ドル円、米小売売上高の冴えない結果を受けて急落するもすぐに持ち直す展開(2/16朝)

15日(木)のドル円相場は下落後に持ち直す展開。

ドル円、米小売売上高の冴えない結果を受けて急落するもすぐに持ち直す展開(2/16朝)

ドル円、米小売売上高の冴えない結果を受けて急落するもすぐに持ち直す展開

〇ドル円、米1月小売売上高の不冴えと米金利低下に、米国時間に149.54まで急落
〇売り一巡後は、NY連銀景況指数等他の米指標の好調に150円前後まで持ち直す動き
〇ユーロドル、ECB関係者のタカ派発言、米金利低下に1.07台後半に上昇
〇ドル円主要テクニカルポイントの上で推移、上位足から下位足まで買いシグナルも継続、地合い強い
〇ファンダメンタルズも日米金融政策の方向性の違いと、円キャリートレードの継続期待がサポート
〇引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:149.25ー150.75

海外時間のレビュー

15日(木)のドル円相場は下落後に持ち直す展開。アジア時間朝方にかけて、高値150.63まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)急ピッチな上昇に伴う反動売り(利食い売り)や、(2)政府・日銀による為替介入警戒感、(3)米1月小売売上高(結果▲0.8%、予想▲0.2%)および、米1月小売売上高・除自動車(結果▲0.6%、予想+0.2%)の市場予想を下回る結果、(4)米金利低下に伴うドル売り圧力が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値149.54まで急落しました。

しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(5)米新規失業保険申請件数(結果21.2万件、予想22.0万件)の良好な結果や、(6)米1月輸出物価指数(結果+0.8%、予想▲0.1%)および、米1月輸入物価指数(結果+0.8%、予想±0.0%)の市場予想を上回る結果、(7)米2月フィラデルフィア連銀製造業景況指数(結果+5.2、予想▲8.1)の力強い結果、(8)米2月ニューヨーク連銀製造業景況指数(結果▲2.4、予想▲12.5)の良好な結果、(9)米2月NAHB住宅市場指数(結果48、予想46)の市場予想を上回る結果が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間2/16午前6時00分現在)では、150.00前後まで持ち直す動きとなっております。

15日(木)のユーロドル相場は安値圏から持ち直す展開。アジア時間午後にかけて、安値1.0724まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)ラガルドECB総裁による「インフレ率が2%へ向かっている証拠はまだ不十分」「早急な決断は避けたい」との早期利下げに慎重な発言や、(2)ドイツ連銀ナーゲル総裁による「早過ぎる利下げは遅過ぎる利下げより悪いことを歴史が示唆」との早期利下げに慎重な発言、(3)米1月小売売上高の市場予想を下回る結果、(4)米金利低下に伴うドル売り圧力が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値1.0785まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(5)米長期金利の低下幅縮小や、(6)欧州委員会による2024年のユーロ圏GDP予測(結果+0.8%、前回1.2%)および、2024年のユーロ圏インフレ予測(結果+2.7%、前回+3.2%)の下方修正、(7)マルタ中銀シクルーナ総裁による「インフレ率が低下すれば3月利下げもあり得る」とのハト派的な発言が重石となり、本稿執筆時点(日本時間2/16午前6時00分現在)では、1.0770前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は一時149.54まで急落するもすぐに150円台に回復する力強い動きとなりました(下値の堅さを再確認)。日足ローソク足が全てのテクニカルポイント(21日線、50日線、90日線、200日線、ボリンジャーミッドバンド、一目均衡表転換線、基準線、雲上限)の上側に位置していることや、強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」「強気のパーフェクトオーダー」「ダウ理論の上昇トレンド」が成立していること、上位足のみならず下位足でも強い買いシグナルが点灯していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは「極めて強い」と判断できます。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)日銀による金融緩和の長期化期待(植田日銀総裁や内田日銀副総裁による先週のハト派発言に加えて、昨日発表された本邦10ー12月期実質GDP速報値も前期比マイナスに転じる冴えない結果→日銀による早期マイナス金利脱却観測が後退→円金利に低下圧力)や、(2)米FRBによる利下げ開始時期の後ずれ観測(今週前半に発表された米CPIが市場予想を上回ったことで、米FRBによる早期利下げ観測が大幅に後退→米金利に上昇圧力)、(3)上記1、2を背景とした日米金融政策の方向性の違いとそれに伴う円キャリートレードの継続期待など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。

本日予定されている一連の米経済指標(米1月生産者物価指数、米1月住宅着工件数、米1月建設許可件数、米2月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値)が市場予想を上回る場合や、サンフランシスコ連銀デーリー総裁よりタカ派的な発言が見られる場合には、米金利上昇→米ドル買いの経路で、ドル円にもう一段強い上昇圧力が加わるシナリオが想定されるため、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします。尚、現在ドル円が位置する150.00ー152.00ゾーンは政府・当局による円安牽制トーンが一段と強くなる警戒エリアであるものの、足元の動きは投機的なものではなく、日米金利差という王道的なファンダメンタルズに沿った動きであるため、実弾介入に踏み切ることは容易でない(他国の理解を得ることが難しい)と考えられます。このため、政府・当局による円安牽制でドル円が押し下げられる局面は絶好の買い場となりそうです。

本日の予想レンジ:149.25ー150.75

注:ポイント要約は編集部

ドル円、米小売売上高の冴えない結果を受けて急落するもすぐに持ち直す展開

ドル円日足

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