ドル円、乱高下するも、米FOMCおよびパウエル議長記者会見を経て持ち直す展開(2/1朝)

月末31日(水)のドル円相場は急落後に持ち直す展開。

ドル円、乱高下するも、米FOMCおよびパウエル議長記者会見を経て持ち直す展開(2/1朝)

ドル円、乱高下するも、米FOMCおよびパウエル議長記者会見を経て持ち直す展開

〇ドル円、米指標の不冴え、FOMC後のパウエル議長のハト派発言に一時146.01まで下落
〇売り一巡後はパウエル議長の早期利下げ慎重姿勢に147円台後半まで買い戻される場面も
〇ユーロドル、米金利早期引き下げ観測後退に一時1.0795まで下落
〇ドル円、一目均衡表の「雲」上限にサポートされ反発、テクニカル的に見て地合い強い
〇ファンダメンタルズも米FRBによる利下げ開始時期の後ずれ観測がドル円をサポート
〇引き続き、ドル買い・円売りトレンドの再開をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:146.25ー148.00

海外時間のレビュー

月末31日(水)のドル円相場は急落後に持ち直す展開。欧州時間朝方にかけて、高値147.90まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)米1月ADP雇用統計(結果+10.7万人、予想+15.0万人)の市場予想を下回る結果や、(2)米10ー12月期雇用コスト指数(結果+0.9%、予想+1.0%)の市場予想を下回る結果、(3)米1月シカゴ購買部協会景気指数(結果46.0、予想48.0)の市場予想を下回る結果、(4)ナイトセッションの日経平均先物の大幅下落(リスク回避の円買い圧力)、(5)月末ロンドンフィキシングに絡むドル売り・円買いフロー、(6)パウエルFRB議長による「政策金利はサイクルのピーク」「年内のある時点で利下げを実施する可能性が高い」とのハト派的な発言が重石となり、日本時間早朝4:45頃に、日通し安値146.01まで急落しました。

しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(7)米FOMC声明への「2%の物価目標達成に向けてより確かな自信を得るまで利下げは適切ではない」との文言追加が改めて意識されたことや、(8)パウエルFRB議長による「適切であれば金利を長期間維持する用意がある」「3月利下げの可能性が高いとは考えていない」との早期利下げに慎重な発言、(9)米長期金利の低下幅縮小が支援材料となり、日本時間5:30過ぎに一時147.45まで急伸する荒々しい値動きとなりました。もっとも、売り一巡後に伸び悩むと、引けにかけて再び反落し、本稿執筆時点(日本時間2/1午前6時15分現在)では、147.02前後で推移しております。

月末31日(水)のユーロドル相場は上昇後に急反落。(1)米経済指標(米1月ADP雇用統計、米10ー12月期雇用コスト指数、米1月シカゴ購買部協会景気指数)の市場予想を下回る結果や、(2)上記1を背景とした米長期金利の急低下が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値1.0888まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(3)米FOMC声明文への「2%の物価目標達成に向けてより確かな自信を得るまで利下げは適切ではない」との文言追加や、(4)パウエルFRB議長による「適切であれば金利を長期間維持する用意がある」「3月利下げの可能性が高いとは考えていない」との早期利下げに慎重な発言、(5)上記3、4を背景とした米長期金利の低下幅縮小が重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.0795まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間2/1午前6時15分現在)では、1.0806前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は一時146.01まで急落するも、米FOMCおよびパウエルFRB議長記者会見を経て147円台へ持ち直す動きとなりました。日足ローソク足が一目均衡表雲上限に確りとサポートされて反発に転じたこと(下値の堅さの再確認)や、強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」「EMAベースでの強気のパーフェクトオーダー」が継続点灯していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます。また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)日銀による金融緩和の長期化観測(マイナス金利解除時期の後ずれ観測に加えて、例えマイナス金利を解除したとしてもイールドカーブコントロール等の金融緩和措置が続くとの見方の浮上→円金利の上昇余地は限定的)や、(2)米FRBによる利下げ開始時期の後ずれ観測(米FOMC声明文やパウエルFRB議長記者会見で早期利下げに慎重な姿勢を明確化。

3月利下げの織り込み度合は35.5%まで急低下→米金利の低下余地は限定的)、(3)上記1、2を背景とした円キャリートレードの継続期待(日米金利差に着目したドル買い・円売り)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。本日予定されている米1月チャレンジャーレイオフ調査や、米10ー12月期単位労働コスト速報値、米新規失業保険申請件数、米1月製造業PMI、米1月ISM製造業景況指数等が良好な結果を示す場合には、米長期金利の反転上昇→米ドル買いの経路で、ドル円に強い上昇圧力が加わるシナリオが想定されるため、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの再開をメインシナリオとして予想いたします。

本日の予想レンジ:146.25ー148.00

注:ポイント要約は編集部

ドル円、乱高下するも、米FOMCおよびパウエル議長記者会見を経て持ち直す展開

ドル円日足

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