東京市場のドルは150円台前半でのもみ合い、米経済指標次第では150円台割れも
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、上値の重い展開が続き150円台前半でのもみ合いとなった。
昨晩の海外時間では、12月の生産者物価指数(PPI)の下方修正が発表されたほか、グールズビー・シカゴ連銀総裁が「インフレデータが若干高くなる可能性もあるが、2%目標達成軌道に変わりはない」との考えを確認すると利下げ観測が再燃。米10年債利回りが4.2%台まで低下したことから、ドル買いは限定的となった。
東京時間では、日本株が引き続き強く日経平均は34年ぶりの高値を更新し38000円台で取引を終えたが、為替市場への影響は限定的となった。朝方、内閣府が15日に発表した2023年10−12月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除いた実質の季節調整値が前期比0.1%減、年率換算では0.4%減となった。
個人消費と設備投資を中心に内需が軒並み落ち込んだことから、2四半期連続のマイナス成長となったが、為替市場への影響は限定的となった。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:150円51銭
高値:150円57銭
安値:150円08銭
終値:150円18銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:161円46銭
高値:161円59銭
安値:161円02銭
終値:161円13銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:97円71銭
高値:97円85銭
安値:97円33銭
終値:97円44銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:189円09銭
高値:189円23銭
安値:188円61銭
終値:188円70銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:38017円83銭
高値:38188円74銭
安値:37935円36銭
終値:38157円94銭(前日比+454円62銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
17時00分、欧、ラガルドECB総裁が欧州議会経済通貨委員会に出席
17時30分、欧、デコス・スペイン中銀総裁が講演
19時00分、欧、ユーロ圏貿易収支、前回:203億ユーロ
21時00分、欧、レーンECBチーフエコノミストが講演
22時30分、米、週次新規失業保険申請件数、前回:187.1万件
22時30分、米、2月ニューヨーク連銀製造業景気指数、前回:−43.7、市場予想:−10.0
22時30分、米、1月小売売上高(前月比)、前回:0.6%、市場予想:0.1%
22時30分、米、1月小売売上高(コア)(前月比)、前回:0.45、市場予想:0.3%
22時30分、米、2月フィラデルフィア連銀景況指数、前回:−10.6、市場予想:−9.0
23時15分、米、1月鉱工業生産指数(前月比)、前回:0.1%、市場予想:0.5%
27時00分、欧、ナーゲル独連銀総裁が講演
27時15分、米、ウォラーFRB理事が講演
中国市場は春節大型連休入り(16日まで休場、19日から取引再開)
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析】
日足ベースのドル・円は、雲上限を明確に上放れている。遅行スパンも雲を上抜けたほか、基準線が100日移動平均線を上抜くなどトレンドは非常に強い。昨年11月以来の151円台を射程に捉えた格好だが、この水準より上は、政府・日銀による為替介入警戒が一気に高まることから上値は重い。トレンドは強いが、為替水準が強く意識されて上げ一服といったところだ。
一気に151円台奪還という強いドル買いは一服しており、今晩の米小売売上高や各連銀の景況指数の内容次第では、150円台割れも見られそうな地合いとなっている。時間外の米10年債利回りも4.2%台半ばで推移しており、こちらも上昇一服。昨晩のバーFRB副議長やグールズビー・シカゴ連銀総裁の発言が、先走る市場を落ち着かせた格好となっている。
本日は、神田財務官および鈴木財務相による口先介入が伝わっていないことから、「151円手前」「急激な円安進行時(一カ月で10円)」が、積極的な口先介入実施のベンチマークと考える。
今晩の海外時間では、重要な米国経済指標の発表やFRB高官の講演などが控えていることから「早期利下げ観測の後退→米10年債利回り4.3%台より上昇→ドル買い優勢」という流れで150円80−90銭までドルが上昇すれば、海外時間でも口先介入は実施されよう。
どちらにしても、151円台に乗せるのは至難の業と想定する。今晩の上値メドは150円80銭、下値メドは149円80銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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