東京市場のドルは148円台半ばまで上昇、149円台乗せを試す展開に
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、内田日銀副総裁の発言を受けたドル買いによって148円66銭まで買われた。
昨晩の海外時間では、米連邦準備制度理事会(FRB)高官が年2、3回の利下げを予想していることが明らかになったことから、ドルの上値を抑制。また、米商業用不動産への懸念にリスク回避の円買いも優勢となったが、ニューヨーク・コミュニティー・バンコープ株が持ち直すと、リスク回避の円買いが後退。ドルは148円台まで値を戻した。
東京時間では、148円を割り込む場面が見られたなか、奈良県経済懇親会にて内田日銀副総裁が「マイナス金利を解除しても、その後にどんどん利上げをしてくようなパスは考えにくく、緩和的な金融環境を維持していくことになる」と発言したことから市場はドル買いで反応。株式市場でも日本株は大幅高となり、日経平均は34年ぶりの高値水準まで上昇した。
その後、「今の見通しを前提とすれば、緩和的環境は維持される」と午後の記者会見でも同様の意見を述べたことからドルは148円66銭まで買われた。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:148円05銭
高値:148円66銭
安値:147円93銭
終値:148円60銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:159円49銭
高値:160円29銭
安値:159円47銭
終値:160円22銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:96円53銭
高値:96円92銭
安値:96円53銭
終値:96円89銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:186円97銭
高値:187円75銭
安値:186円87銭
終値:187円67銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:36258円84銭
高値:36956円97銭
安値:36206円20銭
終値:36863円28銭(前日比+743円36銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
18時00分、欧、ECB経済報告
20時00分、欧、ブイチッチ・クロアチア中銀総裁が討論会に参加
21時30分、欧、ウンシュ・ベルギー中銀総裁が講演
22時30分、米、バーキン・リッチモンド連銀総裁がTV出演
22時30分、米、週次新規失業保険申請件数、前回:189.8万件、市場予想:187.2万件
24時30分、欧、レーンECBチーフエコノミストが討論会に参加
26時05分、米、バーキン・リッチモンド連銀総裁が講演
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析】
日足ベースのドル・円は、一目均衡表の雲上限からの大陽線で一気に100日移動平均線を突破。今年の高値148円82銭(1月19日、2月5日)を上回ったが、この水準を維持できず上げ幅を縮小したことで、148円90銭水準が、引き続き目先の上値抵抗線として意識されつつある。
時間外の米10年債利回りは4.10%水準と目立った動きは見られないが、今晩の海外時間では、内田日銀副総裁のコメントを材料に、目先の上値抵抗線および149円台乗せを試す展開となりそうだ。
売買材料となるのは、今晩も米政府高官の講演となろう。今晩はバーキン・リッチモンド連銀総裁が講演を行う。バーキン氏は、昨晩「インフレ率が、FRBが目標とする2%に向けてどの程度持続的に低下しているのかまだ疑問が残る」と発言するなど「タカ派」である。既に昨晩から講演内容が伝わっていることからさほど市場は反応しない可能性はあるが、内田副総裁発言でドル買いの流れができていることから注目したい。
なお、昨晩、FRB理事に就任後、初めての講演となったクーグラーFRB理事は「インフレと労働市場の継続的な鈍化により、ある時点でフェデラルファンド(FF)金利誘導目標レンジの引き下げが適切になる可能性がある」「インフレに関する進展は喜ばしく、その流れが続くことに楽観的だが、こうした進展の継続を確認するため経済データを注意深く見極めていく」といった発言に留め、年内利下げのタイミングについては明らかとしなかった。
市場では、パウエルFRB議長とほぼ同じスタンスとの見方がされており、3月利下げの可能性は低いとの見解を持っていると推測されよう。
今晩の海外時間で、ドル買いがやや強まっていることから目先の上値抵抗線突破を想定する。今晩の上値メドは149円10銭、下値メドは148円20銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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