ドル円見通し 米国市場休場で小動き、2月14日早朝高値を起点とした三角持ち合い
○ドル円、2/19は米国市場休場、欧州も主要経済指標の発表なく手掛かりに欠ける展開
○2/19午前149.86へ下げた後150円挟みの揉み合い、2/20未明150.19へ戻し、午前序盤150.20台へ上昇
○ユーロ・ボンド・豪ドルは対ドルで上昇し、米CPIとPPIを通過してのドル高が一巡
○ドル円は高値ラインが切り下がる一方安値は徐々に底上げ、60分足レベルでは三角持ち合いの様相
○149.86を上回るうちは上昇余地ありとし、150.64超えからは150.88及び151.00を試す上昇を想定する
○149.86割れからは下落期入りと仮定して149.55、149.26、148.90を順次試して行く下落を想定する
【概況】
2月19日は米国市場が休場、欧州も主要経済指標の発表はなく手掛かりに欠けた。
ドル円は2月13日夜の米CPI上昇率が予想を上回ったことをきっかけとして14日早朝高値150.88円へ急伸して昨年12月28日安値140.24円以降の高値を更新したが、2月16日夜の米PPIが予想を上回り再上昇気配を見せたことに対する反応は鈍く、発表後の上昇では150.64円に留まって14日早朝高値には届かなかった。
2月19日の日中は午前に149.86円まで下げたところを買われつつ150円を挟んだ揉み合いで推移し、20日未明に150.19円まで戻した後も150円台序盤を維持していたが、20日午前序盤に150.20円台へ上昇している。
【米国の早期利下げ期待後退によるドル高が一巡】
ユーロドルは19日夕刻に1.07892ドルを付けて13日夜の米CPI発表から急落する直前高値1.07945ドルに迫り下落幅をほぼ解消、ポンドドルも13日夜からの下げ幅に対して半値以上を解消、豪ドル米ドルは19日午前に0.65506ドルを付けて13日夜高値0.65329ドルを超えて急落幅を解消しており、米CPIとPPIを通過してのドル高はすでに一巡している。
米国の早期利下げ期待は大幅に後退して5月利下げの期待度も5割以下だが、昨年12月FOMCで示された2024年内3回利下げ想定そのものは変わらず、FRBとしても利下げを躊躇することによる景気への悪影響リスクを意識して早晩利下げを決定するだろうと市場は受け止めている。
ドル円としてはドル高一巡感に加え、日銀によるマイナス金利解除へ向けた動きを意識せざるを得ないため、151円手前では売り圧力も大きく、仮に151円を超えたとしても2022年10月21日高値151.94円と2023年11月13日高値151.90円によるダブル天井ラインを超えてゆくには力不足ではないかと思われる。
2月20日深夜にコンファレンスボードの米1月景気先行指数の発表がある。事前予想では前月比が12月の-0.1%から-0.3%へ悪化すると見込まれているが、2023年1月以降は前月比マイナスが続いており、連休明け最初の米経済指標発表のため市場の反応もやや過敏となる可能性がある。
2月21日にはFOMC議事録(1月30日-31日開催分)の公開があり、利下げへのけん制姿勢については織り込み済で反応は薄いと思われるが、利下げ準備期として多少躊躇しているもののいずれは利下げに踏み込むとの見方が示されればドル安反応を招きやすいのではないかと思われる。
【2月20日午前序盤の米10年債利回りは上昇気配】
米国市場の2月19日は休場だったが、時間外取引における米10年債利回りの2月19日は4.30%から4.29%で高止まりし、20日午前序盤は4.28%へ下げてから上昇に転じて4.328%をつけて2月14日に付けた4.332%に迫っている。
昨年10月23日に付けた5.02%をピークとして早期利下げ期待から大幅低下に入り、昨年12月27日には3.78%をつけたが、その後は早期利下げ期待後退により上昇している。4.30%台を超えてくれば上昇がさらに勢い付く可能性もあるが、6月には利下げ開始との見方を踏まえれば上昇もいずれ行き詰まるのではないかと考える。
ドル円としては米長期債利回りの上昇基調が続くうちは下げづらいものの、上昇一巡で低下再開に入るようだと昨年末からの上昇一巡による下落期入りへ向かうことも警戒しておきたい。
【60分足レベルでは三角持ち合いの様相】
ドル円は2月14日早朝高値150.88円から2月16日夜高値150.64円へと高値ラインが切り下がる一方、2月13日夜の米CPI発表前安値149.26円から15日夜安値149.55円、19日午前安値149.86円と徐々に底上げしており、60分足レベルで見ればレンジ縮小型の三角持ち合いの様相となっている。
持ち合いは持ち合い放れに付け、というのが鉄則とされるため、2月16日夜高値150.64円を超える場合は持ち合い上放れとして2月14日早朝高値への挑戦へ進み、高値更新からは151円台後半を目指す可能性が開けるが、2月16日高値を超えずに2月19日午前安値を割り込む場合は持ち合い下放れに入り、2月15日夜安値149.55円割れからは下落継続感が優勢となって149円台を維持できるかどうか試す流れへ進みやすくなると思われる。
【60分足、サイクル・一目均衡表分析】
ドル円は2月12日夜安値を起点として米CPI発表を通過して14日早朝高値150.88円へ急伸した後は三角持ち合いの様相で調整期にある。2月16日高値を超えないうちは2月16日夜高値を起点とした下落期が継続する可能性ありとし、2月19日午前安値を割り込む場合は2月20日夜から22日夜にかけての間への下落を想定するが、2月16日夜高値を超える場合は2月15日夜安値を起点とした上昇期と考えて20日の日中から21日午前にかけての間への上昇を想定し、高値形成期がさらに伸びる可能性にも注意する。
60分足の一目均衡表では、2月20日午前序盤の上昇で遅行スパンが好転しつつあり、先行スパンも上抜きつつある。先行スパンを上回るうちは上昇継続の可能性ありとして遅行スパン好転中の高値試し優先とするが、2月19日午前安値を割り込むところからは一段安へ進むとみて遅行スパン悪化中の安値試し優先へ切り替える。
60分足の相対力指数は2月19日午前の40ポイント割れから持ち直して20日午前には60ポイントを超えつつあるため、50ポイント以上での推移中は70ポイントを目指す上昇を想定するが、50ポイント割れからは下落再開を警戒し、45ポイント割れからは下落期入りとして30ポイント前後への低下へ向かうとみる。
以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、2月19日午前安値149.86円を下値支持線、2月16日夜高値150.64円を上値抵抗線とする。
(2)149.86円を上回るうちは上昇余地ありとし、150.64円超えからは2月14日早朝高値150.88円及び151.00円を試す上昇を想定する。151円前後は反落警戒とし、その後に150.50円を割り込む場合は下落再開を疑うが、150.50円を上回っての推移なら21日も高値試しを続けやすいとみる。
(3)149.86円割れからは下落期入りと仮定して2月15日夜安値149.55円、2月13日夜安値149.26円、2月12日夜安値148.90円を順次試して行く下落を想定する。149円台前半ではいったん買われやすいとみるが、149.86円を割り込んでの推移なら21日も安値試しへ向かいやすいとみる。
【当面の予定】
2/20(火)
中国人民銀行、最優遇貸出金利(LPR)発表予定
18:00 (欧) 12月 経常収支・季調済 (11月 246億ユーロ)
19:00 (欧) 12月 建設支出 前月比 (11月 -1.0%)
19:00 (欧) 12月 建設支出 前年同月比 (11月 -2.2%)
24:00 (米) 1月 コンファレンスボード景気先行指数 前月比 (12月 -0.1%、予想 -0.3%)
2/21(水)
06:45 (NZ) 10-12月期 PPI(生産者物価指数) 前期比 (7-9月 0.8%)
08:50 (日) 1月 通関貿易収支・季調前 (12月 621億円、予想 -1兆9259億円)
08:50 (日) 1月 通関貿易収支・季調済 (12月 -4127億円、予想 -2307億円)
09:30 (豪) 10-12月期 賃金指数 前期比 (7-9月 1.3%、予想 0.9%)
22:00 (米) ボスティック・アトランタ連銀総裁、会合挨拶
24:00 (欧) 2月 消費者信頼感・速報値 (1月 -16.1、予想 -15.8)
25:30 (米) 財務省2年変動利付債入札
27:00 (米) 財務省20年債入札
28:00 (米) FOMC議事録(1月30日-31日開催分)
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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