【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、米雇用統計を前に様子見姿勢が強まり146円台前半から半ばでの小動き推移となった。
昨晩の海外時間では。先週分新規失業保険申請件数が予想外に増加したため労働市場のひっ迫緩和の憶測が強まったほか、米地銀への不安再燃で米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ観測再燃で米長期金利低下に伴うドル売りが優勢となった。
東京時間のドルは上下の値幅30銭未満の小動きとなった。目立った売買材料に乏しいなか、今晩の米雇用統計発表を前に積極的な売買は手控えられた。株式市場では決算発表銘柄に関心が向かい、連日の大商いとなったが、為替への影響は限定的だった。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:146円46銭
高値:146円52銭
安値:146円24銭
終値:146円43銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:159円25銭
高値:159円41銭
安値:159円05銭
終値:159円28銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:96円23銭
高値:96円64銭
安値:96円21銭
終値:96円56銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:186円66銭
高値:186円81銭
安値:186円44銭
終値:186円70銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:36249円99銭
高値:36441円09銭
安値:36083円61銭
終値:36158円02銭(前日比+146円56銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
17時30分、欧、センテノ・ポルトガル中銀総裁が講演
☆22時30分、米、1月雇用統計(前月比)、前回:21.6万人、市場予想:18.0万人
☆22時30分、米、1月失業率、前回:3.7%、市場予想:3.8%
☆22時30分、米、1月平均時給(前月比)、前回:0.4%、市場予想:0.4%
24時00分、米、12月製造業新規受注(前月比)、前回:2.6%、市場予想:0.5%
24時00分、米、1月ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)、前回:78.8、市場予想:78.8
☆24時00分、米、12月耐久財受注(確報値)、前回:0.0%、市場予想:0,0%
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析】
日足ベースのドル・円は、一目均衡表では、146円10銭水準の雲上限での攻防を迎えている。100日移動平均線を明確に下回っていることから、下向きの50日移動平均線が位置する145円20銭水準までの下げは入ってもおかしくない状況にある。
基準線は144円台半ばで推移していることから、50日移動平均線割れの後はこの水準が意識されそうだ。米雇用統計という上下に振れやすい経済指標の発表を控えていることから、あっという間に145円台割れの攻防を迎えるかもしれない。
この逆のドル買い加速も考えられるが、投資家心理を冷やす米地銀の健全性の話が再燃していることから、ドル買いの展開は考えにくいか。
地銀の話を少し掘り下げるが、今回話題となっているのは米地銀ニューヨーク・コミュニティ・バンコープ(NYCB)だ。発表した2023年10−12月期決算が市場予想に反して最終赤字となり株価は急落した。問題はその中身である。
FRBの利上げに伴い、商業不動産など保有資産の劣化が進み、債権の焦げ付きに備える引当金が急増。業績悪化の要因はこの保有資産の急速な劣化で、貸倒引当金の繰入額は5億5200万ドルと前年同期の4倍以上に拡大した。
NYCBは2023年に破綻したシグネチャー・バンクの預金など一部資産を引き受けるなど、「健全な地銀」のイメージが強かっただけに、市場心理を冷やす材料となった。
NYCBの件がどの程度、信用問題につながるかはまだ読めない状況だが、米金利が低下する可能性があるなか、積極的なドル買いは手控えられるだろう。こうしたモメンタム悪化を考慮すると、今晩の雇用統計が仮に市場予想通りの内容でも、ドルは売られる可能性がある。今晩の上値メドは146円80銭、下値メドは144円80銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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