ドル円、内田日銀副総裁によるハト派的な発言を受けて、約2ヵ月半ぶり高値圏へと急上昇(2/9朝)

8日(木)のドル円相場は堅調な値動き。

ドル円、内田日銀副総裁によるハト派的な発言を受けて、約2ヵ月半ぶり高値圏へと急上昇(2/9朝)

内田日銀副総裁によるハト派的な発言を受けて、約2ヵ月半ぶり高値圏へと急上昇

〇ドル円、内田日銀副総裁のハト派発言、米指標の好調に米国時間朝方に149.50まで上昇
〇ユーロドル、ECB関係者のタカ派発言続き、1.07台を堅調推移
〇ドル円、主要テクニカルポイントの上で推移、強い買いシグナルも継続、地合い強い
〇ファンダメンタルズも日米金融政策の方向性の違いと円キャリートレードの継続期待がドル円支持
〇引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:148.75ー150.00

海外時間のレビュー

8日(木)のドル円相場は堅調な値動き。アジア時間朝方にかけて、安値147.93まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)清水日銀理事による「マイナス金利を解除しても緩和的な環境が続く」とのハト派的な発言や、(2)内田日銀副総裁による「マイナス金利解除後もどんどん利上げするパスは考えにくい」「緩和的な金融環境が大きく変化することは想定されない」とのハト派的な発言、(3)上記1、2を背景とした日銀による金融緩和の長期化観測(本邦10年債利回り低下→円売り再開)、(4)日経平均株価の急上昇(リスク選好の円売り圧力)、(5)米新規失業保険申請件数(結果21.8万件、予想22.0万件)の良好な結果、(6)米12月卸売売上高(結果+0.7%、予想+0.3%)の市場予想を上回る結果、(7)米金利上昇に伴うドル買い圧力、(8)米主要株価指数の堅調推移が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値149.50(昨年11/27以来の高値圏)まで急伸しました。

引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間2/9午前6時35分現在)では、149.34前後で推移しております。尚、昨日はリッチモンド連銀バーキン総裁より「利下げへの確信はインフレが一段と抑制されることによって決まる」「雇用市場は逼迫しているが、データが示すほど逼迫していない」との発言が見られましたが、ドル円相場への影響は限られました。

8日(木)のユーロドル相場は底堅い動き。欧州時間朝方にかけて、高値1.0789まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)米新規失業保険申請件数の良好な結果や、(2)米金利上昇に伴うドル買い圧力が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値1.0741まで反落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(3)ベルギー中銀ウンシュ総裁による「賃金上昇が利下げを阻んでいる」「より安心できる賃金データが得られるまで待つ価値はある」との早期利下げに慎重な発言や、(4)レーンECB専務理事兼チーフ・エコノミストによる「2%目標への道筋確保には一段のディスインフレが必要」との早期利下げに慎重な発言、(5)オーストリア中銀ホルツマン総裁による「ECBが今年中に利下げを実施しない可能性は確かにある」とのタカ派的な発言が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間2/9午前6時35分現在)では、1.0777前後まで持ち直す動きとなっております。

本日の見通し

ドル円は一時149.50まで上昇するなど、昨年11/27以来、約2ヵ月半ぶり高値圏へと急伸しました。日足ローソク足が主要テクニカルポイントの上側に位置していることや、強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」「強気のパーフェクトオーダー」が成立していること、昨年11/13高値151.91と昨年12/28安値140.25を起点としたフィボナッチ76.4%戻し(149.15)を達成したこと、日足のみならず下位足(60分足や240分足)でも強い買いシグナルが点灯していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは極めて強いと判断できます。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)日銀による金融緩和の長期化観測(先月開催された日銀金融政策決定会合後の記者会見で植田日銀総裁は「マイナス金利を解除しても極めて緩和的な環境が続く」と発言。また、昨日は内田日銀副総裁からも「マイナス金利解除後もどんどん利上げするパスは考えにくい」「緩和的な金融環境が大きく変化することは想定されない」との発言あり→マイナス金利解除後も円金利が低位に抑えられるとの思惑再浮上→円売り再開)や、(2)米FRBによる利下げ開始時期の後ずれ観測(3月FOMCでの25bp利下げ確率は18.5%まで低下→ドル買い再開)、(3)上記1、2を背景とした日米金融政策の方向性の違いとそれに伴う円キャリートレードの継続期待(日米金利差に着目したドル買い・円売り安心感)など、ドル円相場の続伸を連想させる材料が揃っています。

以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします(心理的節目150.00や、昨年高値151.91を早期に突破するシナリオを想定)。

本日の予想レンジ:148.75ー150.00

注:ポイント要約は編集部

内田日銀副総裁によるハト派的な発言を受けて、約2ヵ月半ぶり高値圏へと急上昇

ドル円日足

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