPIや13日の春闘集中回答日が意識されて、今晩から明日の東京時間にかけては、為替市場が落ち着きを取り戻すだろう。今晩の海外時間は、いったんはドル買戻しが先行する展開を想定。上値メドは147円50銭、下値メドは146円60銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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