米ISM非製造業の不冴な結果を受けて再び下落。本日はパウエル議長の議会証言に注目
〇ドル円、ISM非製造業景況指数、製造業受注、耐久財受注等の米指標の不冴えに一時149.71まで下落
〇ユーロドル、1.08台半ばでの方向感に欠ける動き続く
〇ドル円、ダウンサイドに複数のサポート並びテクニカルの地合い強い
〇ファンダメンタルズも日米金利差に着目したキャリートレード継続期待がサポート
〇本日、パウエルFRB議長による半期に一度の議会証言(下院金融委員会)に注目
〇本日の予想レンジ:149.25ー150.75
海外時間のレビュー
5日(火)のドル円相場は上値の重い展開。(1)鈴木財務相による「デフレ脱却宣言を検討している事実はない」との発言(前日の報道の火消し発言)や、(2)上記1を背景とした円金利の急低下が支援材料となり、日本時間午後にかけて、高値150.63まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(3)米2月ISM非製造業景況指数(結果52.6、予想53.0)の市場予想を下回る結果や、(4)米1月製造業受注指数(結果▲3.6%、予想▲2.9%)の市場予想を下回る結果、(5)米1月耐久財受注(結果▲6.2%、予想▲6.1%)の市場予想を下回る結果、(6)米金利低下に伴うドル売り圧力、(7)株式市場の冴えない動き(リスク回避の円買い圧力)が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値149.71まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間3/6午前6時10分現在)では、149.98前後で推移しております。尚、昨日発表された本邦の2月東京区部コアCPI(結果+2.5%、予想+2.5%)および、同コアコアCPI(結果+3.1%、予想+3.1%)は共に市場予想通りの結果となりました。
5日(火)のユーロドル相場は方向感に欠ける展開。(1)ユーロ圏1月生産者物価指数(結果▲8.6%、予想▲8.1%)の市場予想を下回る結果や、(2)欧州債利回り低下に伴うユーロ売り圧力が重石となる中、米国時間朝方にかけて、安値1.0841まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(3)米経済指標の冴えない結果や、(4)米金利低下に伴うドル売り圧力、(5)ECB理事会を控えたポジション調整が支援材料となり、日本時間24時過ぎに、高値1.0877まで反発しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間3/6午前6時10分現在)では、1.0857前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は米経済指標の不冴な結果を受けて再び150円アンダーを試す動きとなりました。但し、ダウンサイドに複数のサポートポイントが並んでいることや、強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」「強気のパーフェクトオーダー」「ダウ理論の上昇トレンド」が成立していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、下値余地は乏しいと判断できます。また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)日銀による金融緩和の長期化期待や、(2)米FRBによる利下げ開始時期の後ずれ期待、(3)上記1、2を背景とした円キャリートレードの継続期待(日米金利差に着目したドル買い・円売り)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。
こうした中、本日は上記2を見極める目的で、パウエルFRB議長による半期に一度の議会証言(下院金融委員会)に注目が集まります。パウエルFRB議長よりタカ派的な発言(市場で燻る早期利下げ観測を牽制する発言→利下げを急がない姿勢の強調)が見られる場合には、現在58.9%程度織り込まれている6/12FOMCでの25bp利下げ観測が後退し、米金利上昇→米ドル買いの経路で、ドル円に強い上昇圧力が加わるシナリオが想定されるため、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は議会証言以外にも、週末の米雇用統計の前哨戦となる米2月ADP雇用統計や、米1月JOLT雇用動態調査、サンフランシスコ連銀デーリー総裁講演、米地区連銀経済報告(ベージュブック)等が予定されております。
本日の予想レンジ:149.25ー150.75
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.04.27
来週の為替相場見通し:『ドル円は157円台後半へと急上昇。来週は米FOMCがメインイベント』(4/27朝)
ドル円(USDJPY)は昨年12/28に記録した安値140.25をボトムに切り返すと、今週末にかけて、約34年ぶり高値となる157.79(1990年5月以来の高値圏)まで急伸しました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.04.26
東京市場のドルは156円台乗せ、海外時間では157円台乗せを試す展開に(24/4/26)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日銀会合の結果が、想定線で「タカ派」な内容が確認できなかったことで円安が加速し、156円台に突入した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.04.26
ドル円 日銀会合経て円安加速、介入催促相場の様相(4/26夕)
東京市場はドルが続伸し156円台。しかし、市場で関心を集めている円買い介入は依然として観測されていない。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:上村 和弘
2024.03.06
ドル円見通し 米ISMサービス業景況指数悪化で150円を割り込む(24/3/6)
ドル円は、3月5日夜は米長期債利回り低下を見て150円を割り込み、深夜の米2月ISMサービス業景況指数の悪化により149.69円まで安値を切り下げた。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.03.05
東京市場のドルは150円50銭水準でもみ合い、リスク選好で151円台乗せを試すか(24/3/5)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、様子見ムードが強まり150円50銭前後での小動きとなった。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。