米CPIの上振れを受けて急上昇。心理的節目150.00を突破し、約3カ月ぶり高値圏へ
〇ドル円、米国時間午後にかけ150.88まで急伸 、高値圏で推移
〇米1月CPI、コアCPIの予想を上回る結果と米長期金利の上昇が背景
〇米2年債利回りは4.66%、米10年債利回りは4.32%に急上昇
〇ユーロドル、独2月ZEW指数の好調に1.0799まで上昇後、米長期金利上昇に一時1.0701まで急落
〇ドル円約3か月ぶり高値150.88まで急伸、テクニカルの地合い極めて強い
〇ファンダメンタルズも米FRBによる利下げ開始時期の大幅な後ずれ観測がドル円をサポート
〇引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:150.00ー151.50
海外時間のレビュー
13日(火)のドル円相場は急上昇。アジア時間朝方にかけて、安値149.28まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)日経平均株価の大幅上昇(リスク選好の円売り圧力)や、(2)米1月消費者物価指数(結果+3.1%、予想+2.9%)および、米1月コアCPI(結果+3.9%、予想+3.7%)の市場予想を大幅に上回る結果、(3)上記2を背景とした米FRBによる利下げ開始時期の後ずれ観測(次回3月FOMCでの25bp利下げ確率が8.5%まで急低下した他、次々回5月FOMCでの25bp利下げ確率も30.5%へ急低下→米2年債利回りが昨年12/13以来の高水準となる4.66%へ急上昇。米10年債利回りも昨年12/1以来の高水準となる4.32%へ急上昇)、(4)心理的節目150.00突破に伴う仕掛け的なドル買い・円売りが支援材料となり、米国時間午後にかけて、昨年11/16以来、約3カ月ぶり高値となる150.88まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間2/14午前5時50分現在)では、150.75前後で推移しております。
13日(火)のユーロドル相場は冴えない動き。(1)ドイツ2月ZEW景況感指数(結果19.9、予想17.5)の市場予想を上回る結果を背景に、一時1.0799まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(2)米1月消費者物価指数および、米1月コアCPIの市場予想を上回る結果や、(3)上記2を背景とした米長期金利の急上昇、(4)欧州株の冴えない動きが重石となり、米国時間午後にかけて、昨年11/14以来、約3カ月ぶり安値となる1.0701まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間2/14午前5時50分現在)では、1.0710前後で推移しております。尚、昨日はレーンECB専務理事兼チーフ・エコノミストより「次の一手は利下げだが、そのタイミングはデータに依存する」との発言が見られましたが、市場の反応は限られました。
本日の見通し
ドル円は米CPIショックで約3カ月ぶり高値150.88(昨年11/16以来の高値圏)まで急伸しました。日足ローソク足が全ての主要テクニカルポイントの上側に位置していることや、強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」「強気のパーフェクトオーダー」「ダウ理論の上昇トレンド」が成立していること、強い上昇トレンド入りを示唆する「強気のバンドウォーク」が点灯したこと、上位足(日足・週足)のみならず下位足(60分足・240分足)でも買いシグナルが点灯していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは「極めて強い」と判断できます。
また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる利下げ開始時期の大幅な後ずれ観測(昨日発表された米CPIが市場予想を上回ったことで、上半期中の利下げ観測が後退→米金利に上昇圧力→米ドル買い)や、(2)日銀による金融緩和の長期化観測(植田日銀総裁や内田日銀副総裁は先週、「マイナス金利解除後も金融緩和政策を続ける方向性」を改めて強調→円金利に低下圧力→円売り)、(3)上記1、2を背景とした日米金利差拡大とそれに伴う円キャリートレードの継続期待(ドル買い・円売り安心感)、(4)本邦個人投資家主導の円売りフロー(新NISA開始に伴う本邦個人投資家による外株投資の活発化)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。
以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続(昨年高値151.91に向けて上値を試す展開)をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は、米MBA住宅ローン申請指数(21:00)や、シカゴ連銀グールズビー総裁発言等が予定されております。
本日の予想レンジ:150.00ー151.50
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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