ポジション調整主導で約2カ月半ぶり高値圏から急反落。但し下値余地は限定的か
〇ドル円、米国時間に148.82まで上昇するも反落、午後にかけ147.82まで下落
〇米長期金利低下に伴うドル売り圧力、日経平均株価の冴えない動き等が背景
〇ユーロドル、1.07台で方向感に欠ける動き
〇ドル円、テクニカルの地合い維持され、ファンダメンタルズもドル円の上昇材料揃う
〇ドル買い・円売りトレンドの継続(一巡後の持ち直し)をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:147.50ー149.00
海外時間のレビュー
6日(火)のドル円相場は高値圏から急反落。米国時間朝方にかけて、高値148.82まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)前日高値148.90(昨年11/27以来の高値圏)を背にした戻り売り圧力の高まりや、(2)米金利低下に伴うドル売り圧力(米10年債利回りが4.17%から4.08%まで急低下)、(3)日経平均株価の冴えない動き(3日ぶりに反落した他、ナイトセッションでも下落基調継続)、(4)心理的節目148.00下方ブレイクに伴う仕掛け的なドル売り・円買いが重石となり、米国時間午後にかけて、安値147.82まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間2/7午前4時35分現在)では、147.96前後で推移しております。尚、昨日はクリーブランド連銀メスターによる「FRBは年内に利下げする可能性が高い」「但し利下げは緩やかなペースになる可能性が高い」との発言や、ミネアポリス連銀カシュカリ総裁による「インフレに関してはかなりの進展があったがまだ最終地点に達してない」との発言が見られましたが、市場の反応は限定的となりました。
6日(火)のユーロドル相場は方向感に欠ける展開。欧州時間朝方にかけて、高値1.0762まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)スペイン中銀デコス総裁による「インフレ率が目標の2%に戻りつつあり、次の政策行動が利下げになることを確信している」とのハト派的な発言や、(2)欧州債利回り低下に伴うユーロ売り圧力(ECBによる早期利下げ観測の高まり)、(3)ユーロ圏12月小売売上高(結果▲1.1%、予想▲1.0%、※前月比)の市場予想を下回る結果が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値1.0722(昨年11/14以来の安値圏)まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(4)米金利低下に伴うドル売り圧力や、(5)欧州株の堅調推移が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間2/7午前4時35分現在)では、1.0750前後まで持ち直す動きとなっております。
本日の見通し
ドル円は約2ヵ月半ぶり高値圏から反落する動きとなりましたが、日足ローソク足が依然として全ての主要テクニカルポイントの上側に位置していること(ダウンサイドに複数のサポートポイントが並んでいること)や、強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」「EMAベースでの強気のパーフェクトオーダー」「昨年11/13高値151.91と昨年12/28安値140.25を起点としたフィボナッチ61.8%戻し」が成立していること、今週中に「21日線と90日線のゴールデンクロス」実現が見込まれていること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは崩れていない(昨日の下落はあくまで急ピッチな上昇に対する一時的な反動売り)と判断できます。
また、ファンダメンタルズ的に見ても、日米金融政策の方向性の違い(日銀による金融緩和の長期化観測と、米FRBによる利下げ開始時期の後ずれ観測の組み合わせ)や、それに伴う円キャリートレードの継続期待(日米金利差に着目したドル買い・円売り安心感)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。
以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続(一巡後の持ち直し)をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は米12月貿易収支に加えて、クーグラーFRB理事講演や、ボストン連銀コリンズ総裁講演、リッチモンド連銀バーキン総裁講演、ボウマンFRB理事講演、米10年債入札などが予定されております。
本日の予想レンジ:147.50ー149.00
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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