ドル円、日米金利差に着目したドル買い・円売りが継続。本日は米PCEデフレータに注目(2/29朝)

28日(水)のドル円相場は底堅い動き。

ドル円、日米金利差に着目したドル買い・円売りが継続。本日は米PCEデフレータに注目(2/29朝)

ドル円、日米金利差に着目したドル買い・円売りが継続。本日は米PCEデフレータに注目

〇ドル円、米4QコアPCE改定値の上方修正に、米国時間朝方にかけ一時150.85まで上昇
〇ユーロドル、ECB関係者のタカ派発言、欧州株堅調等に1.08台前半で底堅い
〇ドル円、テクニカルの地合い強く、ファンダメンタルズもドル円の上昇材料揃う
〇本日、今週のメインイベントとして注目される米1月PCEデフレータ(22:30)に注目集まる
〇他にも重要イベント目白押しとなるため、ボラティリティの急拡大に注意が必要
〇本日の予想レンジ:150.00ー152.00

海外時間のレビュー

28日(水)のドル円相場は底堅い動き。アジア時間朝方にかけて、安値150.38まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)日経平均株価の堅調推移(リスク選好の円売り圧力)や、(2)日米金利差に着目した構造的なドル買い・円売り、(3)清水日銀理事による「2%の物価安定目標の達成見通しについて現時点ではまだ十分な確度は持っていない」との慎重な発言、(4)米10ー12月期コアPCE改定値(結果+2.1%、予想+2.0%)の市場予想を上回る結果が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値150.85まで上昇しました。

しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(5)2/13に記録した年初来高値150.88を背にした戻り売り圧力や、(6)米金利低下に伴うドル売り圧力が重石となり、本稿執筆時点(日本時間2/29午前5時00分現在)では、150.70前後まで小反落する動きとなっております。尚、昨日発表された米10ー12月期実質GDP改定値(結果+3.2%、予想+3.3%)は市場予想を下回る結果となりましたが、ドル売りでの反応は限定的となりました。また、昨日はボストン連銀コリンズ総裁による「年後半に緩和政策を開始することが適切になる可能性が高い」との発言や、アトランタ連銀ボスティック総裁による「今夏にも最初の利下げが行われると予想」との発言、ニューヨーク連銀ウィリアムズ総裁による「今年後半の利下げを検討可能」との発言が見られましたが、市場参加者の反応は限られました。

28日(水)のユーロドル相場は底堅い動き。欧州時間朝方にかけて、安値1.0796まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)スロバキア中銀カジミール総裁による「最初の利下げ開始は6月を支持」「利下げ急ぐ理由ない」との市場でくすぶる早期利下げ観測を牽制する発言や、(2)欧州株の堅調推移(ドイツ株が史上最高値更新)、(3)米金利低下に伴うドル売り圧力が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値1.0846まで反発しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間2/29午前5時00分現在)では、1.0835前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は年初来高値圏(2/13高値150.88付近)での底堅い動きが続いています。昨日は高値150.85で頭打ちとなるなど、あと一歩のところで失速しましたが、日足ローソク足が主要テクニカルポイントの上側に位置していること(ダウンサイドに無数の押し目買いポイントが並んでいること)や、強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」「強気のパーフェクトオーダー」「ダウ理論の上昇トレンド」が成立していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、年初来高値突破は時間の問題と考えられます。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)日銀による金融緩和の長期化観測(予想外の本邦CPI上振れで早期マイナス金利解除観測が再燃するも、植田日銀総裁や内田日銀副総裁、清水日銀理事はマイナス金利解除後も金融緩和を続ける方向性を示唆→つまりマイナス金利解除後も円金利が低位に抑えられる可能性大)や、(2)米FRBによる利下げ開始時期の後ずれ観測(昨日は複数の米当局者より年後半以降の利下げ着手を滲ませる発言あり→米金利に当面上昇圧力が加わる可能性大)、(3)上記1、2を背景とした円キャリートレードの継続期待(日米金利差に着目したドル買い・円売り安心感)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。

こうした中、本日は上記2を見極める目的で、今週のメインイベントとして注目されている米1月PCEデフレータ(22:30)に注目が集まります。市場予想を上回る結果が示されれば、米利下げ開始時期の更なる後ずれ観測→米金利上昇→米ドル買いの経路で、ドル円に強い上昇圧力が加わるシナリオが想定されるため、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続(年初来高値150.88を突破し、昨年高値151.91を試すシナリオ)をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日はPCEデフレータ以外にも、米新規失業保険申請件数や、米2月シカゴ購買部協会景気指数、米1月中古住宅販売成約指数、米2月カンザスシティ連銀製造業活動指数、アトランタ連銀ボスティック総裁講演(投票権あり)、シカゴ連銀グールズビー総裁講演(投票権なし)、クリーブランド連銀メスター総裁講演(投票権あり)など、重要イベントが目白押しとなるため、ボラティリティの急拡大に注意が必要でしょう。

本日の予想レンジ:150.00ー152.00

注:ポイント要約は編集部

ドル円、日米金利差に着目したドル買い・円売りが継続。本日は米PCEデフレータに注目

ドル円日足

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