東京市場のドルは149円台での推移、政府・日銀による介入警戒で上値重くなるか
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、内田日銀副総裁の発言の余韻が続き、149円台でのしっかりとした推移となった。
昨晩の海外時間では、米先週分新規失業保険申請件数が予想以上に減少し、労働市場が依然として底堅いことが確認できたことから、早期利下げ観測が一段と後退。また、内田日銀副総裁発言を受けた円売りも継続し、ドルは昨年11月27日以来となる149円台で推移した。
東京時間では、株式市場で日経平均が34年ぶりに37000円台を乗せたものの、上げ幅縮小するなど上値の重さも意識されたことからドル買いは続かず。ただ、昨日の内田日銀副総裁発言の余韻は残っており円売り観測は継続。ドルは上下の値幅こそ30銭未満でトレードチャンスに欠ける地合いだったが、149円台のしっかりとした動きを見せた。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:149円29銭
高値:149円49銭
安値:149円24銭
終値:149円40銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:160円88銭
高値:161円02銭
安値:160円83銭
終値:160円93銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:96円96銭
高値:97円05銭
安値:96円88銭
終値:96円98銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:188円36銭
高値:188円58銭
安値:188円31銭
終値:188円46銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:36915円44銭
高値:37287円26銭
安値:36807円03銭
終値:36897円42銭(前日比+34円14銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
19時30分、欧、ナーゲル独連銀総裁とビルロワドガロー・フランス中銀総裁がイベント出席
23時15分、欧、チポローネECB理事が外国為替年次総会に出席
27時30分、米、ローガン・ダラス連銀総裁が質疑応答
中国市場は春節大型連休入り(16日まで休場、19日から取引再開)
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析】
日足ベースのドル・円は、一目均衡表の雲上限水準からの大陽線で一気に100日移動平均線を突破。目先の上値抵抗線と思われた148円90銭水準も昨晩の海外時間で上抜いたことから、いよいよ昨年11月20日以来となる150円台水準を意識した地合いを迎えた。
一方、政府・日銀による円安けん制発言に気を付けたいところだ。既に9日朝方に、鈴木財務相が「株価と為替の動向を注視、金融政策運営に政府はコメントしない」と発言したほか、林官房長官も「昨日(8日)の内田日銀副総裁の発言は、1月の植田総裁発言と同じ内容である」と発言。
さほど気にするレベルの円安けん制発言ではないが、今後、閣議など事あるごとに鈴木財務相や、為替介入の陣頭指揮を執る神田財務官の発言が市場に流れることだろう。基本的にこの水準では為替介入を実施することは無いと想定しているが、昨年11月と状況が異なる点はある。日銀が「金融政策の正常化」に向けた地ならしを着々と行っている点だ。
昨日の内田日銀副総裁の発言もまさにそれだ。計画的で念入りな「地ならし」を進めている一方、円安加速に伴うインフレ再燃で、市場が早期のマイナス金利廃止をまた期待し始めるかもしれない。
「金融政策の正常化」実施のタイミングを狂わされる要因を即座に排除する展開は頭にいれておきたい。つまり、2022年最後に行った為替介入よりも下の150円水準でも円買い・ドル売りの為替介入を実施する可能性は十分にあるということだ。
こうした政府・日銀による動きも考慮すると、一一足飛びの150円台回復は難しいだろう。日本が3連休を控えているほか、来週は米消費者物価指数の発表も控えていることから、今晩は149円台前半から半ばでのもみ合いを想定する。今晩の上値メドは149円60銭、下値メドは149円00銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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